いよいよ東京五輪の年が明けた。日本選手の活躍が期待できる卓球は、ますます注目されることだろう。 ところで、現在、卓球のラケットといえば、握手をするように握る「シェークハンド」と、ペンを握るように持つ「ペンホルダー」の2種類があるが、かつて日本にこのどちらでもないラケットが存在した。 第3のラケット「ハンドソウ」 ラケットのルールは、材質が木材という規定はあるが、大きさや形状についての規定はない。そのため、ペンホルダーでもシェークハンドでもない「第3のラケット」がこれまでにいくつも考案されてきたが、いずれも定着することなく消えていった。その中で唯一、全国大会の上位者が出るなど、ある程度の成功を収めたラケットが存在した。それが「ハンドソウ」だ。 「ハンドソウ」ラケット ハンドソウとは、グリップの一部に空いた穴に中指を入れて、その名の通り「手のこぎり(hand-saw)」のように持つラケットで、