こうした“文脈”の中から生まれてきたのが、そう「確定拠出型の年金」である。 従来の確定給付型年金の場合は、将来、従業員に対して支払う金額が確定しているため、積み増しが不足していたり、積んだファンドの運用がうまくいかなかったりすると、年金の原資が不足してしまう。その欠点を緩和しようと出てきたアイデアが、この確定拠出型年金──つまり年金用のファンドに積み増す拠出金だけを確定額にする考え方である。 例えば、典型的な確定拠出型年金の仕組みはこういった形である。 従業員が毎月積み立てる年金額と同額を会社もその従業員のために積み立てる。従業員が給与の中から毎月200ドルを年金に支払うと決めると、会社が福利厚生の一環としてあと200ドルを余計に年金を積み増してくれることになる。合計で400ドルの原資が出来るのだが、この400ドルの運用については、従業員各自が自分の意思で運用先を決めなければいけない。 確