富山大学院の井上将彦・医学薬学研究部教授らのグループは16日、仕組みが解明されていない左巻きのDNA(デオキシリボ核酸)を世界で初めて区別して検出することに成功したと発表した。同日付の欧州共同化学誌電子版に掲載された。 生物のDNAの大半である右巻きは、研究が進み、科学や医療などに役立てられているが、左巻きは極めて少ない。単独で検出できるようになれば、DNAの研究、応用がさらに進む可能性がある。 DNAはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類の塩基物質が2本の鎖状に連なり、らせん構造を形成。DNAには異なる遺伝情報が組み込まれており、個体の識別や病気の解明、治療に役立てられている。 同グループは左巻きにだけ反応する色素を組み込んだ試薬を開発。この試薬をDNAにつけて測定装置に入れることで、左巻きを検出する。同グループの藤本和久助教は「この方法を使えば左巻きのD