加計学園の獣医学部新設をめぐる騒動が続いているが、すでにあちらこちらで指摘されているとおり、民主党の鳩山政権時代に「特区設置を前向きに検討する」と決定されていた案件であり、基本的には何の違法性もない。むしろ問題があるとすれば、内閣の決定を7年間も無視し続けた文部科学省にあり、それこそ、この問題の本質と言っていい。 では、なぜ彼らは7年間もサボり続けたのか――。同じ国家戦略特区でありながら、2015年11月公募開始で17年春にスピード開校した千葉県成田市の国際医療福祉大学をみれば一目瞭然だ。 先輩方が住まう「ヴァルハラ」大学の存在 国際医療福祉大には現在6人の高級官僚が学長、理事といったポストに天下っており、過去には文科省トップの事務次官経験者も天下っていた実績もある。要するに文科省の大のお得意様であり、省益のために全力を尽くして戦った歴代の先輩方の住まうヴァルハラみたいな大学ということだ。
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