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ブックマーク / k-houmu-sensi2005.hatenablog.com (55)

  • ニュースと判決文を眺めただけでは分からない「リツイート最判」の本当の意義。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    今年の春以降、全体的に裁判所の動きが悪くなっている中で、知財業界にインパクトを与えるような判決もあまり出てこない状況が続いていたのだが、ここにきて強烈なインパクトのある判決が出た。しかも最高裁から・・・。 「ツイッターでリツイート(転載)された画像の一部が自動的に切り取られる設定を巡る訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(戸倉三郎裁判長)は21日、「著作者の氏名を表示する権利を侵害した」との判断を示した。ツイッター社側の上告を棄却し、メールアドレス開示を命じた二審・知財高裁判決が確定した。」(日経済新聞2020年7月22日付朝刊・第36面、強調筆者、以下同じ。) 一般メディアの報道ではどうしても伝わりにくいのだが、件はあくまで発信者情報開示請求事件。 そして、記事に出てくる権利侵害云々の話も、あくまでプロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に

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    pollyanna 2020/07/27
  • これが法解釈の限界なのか?~音楽教室 vs JASRAC 東京地裁判決に接して - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    2017年に紛争が表面化し、以来、足掛け2年以上にわたって争われてきた「音楽教室に対する著作権使用料請求が認められるかどうか?」という問題。 当事者間の協議が平行線をたどったまま、JASRAC(一般社団法人日音楽著作権協会)側が、「音楽教室における演奏等」にかかる使用料規程の新設を強行しようとする動きの中、音楽教室側(「音楽教室を守る会」の会員251社)が著作権侵害に基づく損害賠償請求権又は不当利得返還請求権の不存在確認を求めて訴えを提起する、という異例の展開を幕を開けたこの事件も、ようやく第一審判決の日を迎えることとなった。 結果は、原告の請求棄却、すなわち、JASRAC側の著作権に基づく各請求権は否定されない、という結論になったのだが、即日「守る会」のWebサイトにアップされた判決文*1を読んで、どうしても割り切れないモヤモヤした気持ちが沸き上がってしまったこともあり、裁判所のWeb

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    pollyanna 2020/03/02
  • 結局はこうなってしまうのか、という・・・ - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    今年の春以降、断続的に取り上げてきた「オプジーボ」特許の対価をめぐる問題。 k-houmu-sensi2005.hatenablog.com k-houmu-sensi2005.hatenablog.com その後も、なかなか歩み寄りにつながりそうな気配もなくて、どうなるのかな、と気を揉んでいたら、遂に以下のような記事が出てしまった。 「がん免疫薬「オプジーボ」の特許料などを巡り、小野薬品工業と対立する京都大学の庶佑特別教授は、対価を巡る分配金150億円の支払いを求める民事訴訟を大阪地裁に起こす意向を固めた。庶氏の代理人弁護士は27日、取材に対し「小野薬品の対応次第だが、9月初旬にも訴訟を提起することになるだろう」と述べた。特許料を巡る両者の対立は法廷闘争に発展することになる。」(日経済新聞2019年7月27日付夕刊・第1面) どちらにも譲れない何か、があったのだろうし、それを外野か

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    pollyanna 2019/07/30
  • Ruth Bader Ginsburg判事の人生と、これからの自分と。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    よく考えたら、もう2年くらい出張の飛行機の中でくらいしか映画というものを見ていなかったな、ということに気が付いて、久々に映画館に足を運んだ。 www.finefilms.co.jp 86歳を迎えた現在でも、米国連邦最高裁で現役の判事として活躍されているルース・ベイダー・ギンズバーグ氏がこれまで歩んでこられた道のりと「今」を描いた硬めのノンフィクションで、法クラ関係者以外に見る人がどれくらいいるんだろうな?と半信半疑だったのだが、上映館の中はほぼ満席。そして、自分も、前宣伝で抱いた期待以上に素晴らしい仕上がりの作品だな、という印象を抱いた。 RBG [Blu-ray] 出版社/メーカー: Magnolia発売日: 2018/08/28メディア: Blu-rayこの商品を含むブログを見る (以下、ネタバレ注意) もちろん、かつて、マイケル・ムーア監督の作品が物議をかもしたのと同様に、この映画

    Ruth Bader Ginsburg判事の人生と、これからの自分と。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
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    pollyanna 2019/05/23
    “だから・・・というわけではないが、自分はこの映画をご覧になる方には、サイドストーリーとして描かれている「夫婦愛」の物語を追いかけることをお勧めしたい”
  • 改めて問い直される「特許の価値」と「契約」の意味。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    昨年、ノーベル生理学・医学賞受賞が発表された直後から、祝祭ムードを吹き飛ばすような緊張した空気が流れ続けている「オプジーボ」特許問題。 そして、昨日の朝刊には、京大・庶佑特別教授側が開いた、小野薬品を批判する記者会見の内容が掲載された。 「京都大学の庶佑特別教授らは10日、記者会見を開き、小野薬品工業と共同で取得したがん免疫薬「オプジーボ」に関する特許の対価について、引き上げを求めた。2006年に結んだ契約について「契約時の説明内容が不正確」と改めて同社を批判した。ただ、京大の契約に関する経験や交渉力の不足が原因となった面は否めず、産学連携を進めるうえでの課題を示した形だ。」 「庶氏は1992年にオプジーボの開発のもととなった物質「PD-1」を発表。その後、小野薬品と製品化の交渉を始め、03年にがん治療法に関する特許を出願。06年に特許のライセンス契約をした。庶氏は18年のノーベル

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    pollyanna 2019/04/14
  • 「非正規格差」訴訟がもたらす日本の雇用の未来 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    ここ数年、人事労務業界に大きな話題を振りまいてきた「非正規格差」訴訟で、先週、遂に最高裁が労働契約法20条に関する解釈、判断を示した。 「正社員と非正規社員の待遇格差を巡る2件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(山庸幸裁判長)は1日、定年退職後の再雇用などで待遇に差が出ること自体は不合理ではないと判断した。その上で各賃金項目の趣旨を個別に検討し、両訴訟で一部手当の不支給は「不合理で違法」として損害賠償を命じた。労働契約法20条は正社員と非正規社員の不合理な待遇格差を禁じており、同条の解釈を巡る最高裁の判断は初めて。」(日経済新聞2018年6月2日付朝刊・第1面) 当時の世相を反映して、労働契約法に以下の条文が追加されたのは、平成25年のこと。 (期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止) 第二十条 有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定め

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    pollyanna 2018/06/11
  • 「若いのに勇気がある」のか「若さゆえの勇気」なのか。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    ここのところずっと話題になっていた(らしい)アメフト定期戦での“反則タックル”事件で、遂に、当事者である日大の選手が実名で顔を出して記者会見する、という偉業を成し遂げた。 顔も実名も晒したうえで、「監督、コーチの指示による反則タックルだった」ことをストレートに認める会見だったこともあり、これまで逃げまくってきた日大アメフト部首脳陣と比較して「勇気ある若者」という評価が一日にして固まろうとしている。 確かに、彼の会見は立派だったと思うのだけど・・・ この世の中には、組織のトップの方の人間の作為で、あるいは知りながらの不作為で引き起こされる不祥事、というのが結構ある。 だが、今、首相官邸周りで起きている出来事を見ても分かるように、その手の不祥事でことの「全容」が明らかになっているケースというのは極めて少ない。 なぜかといえば、その種の構造の不祥事では、責任の大元である上の方の人間が頑なに口をつ

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    pollyanna 2018/05/23
  • 「知財」だけでは国は立たぬ〜特許政策15年の失敗〜 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    記事を見かけてから、少し時間が経ってしまったのだが、やはり一言釘を刺しておきたいところがあったので、ここで取り上げておく。 ターゲットは日経紙法務面の「知財立国は成ったか(上)」という特集(渋谷高弘編集委員担当)である。 「2003年3月に知的財産基法が施行され、政府に知的財産戦略部が置かれてからまもなく15年。日は特許や著作権などの保護・活用を通じ企業の競争力を回復させる「知財立国」を目指してきたが、現時点の評価は厳しい。何が誤算だったのか。国や企業の取り組みを振り返りながら、その成否を検証する。」(日経済新聞2018年1月15日付朝刊・第11面、強調筆者、以下同じ。) この記事、多少の“自省”も込められている、という点で、これまで、「知財取得・活用」称賛一辺倒になることが多かった日経紙のコラムにしては、比較的読み応えがあるものになっていると言えるだろう。 特に、特許の大量出願が

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  • 「白猫」特許訴訟騒動を見て思うこと。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    10日くらいから流れ始めた任天堂のコロプラに対する特許権侵害訴訟提起のニュース。 差止め、損害賠償請求の対象が、ゲーム業界の勢力図を変えた人気スマホゲーム「白プロジェクト」ということもあり、ネット上でも大きな盛り上がりを見せた*1。 「コロプラは10日、任天堂が特許権侵害で東京地裁に同社を提訴したと発表した。任天堂はコロプラの主力のスマートフォン(スマホ)向けゲーム「白プロジェクト」の差し止めと44億円の損害賠償、遅延損害金を求めている。白はコロプラの稼ぎ頭。差し止めになった場合、業績への影響が大きい。提訴は2017年12月22日付。任天堂によると、タッチパネル上で操作する際に使用する特許技術など5件が対象だという。任天堂が国内で特許権侵害について提訴するのは初めて。」(日経済新聞2018年1月11日付朝刊・第16面) コロプラは、同日中にリリースを掲載し*2、以下のように訴訟の経

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    pollyanna 2018/01/14
  • 表層的な批判からは何も生まれない。〜神鋼報告書への批判に物申す。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    先月の会見での第一報公表以来、「他山の石」事象として注目を集めてきた株式会社神戸製鋼所の「品質」問題だが、先週金曜日(10日)に「当社グループにおける不適切行為に係る原因究明と再発防止策に関する報告書」と題する社内調査の報告書が世に出された。 http://www.kobelco.co.jp/releases/files/20171110report.pdf 全部で28ページ、と、この種の報告書としては比較的コンパクトなつくりながら、そこに書かれている「原因分析」には、どんな企業でも“ハッ”とするようなエッセンスが随所に盛り込まれていて、短期間で、しかも社内調査でまとめ上げた報告書としては秀逸な出来、というのが、これを読んだ時の自分の率直な感想だった。 例えば、「(1)収益評価に偏った経営と閉鎖的な組織風土」という項目の中では、 「権限の委譲を推進する一方で、経営自らが責任をもって工場の困

    表層的な批判からは何も生まれない。〜神鋼報告書への批判に物申す。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
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    pollyanna 2017/11/16
    “掘り下げるのであれば、一つひとつの事業所、工場における品質検査数値改ざんのプロセスよりも、「それを行い続け、是正することを拒み続けた関係者の心理」に徹底して光を当ててほしい”
  • 最高裁判所裁判官・国民審査対象各裁判官の個別意見について(2017年版) - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    2012年、2014年と、ここ2回ほど、総選挙のタイミングで行われる最高裁裁判官の国民審査の前に、対象となる各裁判官の個別意見をご紹介する、という企画をやってきた。 最近は、ブログで判例を取りあげる機会もほとんどないし、記事を書く以前にそもそも判決を読んでネタを仕込む、という作業も長らくサボってしまっているのだが、そうはいっても子の機会くらいは、ということで今回も。 前回の総選挙時に比べると、選挙の間隔が空いたこともあって、対象者7名と若干増えてはいるのだが、うち3名は今年に入ってから就任した裁判官だし、個別意見を書く裁判官が就任後一定期間経った裁判官に集中している、という傾向も変わらないから、判断材料となる意見の数は必ずしも多くない*1。 とはいえ、某会議のように、昨年の参院選一票の格差違憲訴訟の立場だけで「×」を付けるのも短絡的というほかないので*2、数少ない意見サンプルから、読者の皆

    最高裁判所裁判官・国民審査対象各裁判官の個別意見について(2017年版) - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
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    pollyanna 2017/10/22
  • 「高品質」神話の果てに。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    連休中日に公表する、という王道の広報戦略で、ハレーションをできるだけ小さくしようとした努力もむなしく、燎原の炎のように燃え広がる一途になってしまっている神戸製鋼所の「品質データ改ざん」問題。 これまでの断片的なプレス発表や報道だけでは、全容をはかり知ることはできないし、そのうちに、第三者委員会の報告書等で原因究明も図られるだろうから、この件に特化して、軽々しく語ることは今は難しい。 ただ、日の製造業の生産現場の生の姿に触れることも多い身としては、既に一部で語られているように、これを「神戸製鋼所」という会社特有の問題として片づけることには、大いに疑問を感じている。 これまで日のメディアも有識者も、政治家も役人も、時には産業界の人間でさえ、「日の工業製品は『品質』では世界のどこにも負けない」という神話を信じてきた。そして、今や生産規模では日を追い越し、あるいは肉薄している新興国も「価格

    「高品質」神話の果てに。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
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    pollyanna 2017/10/19
    “巷ではいまだに根強い「技術を盗まれないように営業秘密保護法制を強化する」という発想が、もはや時代遅れのものになってしまっている”
  • 今ひとつ腑に落ちない「ストレート麺」特許紛争の結末 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    日清品HDが、「即席麺の製造技術に関する特許を侵害された」として、「サッポロ一番」で有名なサンヨー品を相手取り、特許権侵害訴訟を提起したのは、2012年12月のこと。 業界大手同士の特許権侵害訴訟で、既に越後製菓vsサトウ品の“切り訴訟”が世を賑わせていたこともあり、当時はかなりの注目を集めたものだが、請求の根拠となっている日清品側の特許の内容*1や、「即席麺」に関して、サンヨー側も自らの特許を持っていること*2などから、個人的には、日清側が請求を維持し続けることができるのかどうか、疑問に感じるところも多い事件ではあった。 ところが、あれから約2年経ち、あっと驚くような決着が報じられることとなった。 「日清品ホールディングスは21日、・・・サンヨー品などに損害賠償などを求めた訴訟で双方が和解したと明らかにした。日清によると、和解は15日付。和解金の支払いの有無や金額は非公表。

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    pollyanna 2015/02/02
  • これが現実だったのか・・・ - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    もう随分と長い間、自分は、「会社」という枠の中で、今の仕事にかかわってきた。 その間に、違う方向の仕事に進む機会も、違う立場から今と同じような仕事をする機会も、何度となくめぐってきてはいたのだけれど、それでも、自分がここでやってきたのは、今の立場でやる仕事の魅力を誰よりも感じていたからであり、そして、同じ道を歩んできた先達の方々に、心から尊敬できるような人々が多くいる、と思っていたから、である。 だが、ここ数年、会社の外に出て、あれこれといろんな仕事にかかわるうちに、「あれ、こんなだったっけな・・・」と思うことが増えてきたような気がしてならない。 これまで、単に見えていなかった部分が、自分が成長して、よりディープに周りの世界に関わる中で見えるようになってきただけ、ということなのか、それとも、今の仕事そのものを取り巻く環境が変わってきてしまっているのか、は分からないけれど、“幻滅”に近い感情

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    pollyanna 2015/02/02
  • 職務発明訴訟における証拠の偏在にどう対処すべきなのか? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    かねてから当ブログで取り上げている「職務発明」をめぐる問題であるが、今般、法改正を主張している人々の中には、「相当の対価」算定の困難さ、という法解釈上の問題に加えて、 「職務発明をめぐって訴訟になると、発明者の特定から、特許の有効性・権利範囲、そして損害額算定の基礎となる実施料率等に至るまで、当事者の主張が錯綜し、紛争が泥沼化することが多い」 「その結果、訴えられた企業側において、営業秘密にかかわる証拠を開示して反論するか、あるいは、あえて反論せずに受忍するか、というシビアな選択を迫られることも多い」 といった“裁判という紛争解決手続”そのものの問題点を指摘する方も多い。 そして、そんな懸念が決して机上のものではない、ということが、判決文からも優に読み取れる判決が、最近になって最高裁のHPで公表された。 判決文は、HPへの公表版だけでも158頁と大部になっているため、ここでは、上記の問題点

    職務発明訴訟における証拠の偏在にどう対処すべきなのか? - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
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    pollyanna 2015/01/13
  • 「7年」という月日が変えたもの、変えなかったもの〜中山信弘『著作権法』〔第2版〕より - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    東大の中山信弘教授(当時、現・名誉教授、明治大学特任教授)が、待望の概説書『著作権法』を世に出されたのは、2007年10月のことであった。 自分などは、序文から既にほとばしってくる、著者の熱い思い(混迷する著作権制度への憂いと、新しい時代に対応するための「あるべき姿」に向けられた解釈論、及び立法に向けた思い等)に圧倒され、「これを精神的支柱とすべきである」というようなことを、このブログの書評に添えて書いたものである*1。 それから7年。 初版が多くの知財関係者の「待望」が積み重なった末に世に出たものであることを考えると、当時の感覚を知る者にとっては、「もう第2版が出るの?」という印象の方が強かったりもするのだが(笑)、冷静に考えれば「7年」というのは決して短い時間ではない。 著作権法の世界だけを眺めても、平成21年、平成24年と、2度の大きな改正を経ており、〔初版〕で中山教授が投げかけた“

    「7年」という月日が変えたもの、変えなかったもの〜中山信弘『著作権法』〔第2版〕より - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
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    pollyanna 2014/11/25
  • これが解釈論の限界なのか?〜自炊代行訴訟・知財高裁判決への落胆と失望 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    昨年9月30日に第一審判決が出てから、はや1年超。 単純な「控訴棄却」事件であれば、1回で結審して早々に判決を出すことも稀ではない知財高裁が判決まで1年以上も引っ張った、ということもあって、ユーザーサイドの人々を中心に“かすかな期待感”を抱く向きもあった「自炊代行」訴訟だが、今週22日に出された判決の結論は、“予定調和的なそれ”のままだった。 「顧客の依頼でや雑誌の内容をスキャナーで読み取り電子データ化する『自炊代行』の適否が争われた訴訟の控訴審判決で、知的財産高裁(冨田善範裁判長)は22日、著作権(複製権)の侵害を認めて複製差し止めと70万円の侵害賠償を命じた一審・東京地裁の判断を支持し、東京都内の自炊代行業者側の控訴を棄却した。」(日経済新聞2014年10月23日付朝刊・第39面、強調筆者) 件訴訟の原告(被控訴人)は、浅田次郎氏、弘兼憲史氏をはじめとする一流の作家・漫画家で、代

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    pollyanna 2014/10/28
  • ノーベル賞報道がもたらしたフラッシュバック。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    #なぜか二重投稿になってしまったので、再投稿します。ブクマ、リンク等付けてくださった皆様、申し訳ございません。 ノーベル賞ウィークが始まって間もない火曜日の夜に、突如として飛び込んできた日の3氏*1によるノーベル物理学賞受賞のニュース。 「青色発光ダイオード」の発明と実用化に貢献した、として、赤崎勇・名城大教授、天野浩・名古屋大教授と並び、(知財を少しでもかじった者であれば知らぬ者はない)中村修二・米カリフォルニア大教授のお名前も、受賞者の中に挙がっていた。 「青色LED」が画期的な発明であることは、もう10年以上前から言われていたことで、夜の街を彩るライトアップの光が、21世紀に入って以降、すっかり「白と青」の発光ダイオードに置き換えられたことからも分かるように、「実用化」という観点からも社会に爆発的なインパクトをもたらしたものであることは間違いない。 そして、材料である化学物質(窒化

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    pollyanna 2014/10/14
    『今回の受賞を引き合いに出して、「職務発明制度」についてあれこれ論じるのは、自分はお門違いなことではないかと思っている』ですね。
  • 「維新の会」商標をめぐる紛争と商標法4条1項6号該当性の判断基準時をめぐる論争 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    かつて、「維新」の旗印を掲げて大阪エリアを席巻し、あわや政権の座まで伺う勢いだった政治団体が存在した。 正確に言えば、まだ大阪ではそれなりの支持を得ているようだし、中央政党としても、まだ「日維新の会」は辛うじて存続しているようだから、“過去形”にしてはいけないのだろうが、2年前の総選挙(&翌年の参院選)以降、すっかり勢いが影を潜めてしまっている(しかも“分裂”等の騒動もあった)のも事実だけに、どうしても昔話のように思えてしまう。 そんな中、商標の世界で、「維新の会」をめぐる興味深い判断が示されている。 登録査定、審判時に存在する、とされた商標法上の不登録事由が、審決取消訴訟の過程で事後的に解消したらどうなるか? というかねてからの議論にも、一石を投じるかもしれないこの事例を、かつての“旋風”を懐かしみつつ、取り上げてみることにしたい。 知財高判平成26年9月17日(平成26年(行ケ)第1

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    pollyanna 2014/09/24
  • 産業界の「方針大転換」の行く末〜職務発明制度見直しはどこに向かうのか。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~

    かねてから、当ブログで、「そもそも、なぜ法改正が必要なのか?」ということを問いかけてきた、特許法35条(職務発明に関する規定)の改正をめぐる問題が、いよいよ議論の最終章に突入しようとしているようである。 「特許庁は企業の従業員が発明した特許について、条件付きで企業に帰属させる方向で検討に入った。いまは発明した従業員が特許を持つが、企業の設備や同僚の協力なしに発明するのは難しいためだ。ただ従業員に報酬を支払う新ルールを整備し、企業が発明者に報いることを条件とする。」 「特許庁が3日に開いた有識者会議では、経団連の和田映一氏ら産業界の委員が『法律で発明者に報奨することを定めるのは、企業と従業員の双方に有意義』と表明した。」 (日経済新聞2014年9月4日付け朝刊・第5面) この議論が始まって以来、明らかに不正確だったり、単なる観測気球としか思えないような記事が、あちこちで紙面を飾っていること

    産業界の「方針大転換」の行く末〜職務発明制度見直しはどこに向かうのか。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~
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    pollyanna 2014/09/16