北方領土を「わが国固有の領土」と明記する「北方領土問題解決促進特別措置法」改正案の衆院通過に対抗して、ロシア下院は改正案が撤回されない限り、領土交渉を行わないよう政府に求める声明を採択した。 声明では、日露交渉の行き詰まりは避けられないと述べ、「すべての責任は日本側にある」としている。まったくの責任転嫁であり、7月のイタリア主要国首脳会議(G8サミット)で予定される日露首脳会談を前にしての露骨な揺さぶりである。 こうした日本世論の分断工作に、断じて乗せられてはならない。全会一致で通過した衆院に続き、参院は審議入りしていないが早急に成立させ、日本の意思を明確にすることが何より大切だ。 ロシア側は、内政干渉にも等しい声明や対抗策を採択する前に、まずは自国の「歴史の真実」を真摯(しんし)に直視すべきである。 第二次世界大戦末期の1945年8月9日、当時のソ連は「日ソ中立条約」を一方的に破って対日