1997年の武蔵野ステークス(G3)の覇者デュークグランプリ(静内フジカワ牧場生産)を訪ねた。現役時代はダート中長距離重賞を3勝。重戦車のごとく雄大な馬格をゆるがせ、パワフルな走りで他馬を圧倒した。引退後は5年間種牡馬生活を送り、現在は故郷の牧場で功労馬として余生を過ごしている。BTCの引退名馬飼養環境整備事業助成対象馬で、見学も可能だ。 専用の放牧地へ行くと、一昨年会った時と変わらない様子のデュークグランプリがいた。老いは感じられない。同牧場の藤川靖仁さんに近況を伺うと、「体調面はいたって良好。健康そのものです。食欲旺盛で、20歳には見えないぐらい元気一杯ですよ。皮膚の良い馬で、馬服を着せなくても毛ヅヤが光っています。」と、明るい表情を見せる。現役時代からはややシェイプアップして、現在の馬体重は500kg前後。朝6時から午後3時まで放牧している。 放牧地では雪をかきわけ、涼しい顔で草を食