「もったいない。うらやましい」 現NBL(日本バスケットボールリーグ)専務理事兼COO(最高執行責任者)の山谷拓志は、そんな想いを抱いて2007年にバスケ界に足を踏み入れた。長くアメリカンフットボールに関わってきた彼から見れば、「あれだけ競技人口がいて、ルールも知られていて、学校体育になっている。しかも世界的なメジャースポーツ」というバスケットボールは、きわめて恵まれた立ち位置にいる。「なぜ日本でバスケがここまで取りあげられないのだろう? というのは、素朴な疑問でした」(山谷)。 しかしこの競技のインサイダーたちは、必ずしもそう思っていなかった。リンク栃木ブレックスの社長として接した地元のバスケ関係者も、リーグとチームの成功に対してかなり懐疑的だったという。「ずっと関わっている方ほど『お客さんが入るわけない』『プロ化なんて無理だぞ』という話をしていた」「バスケ関係者のいろいろな人に聞いても