男女の性愛を描いた春画の本格的な展示会が今秋、英国の大英博物館で開かれる。この巡回展が日本でも計画されているが、主要な美術館などから、軒並み受け入れを断られている。春画は近年、芸術性が評価され、女性の鑑賞者も増えている。一方で「わいせつ画」のレッテルを貼られた歴史が長く、公の場での展示には難しい問題を抱えている。 (森本智之) 大英での展示は、葛飾北斎や喜多川歌麿など名だたる浮世絵師の百五十点余を紹介し、春画の起源から現代絵画への影響まで解き明かす。期間は今年十月から来年一月まで。日英交流四百年を記念し、春画だけの展示は同館でも初の試みだ。 「春画は奥深いアート。単純なポルノとは違う」。立命館大特別研究員の石上阿希(あき)さん(33)は話す。数少ない春画研究者の一人として、昨年まで大英の特別学芸員としてロンドンに駐在。出品作品の選定などに当たった。石上さんらによると、欧州では早くから春画の