第91回アカデミー賞へ向けた前哨戦の最大のハイライトともいえる第76回ゴールデングローブ賞の授賞式が現地時間1月6日に開催され、ゴールデングローブ賞史の中でも類を見ない大波乱となった。これまでも、競ってきた作品同士に優劣が生まれたことや、混戦の中で一歩大きく抜け出す作品が登場したことは幾度となくあったが、今年は前哨戦に参加すらできていなかった作品が頂点に輝いたのだ。しかし、これで“アカデミー賞の勢力図”が一変したと判断するのは、少し性急かもしれない。 『ボヘミアン・ラプソディ』(c)2018 Twentieth Century Fox ゴールデン・グローブ賞の映画部門には<ドラマ部門>と<ミュージカル・コメディ部門>の2つのセクションがある。アカデミー賞に向けた有力作品がその両方にいることは当然なのだが、アカデミー賞へ直結する可能性が高いのは、無論前者である。実に半世紀以上にわたり<ドラマ