「格差社会論」云々というタイトルだけれど、主題はむしろ日本社会礼賛、日本型経営礼賛にあると言ってよい。まだまだ平等化への圧力の強い日本が様々な面で優れていると主張している。 論点は多岐にわたるけれど、印象の強い点をいくつか挙げる。 まず地方振興策に冷水を浴びせる。地方から都会に人口移動した方が、両者とも労働生産性が上がるとするのだ。人口密度が低い都道府県では人口が減った方が、そして人口密度が高い都道府県では人口が増えた方が労働生産性が上がることを実証している。両者を分けるメルクマールは、人口密度1000人で、後者に属するのは東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、大阪、福岡の7都府県だけ。農業や製造業主体の県では余剰労働力を吸収できず、逆に人口密度の高い県ではサービス業が労働力を吸収可能なためという。言われてみればなるほどと思う。著者によれば田中角栄の「日本列島改造」などは、愚劣の極みということで
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