全国の市町村が管理する個人情報のセキュリティー対策について、政府が実態調査を始めた。マイナンバー制度の番号通知が迫る中、日本年金機構で起きた個人情報漏えい問題の「二の舞いは避けたい」と政府の担当者は焦りを募らせる。準備作業に追われる自治体からは「財源や人材の余裕がなく、対策は後手に回っている」との声が漏れる。 ▽膨大な作業 市町村はマイナンバーの12桁の個人番号を、住民票のデータに登録する作業を進めている。さらに地方税、介護、生活保護など役所内でばらばらに管理されている住民の個人情報とマイナンバーを一つ一つ結びつける。 東京都内のある市役所の職員は「本人確認をしながら、それぞれの情報を個人番号と結びつける。引っ越していれば転居先の自治体にも照会する。気の遠くなる作業だ」と6月に本格化した実務の膨大さを説明する。 そんな中、総務省から急きょセキュリティー調査と対策の要請が入った。個人情報を管