前回の続き。これで最後になります。 いよいよ本題とも言える部分に入ります。 ないのは"基軸"か"才能"か?今後の戦略は? 高橋 富野さんね、この辺で対談らしい話をしたいというか、ちょっときついことを聞きたいんだけど……。 僕は虫プロから出た絵描きにしろ、ライターにしろ、演出家にしろ、すべてをふくめた中で、最大の特質で欠陥じゃないかと思っていることは、実をいうとみんな職人になれていない。職人になれていないという欠陥を感じるんですよ。職業的なフォーマットができていないという気がするんですよ、僕は。 たとえば富野さんにしても、生活態度は非常に職業的な覚悟に満ちているとは感じているんですよ。だけど作品についていえば、スタンダードになっていないんですよ。スタンダードがないからそれを崩すということもできないわけ。 というのはね、前やったことが積み重ねになっていって、フォーマットがある時期にできて