私たちは、社会において相互に依存しながら生活しています。相互依存の関係にある人々の間で問題が生じ、相手方への働きかけによって解決を図ろうとする場合、一方の当事者は相手方の心や行動を読もうとし、他方の当事者(=相手方)も同様に一方の当事者を読もうとして、その読み合いがお互いに影響を与え合ったりします。私たちは交渉の場面で、そのような読み合いをしながら、お互いに最善を尽くそうとするでしょう。 交渉というものは「思いどおりにならない他者」との関係形成のための活動です。そこでは、交渉者は自分のことを考えているだけではだめで、相手のことを常に考えなければなりません。このような、人々の相互依存関係や読み合いなどを構造的に捉えようとする理論が「ゲーム理論」です。 私たちが行う交渉の際に役に立つゲーム理論の一部をご紹介します。「しっぺ返し戦略」と「ミニマックス戦略」がそれです。 ■「しっぺ返し戦略」は