(その1からの続き) 5 次に、回復の起爆剤と期待される復興需要それ自体も、貨幣供給の増加が伴わなければ、それだけでは円高となってその景気回復効果が失われてしまうということを強調しておきたい。いわゆる、マンデル・フレミング効果といわれるものである。過去30年にもわたる景気対策がさしたる効果を発揮せず国債残高だけが累積する結果になったのも、歴代自民党政権の政策担当者がこの理論を全く理解していなかったからである。今回復興のための相当規模の財政支出をやらざるを得ない以上、この理論を理解していないと同じ失敗の轍を踏むことになる。そこで、簡単にマンデル・フレミング理論を解説しておきたい。 事柄の性質上、数式を少々使わざるを得ないことをお許し頂きたい。最も単純なマンデル・フレミング・モデルは、 S(y) ―I(i) = X(e,y,y*) ・・・・・・・・・(1) M = L(y,i) ・・・・・・・