ウクライナにある人口750ほどの小さな村で、2月末に洪水が起きた。だがそれは同軍が意図的にダムを放流し、ロシアの戦車が入ってこられないようにするためだった。自国の領土やインフラを迅速に破壊する──これが、数と兵器で勝るロシア軍を挫くウクライナ流の戦法なのである。 【写真】洪水の後処理に追われる村の住民たち キエフの北にあるデミディフ村では、住民が洪水の後処理に追われている。ふつうなら不幸な出来事となるはずだが、彼らはこれ以上ないほど喜んでいる。 「私たちはキエフを救ったのよ!」 退職者のアントニーナ・コストゥチェンコは、誇らしげにそう言う。彼女の居間は1.5m近くも浸水し、カビ臭い匂いが漂っている。
イギリス国防省は8日、ウクライナに侵攻したロシア軍が一部で厳しい状況に置かれていると指摘するとともに、こうした状況は「今後も続くだろう」と述べた。 プーチン病気説の決定打?どう見ても怪しい動画 「司令官たちは前方に配置されたために大きな危険にさらされた。今回の紛争においてロシア軍士官の死亡率が異常に高いのもそのためだ」と英国防省はツイッターに投稿した。「この結果、軍は問題にすぐ対応できないばかりか作戦の変更もできない状態になった。戦死者の穴埋めで(司令官に)昇格した士官たちは作戦指揮の経験が比較的少ないため、こうした状況はこれからも続くと見られる」 英国防省はまた、ロシア軍の上級司令官たちは「指揮統制上の困難」や「前線でのロシア軍の働きの不安定さ」から、自ら作戦を指揮する傾向があると指摘した。 「しかしながら、前線における指揮官の存在が作戦の精度向上や修正につながったかどうかは明らかではな
ロシアの首都モスクワで9日、対ドイツ戦勝記念日の式典が行われ、プーチン大統領が演説を行ったが、注目されていた「戦争宣言」はしなかった。 記念式典は日本時間午後4時からモスクワの赤の広場で始まった。プーチン大統領は、演説冒頭で「我々はいまだドンバスのために、ロシアの安全のために戦っている」と強調。「キーウでは核兵器の取得に関する話が進んでいた」、「NATO(北大西洋条約機構)が我が国に近い領土を開発しようとしていて、我々にとって直接的な脅威になっている」と述べ、NATOを批判しウクライナへの軍事侵攻を正当化した。 また、式典についてロシア大統領府は、天候の原因で航空機によるパレードが中止になったと発表した。当初、核戦争の時に大統領らが指揮をとる特別機「イリューシン80」なども飛ぶ予定だった。
アイルランド出身の人気ロックバンド「U2」のボノさんとジ・エッジさんが5月8日、ウクライナの首都キーウの地下鉄の駅でサプライズコンサートを行った。「プライド」などのヒット曲を40分にわたり演奏し、ロシアからの自由のために戦うウクライナの人々を称賛した(ナレーションなし)。 アイルランドのバンド、U2の ボーカル、ボノさん あなた方の大統領は今、自由のため世界を導いている。 ウクライナの人々は、自分たち自身の自由のためではなく、自由を愛する私たちすべてのために闘っているのだ。私は感謝する。 戦争が始まった時、この曲(「ウォーク・オン」)の歌詞をこのように書き換えた。 「もしコメディアンが舞台に上がっても誰も笑わず、人々がカメラに向かって恐れを知らない表情をするなら、これはカーテンコールではない。すべての中で最も偉大な行為だ。自由のために立ち上がったのだ」 だから私たちは、ゼレンスキー大統領の
現職の国会議員になりすまし、新幹線のグリーン券をだまし取ったとして逮捕された元参議院議員の男が、「今回が初めてではない」などと供述していることが新たにわかりました。 立憲民主党・岐阜県連の常任顧問で、元参院議員の山下八洲夫容疑者(79)は、4月27日、東京駅で現職の国会議員になりすまして申込書を提出し、東海道新幹線のグリーン席チケット2枚をだまし取ったなど疑いで、8日に逮捕されました。 山下容疑者は調べに対し、「議員時代のことが忘れられなかった」と容疑を認めていますが、「今回が初めてではない」と供述していることが捜査関係者への取材で新たにわかりました。 また関係者によりますと、山下容疑者は自民党の現職の国会議員の名前を勝手に使っていたということで、警察は余罪についても調べています。
牛丼チェーン「吉野家」が、外国籍を理由に、学生の就職説明会への参加を断っていたことが分かりました。実際に断られた女性を取材すると、日本国籍にもかかわらず、外国籍だと勝手に判断されたと憤りを語りました。 ■「外国籍」と判断 就活生を“拒否” ツイッターから:「ハーフだけど、日本生まれ、日本育ち、国籍日本なのに、向こうから急に説明会キャンセルされたんだけど。こんなのアリなん」 先月、女性を蔑視する発言で、当時の役員が解任された牛丼チェーン大手「吉野家」で、また新たな問題が発覚しました。 このツイートを投稿した、現在、就職活動を行う大学4年生のAさんから直接話を聞きました。 Aさん:「勝手に国籍を判断されて、キャンセルされてしまったので、すごいショックを覚えました」 女性は、吉野家が主催する採用説明会を予約。しかし、翌朝、目を疑うようなメールが届きました。 今月1日に届いたメール:「外国籍の方の
エアバスが開発を進める小ぶりな単通路でも長距離を飛べる旅客機「A321XLR」。実はボーイングが初めて実用化させたジェット旅客機「707」との共通点があります。そこから、A321XLRの可能性を見ていきます。 2023年就航を目指す エアバスが現代では珍しいコンセプトの単通路旅客機「A321XLR」の開発を進めています。同機は2021年12月に最終組み立てが終わり、2023年の就航を目指しています。 機内の通路が1本のみでボディも小ぶりな単通路機は、現在、比較的短い距離の路線を担当することが一般的です。対し、この「A321XLR」は長距離路線も飛べる単通路機というコンセプトを打ち出しています。ちなみに、「XLR」は「エクストラ・ロング・レンジ(超長距離)」の略です。 実は半世紀以上も前に、この機とスペック上の共通点の多い旅客機が、世界を飛び回っていました。エアバスのライバルであるボーイング
激しい戦闘を続けるロシアとウクライナですが、両軍とも使用する共通兵器といえるもののひとつに旧ソ連製T-72戦車があります。両軍の戦車はいわば「姉妹」ともいえますが、性能差はあるのでしょうか。 ウクライナ軍が欲しがる他国製T-72系戦車 長期戦の様相を呈しつつあるロシアとウクライナの戦い。日本では、アメリカを始めとした西側諸国の対戦車兵器でロシア軍の戦車を始めとした各種戦闘車両が、多数撃破されている様子が大きく報道されていますが、もともとウクライナ軍の装備は旧ソ連製のものが主体で、ロシアと共通する部分が多かったといえます。 なかでも戦車はその傾向が顕著で、当初からウクライナ軍はロシア軍も運用したことのあるT-64やT-72などを多数装備していました。 拡大画像 開戦前、雪上で訓練するウクライナ陸軍のT-72戦車(画像:ウクライナ軍参謀本部)。 そのようななか、2022年2月24日のロシアによ
ロシアが侵攻を開始してから2か月が経過してもなお、先行きが不透明なままのウクライナ情勢。国連の常任理事国で、かつ核兵器の保有国である大国ロシアが起こした紛争の怖さを元陸自トップがひも解きます。 独立直後から始まっていたウクライナの政治対立 ロシアがウクライナに侵攻を開始してから、早くも2か月が過ぎました。双方とも停戦で合意することはなく泥沼の様相を呈しています。 今回の侵攻は「決して他人事として捉えるべきではない」。こう話すのは第32代陸上幕僚長を務めた火箱芳文(ひばこ よしふみ)氏です。元陸自トップに、ロシアのウクライナ侵攻とその影響について聞きました。 拡大画像 訓練中の水陸機動団(画像:陸上自衛隊)。 ――ロシアがウクライナに侵攻を開始してから早くも2か月が経ちました。そこで改めて伺います。なぜロシアはウクライナを攻めたのでしょうか? それについては、時計の針を戻して1991(平成3
ウクライナ侵攻から2カ月が過ぎたいま、ロシア進出企業の撤退が急速に進んでいる。背景にあるのは欧米や日本の経済制裁のほか、投資家や消費者がロシア事業継続に対してノーの声を上げていることだ。それに対して、なんとロシア政府は撤退企業の資産を接収し「国有化」する方針を打ち出した。なぜ、プーチン政権はこのような前代未聞の強硬策をとったのか。ロシア経済と進出企業に詳しい一般社団法人ロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所所長の服部倫卓さんに話を聞いた。 【写真】プーチン氏の顔写真とともに「間抜けなプーチン」の文字が書かれた火炎 * * * ――世界を驚かせたのは航空機リース撤退にともなう機体の接収です。英航空データ分析会社シリウムによると、ウクライナ侵攻直前、欧米や日本のリース会社からアエロフロートなどロシア系航空会社に515機が貸し出されていました。3月29日時点で回収できた航空機は79機
【ベルリン時事】先進7カ国(G7)は8日、オンラインで首脳会議を開き、ロシア産石油輸入の「段階的廃止か禁止」を含む対ロ追加制裁や、ウクライナへの軍事・財政支援の継続で合意した。 【図解】ウクライナとロシアの戦力比較 米国は独自措置として、ロシアの軍事能力に関わる工業部門に対する輸出規制なども決定。ロシアが旧ソ連の対ドイツ戦勝記念日を迎える9日に合わせ、圧力を一段と強めた。 8日は、欧州での第2次大戦の終戦日。G7は共同声明で、ロシアのプーチン大統領の行動は「ロシアとその国民が(ナチスとの戦いで)払った歴史的犠牲を辱めるものだ」と糾弾した。会議にはウクライナのゼレンスキー大統領も参加した。 岸田文雄首相は首脳会議で、ロシア産石油を「原則禁輸」すると表明。米国は既に禁輸を実施し、欧州連合(EU)も加盟国に提案しており、日米欧で一致した方針を打ち出すことになった。ただ共同声明は、「世界が代替供給
7日、ウクライナ東部ルガンスク州ビロホリウカで、空爆された学校の現場に駆け付けた救助隊員ら(ウクライナ非常事態庁提供)(ロイター時事) 【ロンドン時事】ウクライナのゼレンスキー大統領は、東部ルガンスク州で住民の避難場所になっていた学校が7日、ロシア軍の空爆を受け、60人が死亡したと明らかにした。 【図解】ウクライナとロシアの戦力比較 8日に参加した先進7カ国(G7)のオンライン首脳会議で語った。 学校は州都ルガンスク北西約80キロのビロホリウカにあり、前線に近い。ガイダイ州知事によると、当時約90人が避難しており、犠牲者はがれきの下敷きになったとみられる。ゼレンスキー氏は「(第2次大戦で)ナチス・ドイツが欧州にもたらした悪の再現だ」と強く非難した。 ロシア軍は同州を含むドンバス地方やアゾフ海、黒海に面した南部一帯で支配地域の拡大を目指しており、民間人にも多数の犠牲者が出ている。 一方、ロシ
ロシア軍と親ロシア派の支配下で激しく損壊したマリウポリの建物/Leon Klein/Anadolu Agency/Getty Images (CNN) ロシア軍が先に掌握を宣言したウクライナ南東部の要衝マリウポリの市議会は7日までに、侵攻したロシア軍が2カ月の間に殺害した住民数は第2次世界大戦時のナチス・ドイツ侵入で同市が2年間で被った犠牲者数の2倍相当になると主張した。 市議会によると、ボイチェンコ市長はナチスが2年間で殺した市民は約1万人、ロシアの占領者たちが死に追いやったのは2万人余と説明。ロシアにより強制的に追放などされた住民は4万人余とした。 CNNはこれら数字の真偽を独立的には確認出来ていない。 ロシア軍の制圧が進んでいるとされる同市に残留する住民はまだ多数いる。 市議会は声明で、ロシアはヒトラー配下の軍が占領時期にしたように多くのウクライナ市民の不法移送を実施したとも主張。同
ロシアが2月24日にウクライナへの侵攻を開始する以前に、同国への多大な軍事支援を約束した最初のヨーロッパ諸国の1つがオランダです。この支援は、タレス製「スクワイア」地上監視レーダー2基、「AN/TPQ-36」対砲レーダー5基、「シーフォックス」自走式機雷処分用弾薬2セット、(対物)狙撃銃100丁とその弾薬3万発、ヘルメット3000個とボディアーマー2000着で構成されていました。[1] さらに、侵攻が始まった後には、「スティンガー」携帯式地対空ミサイルシステム50基とミサイル200発、「パンツァーファウスト3」個人携帯式対戦車砲50基とそのロケット弾400発を含む追加支援がすぐに発表されました。[2] ほどなくして、オランダの国防相は「作戦上の機密を保護するため、ウクライナへの武器引き渡しに関する詳細な情報をこれ以上は明かさない」旨を公表しました。[3] それでも、オランダ国防省は3月31
成長戦略を雄弁に説明していた在任当時の安倍晋三元首相=首相官邸で2014年6月24日午後6時44分、藤井太郎撮影 2013年に当時の安倍晋三政権が「今後10年で世界大学ランキングのトップ100に日本の10校を入れる」と掲げた成長戦略の達成期限が2023年に迫った。この間、文部科学省は大学の国際競争力アップを目指して「指定国立大学法人制度」や「スーパーグローバル大学創成支援事業」といった手を打ってきたが、最新ランキングで100位以内に入っているのは東京大と京都大のみ。目標達成の見通しは立たない。 安倍政権が重視していたランキングの一つが英教育誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)のもので、21年秋に出た最新ランキングでは東大が35位、京大が61位。東北大が201~250位、大阪大が301~350位と続いた。 安倍政権が「世界トップ100に10校」という成長戦略を閣議決定した13
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く