MITの研究者らは、ナノスケールの磁場を高精度に測定する新手法を開発した。ベースとしたのは、炭素原子が欠けているダイヤモンドの結晶を利用した量子センシング技術だ。 特筆すべきは、従来、1次元でしかできなかった測定を2次元に拡張したことだ。 同技術は、ニューロン発火のマッピングや新しい磁性材料の評価、量子物理現象の探索など、さまざまな用途に役立つ可能性があるという。・NV中心によるセンシング技術を応用ダイヤモンドの結晶の、炭素があるべきところを窒素で置換し、その隣りに空孔があるもの(NV中心)は、電子を1個捕獲して負に帯電した状態を保つことができる。 この状態で起こる窒素原子の核スピンの向きを1量子ビットの信号として扱い、磁気センサーとして利用する。 NV中心によるセンサーは極めて正確な反面、単一の次元の測定しかできなかった。 研究者らは、スピンの軸をわずかにずらすことで生じるゆらぎを波形に