ダニ、というと駆除の対象として語られることが多いが、彼らとてもちろん、節足動物の一員として生態系を支えている。最後の日本産のトキが死亡したのは2003年だが、それと共に、トキウモウダニというダニも絶滅していたことが、法政大学の調査で分かった。 ウモウダニは、鳥にとって良い働きをする”相利共生”のダニ。環境省のレッドリスト見直しに係る現地調査の一環で、国産トキで1995年に死亡した「ミドリ」と、最後の日本産個体で2003年に死亡した「キン」の羽を調べたところ、トキウモウダニとトキエンバンウモウダニが確認された。ところが、99年以降に野生復帰した中国由来のトキで見つかったのは、全部トキエンバンウモウダニ。日本産トキの絶滅とともに、トキウモウダニも絶滅していたらしい。 この調査を受けて、環境省レッドリスト2020でのトキウモウダニのランクは、野生絶滅から絶滅に変更された。ある生物が絶滅すると、そ