著者: 宇野維正 , 田中宗一郎 レディー・ガガ、ラップミュージック、スポティファイ、ネットフリックス、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)、『ゲーム・オブ・スローンズ』など、2010年代のポップ・カルチャーを総括する新刊『2010s』(2020年1月30日発売)。音楽から映像作品、メディアに至るまで、〝社会の映し鏡〟としてのポップ・カルチャー、その進化と変容、時代精神に迫ります。 同書の制作意図や動機、内容についてまとめた、宇野維正氏による「はじめに」を掲載します。 2010年代に入って、北米を中心とするポップ・カルチャーはテクノロジーや経済や政治や社会全体の変化に敏感に対応して、あるいはそれらに先んじて、歴史的に何度目かのピークを迎えてきた。一方、21世紀になって、文化受容(それだけではないが)において加速度的に内向きになっていった日本では、その興奮がそれまでの時代と比べても