記事:春秋社 書籍情報はこちら 「生きる意味」を問うこと 本書は、『夜と霧』の著者であり、精神科医でもあるV・E・フランクルの講演録です。そこでは、ナチスによる強制収容所に送られ家族の多くを失うという壮絶な体験から導き出された「生きる」ことへの力強いメッセージが直裁に語られています。 「Ⅰ 生きる意味と価値」の冒頭で、次のように述べています。 それというのも、なにしろ、私たちは、どうしてもつぎのような疑問を抱いてしまうからです。――こんにちでもまだ、「意味」や「価値」や「尊厳」といった言葉をためらいなしに口にすることができるひとがいるのだろうか、いまや、こうした言葉の意味そのものが、大なり小なり疑わしいものになってしまっているのではないか、……。『それでも人生にイエスと言う』3-4ページ こんにちではもはや、安易な楽観主義に立って、最近の時代に出てきた問題を簡単に無視することはできないとい