NHKの大越健介キャスターが自身の退職を明かした。「区切りをつけたい」との意向だが、それを踏まえても、実はこれはNHKで現在起きていることと無縁ではない。今、NHKで報道を支えてきた職員の多くが退職を考え始めている。それは既に始まっている日本の公共放送のパペット・メディア化の加速を意味する。それはどういうものなのか? 大越キャスターの退職 「大越さん、辞めるようだが、連絡取れないだろうか?」 6月29日、私はテレビ局の友人から連絡を受けた。NHKの大越健介キャスターが退職するので秋の改変でキャスターにお願いしたいとの話だ。その為に連絡を取って欲しいとの要望だった。同じ記者職だったとは言え、1年違えば先輩後輩のしきたりの厳しいNHKで私より5年以上先輩の大越氏のことを知る由もない。要望には添えないと伝えた。 翌日、大越キャスターの退職が報じられた。60歳まで2か月での「定年退職」ということで