第一次世界大戦は食糧戦争でもあった 戦争は軍事力がいくら優位にあっても、食糧が不足しては戦えないということは当たり前のことなのだが、わが国では、戦後になってからは特に、食糧自給の重要性が軽視されるようになり、外国から安く輸入すべきだという主張が長きにわたり幅を利かせてきた。そのために、今や我が国の食糧自給率はカロリーベースで4割を下回る水準となってしまっており、穀物自給率については3割を大きく下回り主要先進国のなかで突出して低い状態が続いていて、そのことに警鐘を鳴らすようなマスコミは皆無といって良い。 戦前、戦中においては、食糧を自給できるようにすることの重要性について述べた著作が少なからず存在したのだが、戦後になってGHQはこのような本のいくつかを焚書処分している。今回は、当時陸軍主計少将であった丸本彰造が著した『食糧戦争』新大衆社 昭和19年刊という本の一部を紹介することといたしたい。