「かつてのプランニングでは、何が起こりそうかを考えてよかった。これに対し、不確実性の下でのプランニングでは、既に起こったもののうち、未来を創り出すものは何かを問わなければならない」(『実践する経営者』) 変化が常態である不確実性の時代では、既成の事実が事業にとっていかなる意味を持つか、いかなる機会を創り出すか、いかなる脅威となるか、いかなる変化を要求するか、いかなる変化を可能にするかを問わなければならない。 イノベーションが変化をもたらすと考えられている。だが、そうであることは稀である。成功するイノベーションはすでに生じた変化を利用する。 変化を利用する者は、激しい競争に直面することがほとんどない。ほかの者たちは相変わらず昨日の現実に基づいて仕事をしているからである。 そこで重要なのがトレンドである。産業や企業にとってトレンドとは、天候を創り出すものではなく、気候を創り出すものであ