第1走者から最終走者まで個性的な面々を 昨年はバカ強かった福岡ソフトバンクホークスのスタメンになぞらえて2020年の極私的文芸ベストテンを発表しましたが、今年見立ててみたいのはなんたって「第98回東京箱根間往復大学駅伝」で、2位の順天堂大学と10分51秒の差をつけ21世紀最大差の圧勝劇を飾った青山学院大学のチームでありましょう。 「個の糸紡いで、織り成せ!深緑の襷(たすき)」を合い言葉に2年ぶり6度目の総合優勝を果たした青学はエントリーメンバー全員が1万メートル28分台のタイムを持つ、原晋監督曰く「史上最強軍団」。しかーし、トヨザキが選ぶ極私的2021年ベストテン作品も負けてはおりません。第1走者から最終走者まで個性的な面々を揃えたつもりですので、読書生活の参考にしてくださったらうれしいです。 スタートを切るのは日高トモキチの『レオノーラの卵』(光文社)。青学の第1走者・志貴勇斗選手は2年