「お前は完全に病気だ。異常だ! 俺がいつでもできて、ヤリたがる若者だとでも思ってるのか?」 なぜ夫婦カンケイは難しいのか? ここでは結婚20年目の夫から、夫婦の営みを拒絶された女性弁護士のエピソードを紹介。スウェーデン発、国際的ベストセラーの翻訳版『不倫の心理学』(新潮社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む) 夫に拒絶された日 リビングからキッチンへ向かってガウンを整えながら、ヴェラは自分の体を完全にコントロールできていない気がした。悲しみにくれ酔っ払っている。酒を飲み始めた時の気分はアルコールで増幅されるといつもヴェラは言う。幸せならさらなる満足感と喜びにつながるし、怒りや失望も増幅される。 土曜日の夜、ヴェラと夫のマルクスは夕食をとったところだった。すべて順調で、家族が揃い、ペッパーステーキのパセリバター添えとローストポテトを食べた。長女が美味しいサラダを作り、夫