東京ドーム6.4個分にあたる約30万平方メートルの広大な敷地に、円筒型の液化石油ガス(LPG)貯蔵タンクなどがいくつも並ぶ。三菱商事の中西勝也社長は6月下旬、ここ愛媛県今治市の波方ターミナルを訪れていた。アンモニアの受け入れ・供給拠点を立ち上げるプロジェクトの検討が進んでおり、現地を視察するためだ。 波方ターミナルは、三菱商事の子会社が運営する国内有数のLPG受け入れ・供給拠点だ。LPGや石油関連製品の年間取扱量は約100万トン。国から委託を受けたエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が管理する「波方国家石油ガス備蓄基地」も置かれている。 三菱商事はこの波方ターミナルで、生産時などの二酸化炭素(CO2)排出量を抑えた「クリーンアンモニア」を取り扱う計画の検討を進めている。「LPGという危険物を扱っているので、アンモニアの拠点として素早く立ち上げることができる」(同社の村尾亮一次世代発