那覇市内で琉球人形の製作を見学するアルバート・ワトソン高等弁務官(中央)=1966年2月、沖縄県公文書館所蔵 沖縄は1945年、太平洋戦争末期の沖縄戦で米軍に占領され、72年に日本本土に復帰するまで米国に統治された。この27年間は「アメリカ世」(沖縄方言で「アメリカゆー」)と呼ばれる。米国は50年に「琉球列島米国民政府」(USCAR=ユースカー)を設立。軍政から民政に変わったが、実態は軍事占領の継続だった。このUSCAR時代を、日米に残る当時の映像フィルムや広報用写真などから研究した書とDVD「よみがえる沖縄 米国施政権下のテレビ映像 琉球列島米国民政府(USCAR)の時代」(不二出版)が刊行された。3人の研究者が6年半かけ、映像フィルム2000本以上の研究を重ねた労作で、沖縄社会への理解を深める一助になりそうだ。