大腸がん再発の仕組み解明 化学療法「しがみついて」回避―慶応大 2022年07月08日07時06分 慶応大の研究チームは、大腸がんの元になる「がん幹細胞」が、化学療法の後も生き残り、再増殖する仕組みを明らかにした。日本人が罹患(りかん)するがんの中で、最も患者数の多い大腸がんの再発予防や根治療法開発につながると期待される。論文は8日、英科学誌ネイチャーに掲載された。 がん10年生存率58.9% 05~08年診断、改善続く―国立センター 増殖が早いがん細胞は、常に細胞分裂しているため、抗がん剤などの化学療法は分裂中の細胞を標的にする。一方、がん組織の中には、増殖の遅く抗がん剤が効きにくいがん幹細胞が含まれており、治療後に再発する原因となっていた。 慶応大の佐藤俊朗教授らは、体内の大腸がんとほぼ同じ状態のまま、体外でがん細胞を増殖させる技術を開発。ヒトの大腸がん組織をマウスの背中に移植し、がん