現実は変えられないという「現実主義」に抗するためにフィクションは意味をもち得るか、SFアニメで考える骨太フィクション論。 科学、技術の急速な発展をうけて、現実主義者は、フィクションは意味がないしくだらない、あるいは、無責任で害悪でさえあるという。それに対し、そのような態度こそがわたしたちの現実を堅く貧しくしているのだと反論することはできるのだろうか。名作SFアニメを題材に、フィクション、現実、技術について、深く検討する。本連載を大幅修正加筆し、2018年12月末刊行。 【ネット書店で見る】 古谷利裕 著 『虚構世界はなぜ必要か? SFアニメ「超」考察』 四六版判上製・304頁 本体価格2600円(税込2808円) ISBN:978-4-326-85196-6 →[書誌情報] 「同時性」が片割れる 『君の名は。』には、ヒロインの三葉が学校の教室で古典の授業を受けている場面があります。そこでは