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  • 知らないことを「ググる人」は時代遅れ…東大教授が毎日使っている「無料で高性能の検索サービス」 この便利さに慣れると、古典的な検索エンジンには戻れない

    生成AIの開発競争が激化し、高性能なサービスが次々と登場している。東京大学薬学部の池谷裕二教授は「私が毎日のように利用しているのはAI回答エンジンだ。従来型のインターネット検索では、表示されたホームページのリストから自分が求める情報を探さなくてはいけないが、回答エンジンならたった一回の検索で欲しい情報にたどり着くことができる」という――。 ※本稿は、池谷裕二『生成AIと脳 この二つのコラボで人生が変わる』(扶桑社)の一部を再編集したものです――。 仕事以外でも役立つ「回答エンジン」 「Perplexity」や「Genspark」や「Felo」を使っているでしょうか。 私は使わない日はないというほど、よく利用しています。これらは「回答エンジン」と呼ばれます。質問を投げかけると、生成AIがインターネット上のコンテンツを効率よく要約してくれます。便利で、仕事はもちろん、勉強や趣味にも大いに役立っ

      知らないことを「ググる人」は時代遅れ…東大教授が毎日使っている「無料で高性能の検索サービス」 この便利さに慣れると、古典的な検索エンジンには戻れない
    • 知らないことを「ググる人」は時代遅れ…東大教授が毎日使っている「無料で高性能の検索サービス」 この便利さに慣れると、古典的な検索エンジンには戻れない (3ページ目)

      知らないことを「ググる人」は時代遅れ…東大教授が毎日使っている「無料で高性能の検索サービス」 この便利さに慣れると、古典的な検索エンジンには戻れない 企業のインターネット戦略は転換期にある Googleが回答エンジンに参入したことは、ちょっとした事件です。なぜなら、企業側としては回答エンジンをブロックし続けるのは得策ではなくなるからです。 多くの企業はGoogle検索で上位表示されることを目指してSEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)対策を行っています。しかし、もしGoogleの回答エンジンによる利用をブロックすれば、当然ながら、グーグル検索の結果にも表示されなくなるリスクがあります。 Search Labsの登場によって、企業はインターネット戦略を大きく変える必要性に迫られています。インターネット検索の上位表示ではなく、回答エンジンに効果的に要

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      • 知らないことを「ググる人」は時代遅れ…東大教授が毎日使っている「無料で高性能の検索サービス」 この便利さに慣れると、古典的な検索エンジンには戻れない (2ページ目)

        知らないことを「ググる人」は時代遅れ…東大教授が毎日使っている「無料で高性能の検索サービス」 この便利さに慣れると、古典的な検索エンジンには戻れない ネット検索と違い、最短で情報にたどり着く 結果的に、従来型のインターネット検索を使う機会が減り、一部では「ググるのは時代遅れ」と言われるようにもなりました。 インターネット検索で表示される結果は、関連のあるホームページのリストです。利用者は、そのリストのうちから「これぞ」と思ったURLをクリックして、該当するホームページを読み、また検索結果のリストに戻っては、別のホームページに飛ぶ、といった作業を繰り返します。つまり、検索したとしても、その後に、何度もクリックする必要があり、それ自体が面倒なわけです。 一方、回答エンジンは、そのリストの先のホームページの内容をまとめてくれるため、欲しい情報に一回の検索でたどり着くことが多いのです。この簡便さに

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        • 源氏物語 1 古典新訳コレクション (河出文庫)<疾走感ある自然な訳文で、なにより物語の醍醐味が味わえる、現代語訳の決定版!> | 作家「鬼岩正和」

          日本文学最大の傑作を、小説としての魅力を余すことなく現代に甦えらせた角田源氏。輝く皇子として誕生した光源氏が、数多くの恋と波瀾に満ちた運命に動かされてゆく。「桐壺」から「末摘花」までを収録。 恋に生き、切なさに、嫉妬に、美しさに涙する―― 日本文学最大の傑作が、明瞭な完全新訳で甦る、全8巻! 【読売文学賞(研究・翻訳賞)受賞作】 とりかかる前は、この壮大な物語に、私ごときが触れてもいいのだろうかと思っていた。 実際にとりくみはじめて、私ごときが何をしてもまるで動じない強靭な物語だと知った。 ――角田光代 源氏物語 1 古典新訳コレクション (河出文庫) created by Rinker ¥440 (2024/10/30 01:50:19時点 Amazon調べ-詳細) Kindle Amazon 楽天市場 <出版社から> 「最後まで初めて読めました!」「角田さんの訳で物語の全体が分かりまし

            源氏物語 1 古典新訳コレクション (河出文庫)<疾走感ある自然な訳文で、なにより物語の醍醐味が味わえる、現代語訳の決定版!> | 作家「鬼岩正和」
          • 【源氏物語 第25帖 蛍①〈ほたる〉】光源氏36歳の5月の話。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

            五月雨の頃、兵部卿宮から玉鬘に文が届き、源氏はそれに返事を書かせた。 喜び勇んで六条院にやってきた兵部卿宮の前で、 源氏は几帳の内に蛍を放ち、その光で玉鬘の姿を浮かび上がらせて見せた。 予想以上の美しさに心を奪われた兵部卿宮は想いを和歌で訴えるが、 玉鬘はつれなくあしらうだけだった。 (この逸話から、兵部卿宮は蛍宮、蛍兵部卿宮等と呼ばれる) 5月5日の節句、玉鬘の下には数多くの薬玉が贈られた。 源氏は夏の町で騎射と宴を催し、その晩は花散里のところに泊まった。 やがて長雨の季節に入り、 物語に熱中する玉鬘に源氏は物語評論を聞かせ、 相も変わらず言い寄って玉鬘を困らせていた。 その頃玉鬘の実父内大臣も、 夢占でかつて夕顔との間にもうけた娘が他人の養女になっているだろうと告げられて、 まさか源氏の下にいるとは知らずにその行方を捜していた。 ↓こちらより引用いたしました。 少納言のホームページ 源

              【源氏物語 第25帖 蛍①〈ほたる〉】光源氏36歳の5月の話。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
            • (ひと)カラーヌワット・タリンさん 浮世絵AIを開発した、古典文学研究者のITエンジニア:朝日新聞デジタル

              二重まぶたの男性がひげを生やしていたり、色が鮮やかすぎたり。既存のAI(人工知能)が生成する「浮世絵風」の絵はどこか変だ。そんな不満から、浮世絵2万4千枚を学習させ、色彩や線描の特徴をリアルに再現す…

                (ひと)カラーヌワット・タリンさん 浮世絵AIを開発した、古典文学研究者のITエンジニア:朝日新聞デジタル
              • 【平家物語129 第5巻 文覚の荒行⑤】わが行《ぎょう》を不動明王がしろしめすところとはなったかと、これなら大願も成就するであろうと勇気百倍で滝壺に戻った。そして、文覚の身に瑞相《ずいそう》が現れた - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                「私たちは大聖不動明王《だいしょうふどうみょうおう》の御使の、 金伽羅《こんがら》、勢多伽《せいたか》という童子、 文覚無上の大願を起して勇猛な行《ぎょう》を企てているから、 行って力を借してやれとの仰せ、不動明王のご命令で現れたのです」 と童子の一人が答うれば、文覚はたちまち声を荒らげていった。 「不動明王はどこにおられるか?」 「都率天《とそつてん》に」 と優しい声で答えると、天童二人笑をたたえてゆるやかに空高く昇って消えた。 文覚は思わず正座すると合掌した。 さてはわが行《ぎょう》を不動明王がしろしめすところとはなったか、 これなら大願も成就するであろうと勇気百倍、晴れやかな顔で滝壺にもどっていった。 果してそれからというもの、文覚の身に瑞相《ずいそう》が現れた。 吹き荒ぶ冷い嵐も彼には春の微風と思われ、凍る滝壺の水も湯のように感じられた。 こうして三七、二十一日の大願遂に成ったので

                  【平家物語129 第5巻 文覚の荒行⑤】わが行《ぎょう》を不動明王がしろしめすところとはなったかと、これなら大願も成就するであろうと勇気百倍で滝壺に戻った。そして、文覚の身に瑞相《ずいそう》が現れた - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                • 【🌹源氏物語752 第23帖 初音11】新年騒ぎの少し静まった頃、源氏は東の院へ来た。末摘花の姫君は無視しがたい身分を思って、形式的には非常に尊貴な夫人としてよく取り扱っているのである。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                  新年騒ぎの少し静まったころになって源氏は東の院へ来た。 末摘花《すえつむはな》の女王《にょおう》は無視しがたい身分を思って、 形式的には非常に尊貴な夫人としてよく取り扱っているのである。 昔たくさんあった髪も、年々に少なくなって、 しかも今は白い筋の多く混じったこの人を、 面と向かって見ることが堪えられず気の毒で、源氏はそれをしなかった。 柳の色は女が着て感じのよいものでないと思われたが、 それはここだけのことで、着手が悪いからである。 陰気な黒ずんだ赤の掻練《かいねり》の糊気《のりけ》の強い一かさねの上に、 贈られた柳の織物の小袿《こうちぎ》を着ているのが寒そうで気の毒であった。 重ねに仕立てさせる服地も贈られたのであるがどうしたのであろう。 鼻の色だけは春の霞《かすみ》にも これは紛れてしまわないだろうと思われるほどの赤いのを見て、 源氏は思わず歎息《たんそく》をした。 手はわざわざ几

                    【🌹源氏物語752 第23帖 初音11】新年騒ぎの少し静まった頃、源氏は東の院へ来た。末摘花の姫君は無視しがたい身分を思って、形式的には非常に尊貴な夫人としてよく取り扱っているのである。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                  • 【平家物語127 第5巻 文覚の荒行③】文覚は雪を踏み氷を割って滝壺に下り、首まで体を沈めた。みるみるうちに足の手の感覚が失われてゆく。文覚の唇から慈救《じく》の呪文が滝音に抗するように唱えられた。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                    文覚は衣を捨てると、雪を踏み氷を割って滝壺に下り、首まで体を沈めた。 みるみるうちに足の手の感覚が失われてゆく。 文覚の唇から白い息とともに慈救《じく》の呪文が滝音に抗するように唱えられた。 こうして不動明王の呪文十万遍を唱え切ろうというのだが、 二、三日は忍び耐えた。五日目にもなれば知覚は体から殆んど消えた。 やがて失神の文覚が浮びあがると、 数千丈の断崖から落下する滝水の勢いにあっという間に流された。 刃のように切り立った岩と岩の間を水にもまれ流されること五、六町、 流木の如く水にもてあそばれて所詮命はないものかと思われたが、 突然何処より現れたか、美しき童子が忽然として姿を見せると、 文覚の手を取って岸に引きあげた。 これを目にとめた修験者たちは、不思議に思って懸命の介抱を行なった。 氷のような文覚の体を焚火で暖めるなど手をつくすと、 文覚はほどなく生命をとりもどした。 だが生き帰っ

                      【平家物語127 第5巻 文覚の荒行③】文覚は雪を踏み氷を割って滝壺に下り、首まで体を沈めた。みるみるうちに足の手の感覚が失われてゆく。文覚の唇から慈救《じく》の呪文が滝音に抗するように唱えられた。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                    • 【平家物語146 富士川⑤】戦場にては、東国の軍は、親討たるれば子これを踏み越え、子討たるれば親これを乗り越えて、最後まで戦うのです。西国の軍というのは、親討たるれば子は引き下がって、嘆き悲しむ‥ - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                      維盛は東国の事情に精通している長井の斎藤別当実盛を召して聞いた。 「実盛は強弓の名があるが、そなたほどの強弓精兵は関東八カ国にいかほどいるのか」 実盛は軽蔑の笑いをこめて答えた。 「君は実盛を強弓のものと思召さるるか。 私はわずか十三|束《ぞく》の矢を引くに過ぎませぬ。 私ほどのもの、関東八カ国には数えられぬくらいおります。 関東で大矢を引くというのは、何れも十五|束《そく》以上のもの、 弓も強力の者が五人、六人かかって張るものでございます。 こうした弓で射られた矢は、鎧の二、三枚は軽く射通してしまいます。 関東で大名と申される武士は少くも五百騎は養っており、 戦場にては、親討たるれば子これを踏み越え、 子討たるれば親これを乗り越えて、最後まで戦うのです。 西国の軍というのは、親討たるれば子は引き下がって、 嘆き悲しんで仏事を営み、忌《いみ》あけてからやおら戦う、 また子が討たるればこれを

                        【平家物語146 富士川⑤】戦場にては、東国の軍は、親討たるれば子これを踏み越え、子討たるれば親これを乗り越えて、最後まで戦うのです。西国の軍というのは、親討たるれば子は引き下がって、嘆き悲しむ‥ - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                      • 【源氏物語765 第24帖 胡蝶9〈こちょう〉】弟の兵部卿の宮がまだ何ほどの時間が経過してないのに」、もうあせって恨みらしいことをお書きになった手紙を見いだして心からおかしそうに源氏は笑った。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                        衣がえをする初夏は、 空の気持ちなども理由なしに感じのよい季節であるが、 閑暇《ひま》の多い源氏はいろいろな遊び事に時を使っていた。 玉鬘のほうへ男性から送って来る手紙の多くなることに興味を持って、 またしても西の対へ出かけてはそれらの懸想文《けそうぶみ》を 源氏は読むのであった。 あるものは返事を書けと源氏が勧めたりするのを玉鬘は苦しく思った。 兵部卿《ひょうぶきょう》の宮がまだ何ほどの時間が経過しているのでもないのに、 もうあせって恨みらしいことをたくさんお書きになった手紙を、 ほかの手紙の中から見いだして心からおかしそうに源氏は笑った。 「私は若い時からおおぜいの兄弟たちの中で、 この宮とだけは最も親密な交際ができたのだが、 恋愛問題については私に話されたことがなかったし、 私もその方面のことは別にしてあったものだが、 今になって宮の恋のお悩みに触れるということで、私は満足もでき、

                          【源氏物語765 第24帖 胡蝶9〈こちょう〉】弟の兵部卿の宮がまだ何ほどの時間が経過してないのに」、もうあせって恨みらしいことをお書きになった手紙を見いだして心からおかしそうに源氏は笑った。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                        • 【平家物語145 富士川④】頼朝は鎌倉を立ち、足柄山を越えて駿河国 黄瀬川《きせがわ》に着いた。 甲斐、信濃の源氏勢が馳せ加わり、 浮島《うきじま》で勢揃いした時には二十万騎になっていた。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                          一方、頼朝は鎌倉を立ち、足柄山を越えて駿河国 黄瀬川《きせがわ》に着いた。 甲斐、信濃の源氏勢が馳せ加わり、 浮島《うきじま》で勢揃いした時には二十万騎になっていた。 その頃、平家方では都に文を届ける源氏勢の雑兵一人を捕えた。 手紙は女房のもとへ送る他愛のないものであったが、その雑兵を忠清は尋問した。 「源氏の勢はいかほどか、隠さず申し述べよ」 といえば、 「下郎《げろう》の身にございますれば、四、五百、千までの数はわかりますが、 それ以上はわかりませぬ。軍勢が多いのか、少いのか、わかりかねますが、 凡《およ》そこの七日八日の間というものは野も山も武者で埋まってしまいました。 昨日《きのう》黄瀬川で人々が申したことを聞きますと、 その勢二十万騎とのことにござります」 下郎の話は至極|曖昧《あいまい》ではあったが、 忠清にも源氏の勢が相当の大軍であることは推察できた。 二十万、もし話半分とし

                            【平家物語145 富士川④】頼朝は鎌倉を立ち、足柄山を越えて駿河国 黄瀬川《きせがわ》に着いた。 甲斐、信濃の源氏勢が馳せ加わり、 浮島《うきじま》で勢揃いした時には二十万騎になっていた。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                          • 【10分で聴く平家物語135 文覚被流④〈もんがくのながされ〉】大赦があり、文覚もこの恩恵に浴し出獄したが、平然たる面持で再び勧進帳を京の街に読み、諸方に寄進すべき檀那を求め歩き廻っていた。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                            この頃、美福門院がおかくれになったので大赦があり、 牢につながれた文覚もこの恩恵に浴し、出獄した。 しかし文覚は、遠くの山にでも行って修行でもなされば、 という声には一向馬耳東風、平然たる面持で再び例の勧進帳を京の街に読み、 諸方に寄進すべき檀那を求め歩き廻っていた。 これだけでなく、勧進帳を読むかたわら不吉なことを大声にいいふらすのである。 「もはや今の世は末世じゃ、この世に戦乱起って乱れ、君も臣も共に亡びるじゃろう。 かくすることこそ、この浅ましき世の救いとはなるじゃろう」 すでに戦乱の不安にさらされていた人心である。 この確信ありげな坊主の託宣に動揺する懸念は十分にある。 人心のみでない、政府自体が動揺していたのであるから、この文覚の言に過敏な神経をとがらした。 「あの法師は都におけぬ、流罪にせよ」 との命が下されたのは、むしろ当然であった。 文覚は伊豆国に流されることに決まった。

                              【10分で聴く平家物語135 文覚被流④〈もんがくのながされ〉】大赦があり、文覚もこの恩恵に浴し出獄したが、平然たる面持で再び勧進帳を京の街に読み、諸方に寄進すべき檀那を求め歩き廻っていた。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                            • 【源氏物語767 第24帖 胡蝶11〈こちょう〉】玉鬘の君は、紫夫人などの感化を受け、柔らかな、繊細な美が一挙一動に現われ、華やかな美人になっていた。人の妻にさせては後悔が残るであろうと源氏は思った。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                              派手な薄色の小袿《こうちぎ》に撫子《なでしこ》色の細長を 着ている取り合わせも若々しい感じがした。 身の取りなしなどに難はなかったというものの、 以前は田舎の生活から移ったばかりのおおようさが見えるだけのものであった。 紫夫人などの感化を受けて、 今では非常に柔らかな、繊細な美が一挙一動に現われ、 化粧なども上手になって、 不満足な気のするようなことは一つもないはなやかな美人になっていた。 人の妻にさせては後悔が残るであろうと源氏は思った。 右近も二人を微笑《ほほえ》んでながめながら、 父親として見るのに不似合いな源氏の若さは、 夫婦であったなら最もふさわしい配偶であろうと思っていた。 「ほかからのお手紙のお取り次ぎは決してだれもいたさないのでございます。 前からも送っておいでになります方のは、 三度も四度も続けてお返しばかりしてはと思いまして、 ただ私たちだけでお預かりしているのでござい

                                【源氏物語767 第24帖 胡蝶11〈こちょう〉】玉鬘の君は、紫夫人などの感化を受け、柔らかな、繊細な美が一挙一動に現われ、華やかな美人になっていた。人の妻にさせては後悔が残るであろうと源氏は思った。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                              • 【平家物語126 第5巻 文覚の荒行②】熱気こもる藪の中に寝ていると、蚊が群がり寄り思う存分血を吸う。虻や蜂が刺す、大きな毒蟻が噛み、文覚の五体は、無惨な有様となったが、彼は足の指一つ動かさなかった。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                                熱気こもる藪の中に吹き出す汗の流るるにまかせて寝ていると、 蚊が群がり寄って思う存分血を吸う、虻《あぶ》が刺し、蜂が刺す、 大きな毒蟻《どくあり》が噛み、文覚の五体は、 しばらくすると無慚《むざん》な有様となったが、彼は足の指一つ動かさなかった。 こうして飲まず喰《くら》わず七日間寝ていた。 八日目になると、やおら起きて衣をつけて山を降りた。 毒虫の好餌となってゆがんだ顔で人に尋ねた。 「修行とはこの程度の苦しみなのか」 「いや、そんなことを続けていては、命がいくつあっても持ちますまい」 「これしきのことでか」 といい捨てると再び修行に出かけた。 熊野那智神社に参籠しようとしたが、 まず修行の始めに世に聞えた那智の滝へ打たれてみようと滝壺のところへ赴いた。 厳寒の十二月中旬である。熊野は雪におおわれていた。 雪降りつもり水氷って谷の小川は音もない、 峰々から逆巻き吹きおろす風は身を切り、

                                  【平家物語126 第5巻 文覚の荒行②】熱気こもる藪の中に寝ていると、蚊が群がり寄り思う存分血を吸う。虻や蜂が刺す、大きな毒蟻が噛み、文覚の五体は、無惨な有様となったが、彼は足の指一つ動かさなかった。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                                • 【源氏物語360第24帖 胡蝶4〈こちょう〉】西の対の姫君なる人が出現して、源氏が愛して大事にかしずくことが世間に知れた今日では、源氏の予期したとおりに思慕を寄せる者、求婚者になる者が多かった。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                                  終夜音楽はあった。 呂《ろ》の楽を律へ移すのに 「喜春楽《きしゅんらく》」が奏されて、兵部卿《ひょうぶきょう》の宮は 「青柳《あおやぎ》」を二度繰り返してお歌いになった。 それには源氏も声を添えた。夜が明け放れた。 この朝ぼらけの鳥のさえずりを、 中宮は物を隔ててうらやましくお聞きになったのであった。 常に春光の満ちた六条院ではあるが、 外来者の若い興奮をそそる対象のないことをこれまで物足らず思った人もあったが、 西の対の姫君なる人が出現して、 これという欠点のない人であること、 源氏が愛して大事にかしずくことが世間に知れた今日では、 源氏の予期したとおりに思慕を寄せる者、求婚者になる者が多かった。 わが地位に自信のある人たちは、 女房などの中へ手蔓《てづる》を求めて姫君へ手紙を送る方法もあるし、 直接に意志を源氏へ表明することも可能であるが、 そうした大胆なことはできずに、 心だけを悩ま

                                    【源氏物語360第24帖 胡蝶4〈こちょう〉】西の対の姫君なる人が出現して、源氏が愛して大事にかしずくことが世間に知れた今日では、源氏の予期したとおりに思慕を寄せる者、求婚者になる者が多かった。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                                  • 【平家物語130 第5巻 勧進帳①】荒れ果てた寺の堂内に入るものは日の光、月の光だけ。この神護寺の有様をみた文覚は、何んとしてもこれを再興しようと心に固く誓い勧進帳を手にして廻り歩き、寄進を募った。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                                    京に帰ったあと、文覚は高雄の山奥で修行した。 この山には神護寺《じんごじ》という山寺があったが、 久しい間誰も修繕しなかったので荒れるままに放置されている。 春は霞に立ちこめられ、秋は霧の中に捨ておかれ、 傷みきった寺の扉は風に吹き倒された。 そのかみ称徳天皇の御代、和気清麿が建立したというこの伽藍《がらん》も、 今は落葉の中に朽ち果て、甍《いらか》をおかす雨風は、 壁が崩れ落ち柱が倒れてむき出しになった仏壇を朽ちさせていた。 むろん住持の僧もなく、参拝に訪れる人もないので、 この寺の堂内に入るものは日の光、月の光だけである。 この神護寺の有様をみた文覚は、何んとしてもこれを再興しようと心に固く誓い、 それからというもの勧進帳を手にして檀那《だんな》を廻り歩き、 寄進を募ったのであった。 そのある時、文覚は後白河法皇の御所 法住寺殿《ほうじゅうじどの》にやってきた。 御奉加賜れと奏上したが

                                      【平家物語130 第5巻 勧進帳①】荒れ果てた寺の堂内に入るものは日の光、月の光だけ。この神護寺の有様をみた文覚は、何んとしてもこれを再興しようと心に固く誓い勧進帳を手にして廻り歩き、寄進を募った。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                                    • 漫画家「古典SFのネタまんまパクって漫画描いたろ」お前ら「すげえええ!天才だ!」←これ : 哲学ニュースnwk

                                      2024年11月02日14:00 漫画家「古典SFのネタまんまパクって漫画描いたろ」お前ら「すげえええ!天才だ!」←これ Tweet 1: 名無しさん@おーぷん 24/11/02(土) 12:09:43 ID:qcgl チョロすぎない? 伊豆市「4億円で世界一の金塊作ったろ」→17年後、金暴騰で22億円に。 ハコモノ自治体との差を見せつけ... 2: 名無しさん@おーぷん 24/11/02(土) 12:10:24 ID:EsWu どれだよ 糾弾してやんよ 4: 名無しさん@おーぷん 24/11/02(土) 12:14:53 ID:qcgl >>2 遊星からの物体X→寄生獣 地球幼年期の終わり→エヴァンゲリオン ブレードランナー→攻殻機動隊 地球最後の男→アイアムアヒーロー etc 5: 名無しさん@おーぷん 24/11/02(土) 12:15:22 ID:c1f5 今から創作しようと思うと

                                        漫画家「古典SFのネタまんまパクって漫画描いたろ」お前ら「すげえええ!天才だ!」←これ : 哲学ニュースnwk
                                      • 古典一般相対論でのホログラフィ原理|Masahiro Hotta

                                        実は我々の観ている空間は幻想であって、我々を含めたこの世界の存在は2次元空間に刻まれたホログラフィの像であると考える「ホログラフィ原理」という理論が、現在世界中で活発に研究が進められています。 このような一見奇抜なアイデアが生まれたのは、量子ブラックホールの研究からでした。ホーキング博士が最初に指摘したように、ブラックホールは熱輻射を出すと考えられています。ホーキング輻射という名前で知られていますが、このことは容れものに過ぎなかったブラックホールの時空が、熱力学的な性質を持つことを意味します。ホーキング輻射の温度はブラックホールの質量に反比例をしています。その温度を輻射が出てきたブラックホールの温度であると同定をし、またブラックホールのエネルギーをその質量に光速度の2乗をかけた質量エネルギーであるとして、熱力学第1法則を適用すると、ブラックホールの熱力学的エントロピーが導入できます。自然単

                                          古典一般相対論でのホログラフィ原理|Masahiro Hotta
                                        • 【古事記4 〈イザナギの命とイザナミの命〉 】世界のはじめにまず神々の出現したことを説く。これらの神名には、それぞれ意味があつて、その順次に出現することによつて世界ができてゆくことを述べる。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                                          🌿イザナギの命とイザナミの命🌿 【天地のはじめ】 ——世界のはじめにまず神々の出現したことを説く。 これらの神名には、それぞれ意味があつて、 その順次に出現することによつて世界ができてゆくことを述べる。 特に最初の三神は、抽象的概念の表現として重視される。 日本の神話のうちもつとも思想的な部分である。—— 昔、この世界の一番始めの時に、天で御出現になつた神樣は、 お名をアメノミナカヌシの神といいました。 次の神樣はタカミムスビの神、次の神樣はカムムスビの神、 この御《お》三|方《かた》は皆お獨で御出現になつて、やがて形をお隱しなさいました。 次に國ができたてで水に浮いた脂のようであり、 水母《くらげ》のようにふわふわ漂つている時に、 泥の中から葦《あし》が芽《め》を出して來るような勢いの物によつて御出現になつた神樣は、 ウマシアシカビヒコヂの神といい、次にアメノトコタチの神といいました

                                            【古事記4 〈イザナギの命とイザナミの命〉 】世界のはじめにまず神々の出現したことを説く。これらの神名には、それぞれ意味があつて、その順次に出現することによつて世界ができてゆくことを述べる。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                                          • 【平家物語148 富士川⑦完】「これは頼朝一人の手柄に非ず、ひとえに八幡大菩薩のおんはからい」  院宣を賜ってからの最大の危機に、 一兵も失うこともなく勝利を得た武将の当然ともいえる感慨であった。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                                            夜は白々と明けた。静かな暁である。 定められた六時、勢揃いした源氏は天にもとどけと鬨《とき》の声を三度あげた。 東国武士の野性をおびた声が朝の空気をふるわせた。 平家の陣は死んだように静まりかえって物音一つない。 敵の策かとしばし様子をうかがったが、やがて偵察の侍が放たれた。 「人みな逃げ落ちています」 と呆《あき》れ顔で報告すれば、やがて敵の忘れた鎧を手にして戻るもの、 平家の大幕をかついで帰るもの、いずれも口を揃えていうのである。 「平家の陣には蠅一匹飛んでおりませぬ」 これを聞くと、頼朝はさっと馬から降りた。 兜をぬぎ、手水《ちょうず》うがいをして身を浄めると、京都の方を伏し拝んだ。 「これは頼朝一人の手柄に非ず、ひとえに八幡大菩薩のおんはからい」 院宣を賜ってからの最大の危機に、 一兵も失うこともなく勝利を得た武将の当然ともいえる感慨であった。 すぐ討ち平らげて、領地とするところで

                                              【平家物語148 富士川⑦完】「これは頼朝一人の手柄に非ず、ひとえに八幡大菩薩のおんはからい」  院宣を賜ってからの最大の危機に、 一兵も失うこともなく勝利を得た武将の当然ともいえる感慨であった。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                                            • 【平家物語151 第5巻 奈良炎上①】京では、興福寺が三井寺と手を組み、高倉宮を受け入れたり、迎えに兵を出すなど、明らかに朝敵であると断じた。奈良は、平家が攻め寄せるとの噂で大衆は一斉に騒ぎ出した。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                                              京では、奈良興福寺が三井寺と手を組み、高倉宮を受け入れたり、 あるいは迎えに兵を出すなどの行為は、明らかに朝敵であると断じた。 奈良には、平家が攻め寄せるとの噂が伝わったので大衆は一斉に騒ぎ出した。 これを聞いた関白はことを穏便に計ろうと 有官《うかん》の別当忠成《べっとうただなり》を使者として立てた。 「いうべきことあらば申し述べよ、何度でも奏上して仕わそう」 というのである。奈良にこの意を体して赴いた別当忠成の鎮撫《ちんぶ》の言は、 いきり立った興福寺の大衆の耳に入らなかった。 まして年来平家に対して憎悪の念を抱きつづけてきた寺である。 兵が攻めるとの噂にも殺気立っていた。大衆はどっと忠成を取り囲んだ。 「乗物から引きずり下ろせ、かまわぬから髻《もとどり》を切ってしまえ」 と口々に叫ぶ。忠成は青くなって逃げ帰った。 次に使いとなった右衛門督親雅《うえもんのかみちかまさ》も 大衆から同じ

                                                【平家物語151 第5巻 奈良炎上①】京では、興福寺が三井寺と手を組み、高倉宮を受け入れたり、迎えに兵を出すなど、明らかに朝敵であると断じた。奈良は、平家が攻め寄せるとの噂で大衆は一斉に騒ぎ出した。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                                              • 【🌹源氏物語750 第23帖 初音9】明石の御方の元に泊まった源氏は紫の上の機嫌をとる🤭「うたた寝をして、寝入ってしまった私を、迎えにもよこしてくれませんでしたね」紫の上が無視するので狸寝入りをする。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                                                源氏はまだようやく曙《あけぼの》ぐらいの時刻に南御殿へ帰った。 こんなに早く出て行かないでもいいはずであるのにと、 明石はそのあとでやはり物思わしい気がした。 紫の女王はまして、失敬なことであると、 不快に思っているはずの心がらを察して、 「ちょっとうたた寝をして、若い者のようによく寝入ってしまった私を、 迎えにもよこしてくれませんでしたね」 こんなふうにも言って機嫌《きげん》を取っているのもおもしろく思われた。 打ち解けた返辞のしてもらえない源氏は困ったままで、 そのまま寝入ったふうを作ったが、朝はずっと遅くなって起きた。 正月の二日は臨時の饗宴《きょうえん》を催すことになっていたために、 忙しいふうをして源氏はきまり悪さを紛らせていた。 親王がたも高官たちもほとんど皆六条院の新年宴会に出席した。 音楽の遊びがあって贈り物に纏頭《てんとう》に六条院にのみよくする華奢が見えた。 多数の縉紳

                                                  【🌹源氏物語750 第23帖 初音9】明石の御方の元に泊まった源氏は紫の上の機嫌をとる🤭「うたた寝をして、寝入ってしまった私を、迎えにもよこしてくれませんでしたね」紫の上が無視するので狸寝入りをする。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                                                • 【源氏物語764 第24帖 胡蝶8〈こちょう〉】玉鬘の姫君は踏歌の日以来、紫の上へも手紙を書いて送るようになった。落ち着いた懐かしい気持ちの人だと認められて、花散里からも紫の上からも好意を持たれた。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                                                  そんなことをあまりこまごまと記述することは 読者にうるさいことであるから省略する。 毎日のようにこうした遊びをして暮らしている六条院の人たちであったから、 女房たちもまた幸福であった。 各夫人、姫君の間にも手紙の行きかいが多かった。 玉鬘《たまかずら》の姫君はあの踏歌《とうか》の日以来、 紫夫人の所へも手紙を書いて送るようになった。 人柄の深さ浅さはそれだけで判断されることでもないが、 落ち着いたなつかしい気持ちの人であることだけは認められて、 花散里《はなちるさと》からも、紫の女王からも玉鬘は好意を持たれた。 結婚を申し込む人は多かった。 いいかげんに自分だけでこのことはだれにと決めてしまうことのできないことであると 源氏は思っているのであった。 自身でも親の心になりきってしまうことが不可能な気がするのか、 実父に玉鬘の存在を報ぜようかという考えの起こることも間々あった。 源中将は親しい

                                                    【源氏物語764 第24帖 胡蝶8〈こちょう〉】玉鬘の姫君は踏歌の日以来、紫の上へも手紙を書いて送るようになった。落ち着いた懐かしい気持ちの人だと認められて、花散里からも紫の上からも好意を持たれた。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                                                  • 【平家物語147 富士川⑥】富士川より突如大音響がひびいた。雷にもまた大風に似た恐ろしい響が平家陣を一度に揺り起した。何の物音に驚いたか、夜半俄かに飛立った富士の沼の水鳥の羽音であった。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                                                    十月二十四日早朝六時、富士川で源平の矢合せと決まる。その前夜である。 決戦を控えて緊張した平家の侍どもが、対岸の源氏の陣を見渡した。 野に火が上り、海に浮び、河に灯《うつ》る。おびただしい火の大群である。 これらはいずれも合戦におびえた伊豆、駿河の人民百姓が野に隠れ、船で逃げ、 炊事した火であったが、夜対岸から見れば陣営の遠火《とおび》とも見える。 驚くべき大軍じゃ、野も山も河も源氏の勢で埋められたるぞ、 とその狼狽《ろうばい》は一方でない。 おののき恐れる心を押さえて、不安の夢をむさぼっていた夜半、 富士川より突如大音響がひびいた。 雷にもまた大風に似た恐ろしい響が平家陣を一度に揺り起した。 何の物音に驚いたか、夜半俄かに飛立った富士の沼の水鳥の羽音であったが、 すでに源氏の遠火で十二分に心胆を寒からしめた平家の侍にとって、 伝わる響を判別するゆとりはなかった。 源氏の夜襲か、と疑心に口

                                                      【平家物語147 富士川⑥】富士川より突如大音響がひびいた。雷にもまた大風に似た恐ろしい響が平家陣を一度に揺り起した。何の物音に驚いたか、夜半俄かに飛立った富士の沼の水鳥の羽音であった。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                                                    • 【古事記5〈島々の生成〉 】 天の神樣方の仰せで、イザナギの命《みこと》・イザナミの命《みこと》御二方に、「この漂つている國を整えてしつかりと作り固めよ」と、立派な矛をお授けになりました。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                                                      【島々の生成】 ——神が生み出す形で國土の起原を語る。—— そこで天の神樣方の仰せで、 イザナギの命《みこと》・イザナミの命《みこと》御二方《おふたかた》に、 「この漂つている國を整えてしつかりと作り固めよ」とて、 りつぱな矛《ほこ》をお授けになつて仰せつけられました。 それでこの御二方《おふたかた》の神樣は天からの階段にお立ちになつて、 その矛《ほこ》をさしおろして下の世界をかきまわされ、 海水を音を立ててかきまわして引きあげられた時に、 矛の先から滴る海水が、積つて島となりました。 これがオノゴロ島です。 その島にお降りになつて、大きな柱を立て、大きな御殿をお建てになりました。 そこでイザナギの命が、イザナミの女神に 「あなたのからだは、どんなふうにできていますか」と、お尋ねになりましたので、 「わたくしのからだは、できあがつて、でききらない所が一か所あります」 とお答えになりました。

                                                        【古事記5〈島々の生成〉 】 天の神樣方の仰せで、イザナギの命《みこと》・イザナミの命《みこと》御二方に、「この漂つている國を整えてしつかりと作り固めよ」と、立派な矛をお授けになりました。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                                                      • 【🌹源氏物語751 第23帖 初音10】紫の女王以外の夫人たちは、極楽世界に生まれても下品下生《げぼんげしょう》の仏で、まだ開かない蓮《はす》の蕾《つぼみ》の中にこもっている気がされた。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                                                        春の花を誘う夕風がのどかに吹いていた。 前の庭の梅が少し咲きそめたこの黄昏《たそがれ》時に、 楽音がおもしろく起こって来た。「この殿」が最初に歌われて、 はなやかな気分がまず作られたのである。 源氏も時々声を添えた。 福草《さきぐさ》の三つ葉四つ葉にというあたりがことにおもしろく聞かれた。 どんなことにも源氏の片影が加わればそのものが光づけられるのである。 こうしたはなやかな遊びも派手な人出入りの物音も 遠く離れた所で聞いている紫の女王以外の夫人たちは、 極楽世界に生まれても下品下生《げぼんげしょう》の仏で、 まだ開かない蓮《はす》の蕾《つぼみ》の中にこもっている気がされた。 まして離れた東の院にいる人たちは、 年月に添えて退屈さと寂しさが加わるのであるが、 うるさい世の中と隔離した山里に住んでいる気になっていて、 源氏の冷淡さをとがめたり恨んだりする気にもなれなかった。 物質的の心配はい

                                                          【🌹源氏物語751 第23帖 初音10】紫の女王以外の夫人たちは、極楽世界に生まれても下品下生《げぼんげしょう》の仏で、まだ開かない蓮《はす》の蕾《つぼみ》の中にこもっている気がされた。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
                                                        • なぜ「仕事ができる人」は古典を読むのか…「平凡な私大」を「一流大学」に変えた"古典"の知られざる威力 インスピレーションと想像の種を与えてくれる

                                                          「古典を読ませる教育」で名門となったシカゴ大学 なぜ古典を読まなければならないのでしょうか? 脳の発達と機能、ふたつに分けて説明します。 1.脳の発達のため アメリカのシカゴ大学は、1980年に石油財閥のジョン・D・ロックフェラーが設立した、1929年までは何の変哲もない学校でした。しかし、第5代総長にハッチンズが就任し、世界の偉大な古典100冊をすらすらと諳んじるまで学生を卒業させないという「シカゴプラン」を始めました。 すると驚く変化が見られました。これ以降から現在までに、80名を超えるノーベル賞受賞者を輩出したのです。 全校でビリだったウィンストン・チャーチル、小学校入学から3カ月で退学させられたトーマス・エジソン、学業不振児クラスに通っていたアイザック・ニュートンも、古典を読むことで新しく生まれ変わりました。 このように、古典は脳を変化させ、人生まで変えるのです。

                                                            なぜ「仕事ができる人」は古典を読むのか…「平凡な私大」を「一流大学」に変えた"古典"の知られざる威力 インスピレーションと想像の種を与えてくれる
                                                          • 【平家物語153 第5巻 奈良炎上③】猛火がこの大仏殿に燃え移る。火の手は大仏殿を包みどす黒い煙が噴き出し、紅蓮の焔をあげた。大焦熱の地獄、焔の底の罪人も、これほどとは思われぬ阿鼻の地獄であった。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

                                                            このとき、大将軍頭中将重衡は般若寺の門の前に立って下知した。 「闇《くら》し、火をつけよ」 命をうけた播磨国の住人、 福井《ふくい》の荘《しょう》の下司《げし》次郎大夫友方、 楯を割るとこれに火をつけ松明《たいまつ》として付近の住家に火を放った。 時に十二月二十八日、折からの烈風に火は煽られ、 火元は一カ所だったにもかかわらず、多くの寺院に次々と飛火した。 寺の大衆のうち名を惜しむ者は、 あらかた奈良坂、般若寺で倒れ、歩行できるものは吉野、十津川へ落ちていったが、 歩けぬ老僧、少年僧、女童《めわらべ》たちは逃げ場所を求めて大仏殿の二階や、 山階寺《やましなでら》に避難した。 特に大仏殿の二階に逃げこんだもの、老僧女子小供千余人もいたが、 助かるかも知れぬというので階段を引き上げ、敵の昇るのを防いだ。 ところが敵は昇らなかったが、猛火がこの大仏殿に燃え移った。 火の手は大仏殿を包んだとみるや

                                                              【平家物語153 第5巻 奈良炎上③】猛火がこの大仏殿に燃え移る。火の手は大仏殿を包みどす黒い煙が噴き出し、紅蓮の焔をあげた。大焦熱の地獄、焔の底の罪人も、これほどとは思われぬ阿鼻の地獄であった。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
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