社員がいきいきと働き、高いパフォーマンスを発揮する職場をつくるには何が必要か。産業医として多くの企業で社員の健康管理をアドバイスしてきた茗荷谷駅前医院院長で、みんなの健康管理室代表の植田尚樹医師に、具体的な事例に沿って「処方箋」を紹介してもらいます。 ◇ ◇ ◇ プレゼンテーションや大事な商談で、緊張して汗をかいたり胸の鼓動が高まったりするのは当たり前のことです。しかし緊張のあまり顔が硬直してしまったり、電話に出られなかったり、日常生活に支障を生じるようなら、「社交不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)」の疑いがあります。 社交不安障害を患ったIT企業に勤める27歳男性の事例です。 初対面の人と接すると顔面が硬直してしまい、仕事中も常に切迫感や緊張感があるとのことでした。朝礼での1分間スピーチでは、緊張のあまり、頭が真っ白になって言葉につまってしまうばかりか