人工知能(AI)、特に生成AIの登場からまだ2年余り、しかしその進化のスピードは速く、それがもたらす様々な社会課題――著作権問題、プライバシー保護などの倫理面での問題、教育の在り方等々—についての議論の、はるか頭上を飛び越えていく。しかもこの勢いは、情報端末の普及で、世界のすべての人々を巻きこもうとしています。その流れは、生みの親でもある物理学にも及んでいます。「学習物理学」という新たな概念を提唱し、同名の国のプロジェクトのグループ代表も務める京都大学理学部の橋本幸士先生の話を聞いてみましょう。 「学習物理学」、始めてます AIが人間の職業を奪うという報道がよくなされていて、不安や恐れを感じている人は少なくないと思います。もちろん物理学研究者の世界にもAIの波が押し寄せています。しかしほとんどの物理学者は非常に楽観的です。というのは、物理学者はAIと一緒に物理学を発展させようとしているから