4月28日、文部科学省「教員勤務実態調査」(2022年実施)の速報値が公表された。前回調査(16年実施)と比べて小学校、中学校とも教諭の1日の在校等時間は約30分縮減するなど、一定の前進が見られた。 といっても、教育現場の先生たちからは「仕事は減っていない」「現場はてんてこ舞い」という声も聞く。今回の調査結果をどう理解、解釈したらよいだろうか。また、当たり前の話だが、調査すること自体が目的ではない。今後、国や自治体の政策や学校の取り組みに生かしていく必要がある。 だが、これまでの報道などを見る限り、「学校は依然として忙しい」ということは注目されているものの、「なぜ忙しいのか」「何に、どこにメスを入れていく必要があるのか」についてはほとんど語られていない。ここではこうした点を含めて、今回の実態調査を受けてどう活用していくかについて述べよう。 妹尾昌俊(せのお・まさとし) 教育研究家、一般社団