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山下裕毅の検索結果1 - 16 件 / 16件

  • “メルトダウンしない”原子力発電所、実験で成功 商用規模で自然冷却は世界初 中国の研究者らが発表

    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 現代の原子力発電所は、過剰な熱を炉心から除去するために動力を必要とする冷却機構や、緊急時には人間の介入による停止に依存している。水や液体二酸化炭素が冷却材として使用されるが、これらは通常、外部電源に依存している。 これらのシステムが故障すると、炉が過熱し、爆発や過熱によってプラントが溶ける可能性がある。2011年の福島第一原子力発電所事故では、標準および緊急電源システムが失われメルトダウンの一因となった。 「ペブルベッド炉」(Pebble-Bed Reactor、PBR)と呼ばれる炉設計は、パッシブセーフティの利点がある。冷却システムの電源が失われても

      “メルトダウンしない”原子力発電所、実験で成功 商用規模で自然冷却は世界初 中国の研究者らが発表
    • 脳内の神経細胞で「量子もつれ」が発生してる? 何百万の脳細胞間の同期活動を説明か 上海大学が発表

      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 上海大学の研究者らが発表した論文「Entangled biphoton generation in the myelin sheath」は、脳内の神経繊維が、量子もつれによって結びついた光子のペアを生成する可能性を理論的に示唆した研究報告である。実験によって裏付けられれば、この現象は、脳内の何百万もの細胞がどのようにして活動を同期させ、脳を機能させるのかを説明できる可能性がある。 脳が活動する際、何百万もの神経細胞が同時に発火(電気信号を発する動き)する。この現象には、多数の神経細胞の同期活動、つまり遠く離れた細胞同士でもタイミングを合わせる必要がある

        脳内の神経細胞で「量子もつれ」が発生してる? 何百万の脳細胞間の同期活動を説明か 上海大学が発表
      • “HDMIケーブルから漏れる信号”を屋外から傍受→モニターの表示内容を盗み見るAI ウルグアイチームが開発

        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 ウルグアイのUniversidad de la Republica Montevideoに所属する研究者らが発表した論文「Deep-TEMPEST: Using Deep Learning to Eavesdrop on HDMI from its Unintended Electromagnetic Emanations」は、HDMIケーブルから意図せずに放射される電磁波を傍受し、AIを使用して解読することでモニターに表示されている画像を再現する攻撃を提案した研究報告である。 ケーブルを通じて信号が送られる際には、常に一定量の電磁波漏えいが

          “HDMIケーブルから漏れる信号”を屋外から傍受→モニターの表示内容を盗み見るAI ウルグアイチームが開発
        • 「著作権トラップ」――生成AIに作品を“無断盗用”されたか後から証明する方法 英ICLなどが開発

          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英インペリアル・カレッジ・ロンドンなどに所属する研究者らが発表した論文「Copyright Traps for Large Language Models」は、大規模言語モデル(LLM)の訓練データに著作権所有者の作品が含まれているかを特定する方法を開発した研究報告である。これは、著者や出版社が自分の作品にさりげなく印を付け、それがAIモデルで使われたかどうかを後で検出できるようにする用途を目的としている。 LLMの学習プロセスで使用されるデータの中に、著作権で保護された内容が含まれていることが問題視されている。この状況を受け、研究者たちは特

            「著作権トラップ」――生成AIに作品を“無断盗用”されたか後から証明する方法 英ICLなどが開発
          • ネコよ、なぜ壁を引っかく──1200匹以上を対象に調査 カギを握るのは“家庭内の子供”の存在?

            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 トルコのアンカラ大学やポルトガルのEgas Moniz School of Health and Scienceなどの研究者らが発表した論文「Evaluating undesired scratching in domestic cats: a multifactorial approach to understand risk factors」は、家庭で飼育される猫の望ましくない引っかき行動に関する研究報告である。 1211匹の猫を対象に、望ましくない引っかき行動の要因を調査した。飼い主の報告に基づいた結果、子供の存在、猫の遊び時間と夜行性活動などが

              ネコよ、なぜ壁を引っかく──1200匹以上を対象に調査 カギを握るのは“家庭内の子供”の存在?
            • 水族館で新種の甲殻類発見 その名は“ランマアプセウデス” 特徴は雌雄(男女)同体→「らんま1/2」から命名 高橋留美子さんも公認

              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 北海道大学大学院理学院修士課程の松島吉伸さんと同大学大学院理学研究院の角井敬知講師の研究チームが発表した論文「Apseudes ranma sp. nov.(Tanaidacea: Apseudidae) found in a public aquarium, with notes on phylogeny and a presumptive stridulatory organ」は、水族館の水槽から新種の甲殻類を発見した研究報告である。 水族館の水槽から思いがけない新種の発見があった。研究チームが、名古屋港水族館の水槽内に生息していたタナイス目甲殻類

                水族館で新種の甲殻類発見 その名は“ランマアプセウデス” 特徴は雌雄(男女)同体→「らんま1/2」から命名 高橋留美子さんも公認
              • 絡まったケーブルを解くために“最適な振る速度”は? 米国の物理学者が発見

                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2

                  絡まったケーブルを解くために“最適な振る速度”は? 米国の物理学者が発見
                • Excelなどの“表計算ソフト専用”の大規模言語モデル 米Microsoftが「SpreadsheetLLM」発表

                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 MicrosoftのExcelやGoogleのスプレッドシートなど表計算ソフトは広く使用されているが、その二次元の格子構造や複雑なレイアウト、多様なフォーマットオプションなどが、LLMにとって大きな課題となっている。今回提案するフレームワーク「SpreadsheetLLM」は、これらの課題を解決する。 このフレームワークの中核を成すのが「シートコンプレッサー」という手法である。シートコンプレッサーは3つの主要機能を持つモジュールで構成しており、まずは表計算シート内で重要な構造を持つ部分を特定する機能だ。これにより、重要な構造情報を保持しつつ、

                    Excelなどの“表計算ソフト専用”の大規模言語モデル 米Microsoftが「SpreadsheetLLM」発表
                  • 生成AIが“AI生成コンテンツ”を学習し続けるとどうなる?→「モデル崩壊」が起こる 英国チームが発表

                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英オックスフォード大学や英ケンブリッジ大学などに所属する研究者らが発表した論文「AI models collapse when trained on recursively generated data」は、AIモデルが自己生成したデータで繰り返し学習すると、モデルの性能が低下していく「モデル崩壊」という現象を発見した研究報告である。 研究チームは、大規模言語モデル(LLM)、変分オートエンコーダー(VAE)、ガウス混合モデル(GMM)など、幅広い生成AIモデルを対象に実験を行った。その結果、AIモデルが生成したデータを次世代のモデルの学習に

                      生成AIが“AI生成コンテンツ”を学習し続けるとどうなる?→「モデル崩壊」が起こる 英国チームが発表
                    • それでも「酒は百薬の長」と言い続けるワケ カナダの研究者らが飲酒量と死亡リスクの関係を分析

                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 多くの研究が、少量のアルコール摂取が寿命を延ばす可能性があると主張している。適度に飲む人の方が全く飲まない人より健康だということだが、実際にはどんな量のアルコールも有害であることが明らかになってきている。この矛盾を調べるため、研究チームはアルコール摂取が特定の年齢での死亡リスクに与える影響を調査した107件の研究(合計で約480万人のデータを含む)をレビューした。 従来の多くの研究では、適度な飲酒が寿命を延ばす可能性があると主張してきた。これらの研究は、飲酒量と死亡リスクの関係が「J」字カーブを描くと示唆していた。つまり、少量の飲酒は非飲酒者と比べてリ

                        それでも「酒は百薬の長」と言い続けるワケ カナダの研究者らが飲酒量と死亡リスクの関係を分析
                      • 脳で“思う”→画像を生成するAI「PAM」 見ている画像の脳活動をもとに生成 オランダの研究者らが発表

                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 神経デコーディングは、脳の神経活動から知覚刺激の特徴を解読する技術であり、この分野の研究は大きく分類や識別、再構成の3つのアプローチに分けられる。 分類は、脳活動パターンを事前に定義したカテゴリーに振り分ける手法で、識別は被験者が見ている特定の画像を候補となる複数の刺激の中から特定する手法だ。再構成は、脳活動データから見ている画像を再生成する手法であり、最も複雑なアプローチで、脳活動から画像そのものを再現することを目指す。 この研究では、脳活動から画像を再構成するアプローチに挑戦する。実行するために、予測アテンション機構(PAM)と呼ばれる新

                          脳で“思う”→画像を生成するAI「PAM」 見ている画像の脳活動をもとに生成 オランダの研究者らが発表
                        • 「プラセボで痛みが消える」の仕組み 関与する脳回路をマウス実験で発見【研究紹介】 | レバテックラボ(レバテックLAB)

                          山下 裕毅 先端テクノロジーの研究を論文ベースで記事にするWebメディア「Seamless/シームレス」を運営。最新の研究情報をX(@shiropen2)にて更新中。 米ノースカロライナ大学チャペルヒル校や米スタンフォード大学などに所属する研究者らが発表した論文「Neural circuit basis of placebo pain relief」は、プラセボ効果によって痛みを和らげる脳回路をマウスの実験で調査した研究報告である。 keyboard_arrow_down 研究内容 keyboard_arrow_down 研究評価 効果のない偽薬の服用によって痛みが和らぐ、プラセボ鎮痛という現象がある。長年、この現象の存在は知られていたが、その生物学的メカニズムは謎に包まれていた。今回、神経科学者たちがマウスの脳内回路を特定し、プラセボ効果による痛み緩和のメカニズムの一端を解明した。 研究

                            「プラセボで痛みが消える」の仕組み 関与する脳回路をマウス実験で発見【研究紹介】 | レバテックラボ(レバテックLAB)
                          • 焼くと肉の風味が薫るピンクなゼリー その正体は“培養肉” 韓国の研究者らが開発

                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 培養肉は、ステーキやミートボールなどの形状に加工できるようになったが、従来の食肉と同等の風味を再現することが課題となっていた。この問題に対し、研究者らは、加熱時に香りを放出する芳香化合物を用いる新しい解決策を提案した。 このアプローチは、肉の培養中に安定した状態を保つ「Scaffold」と呼ばれる3Dゼラチンベースのハイドロゲルに「Switchable Flavour Compound」(SFC)を組み込むことで実現する。 SFCの特徴は、細胞培養中は安定的にゲル内にとどまり、調理温度(150度)で加熱されたときにのみ風味化合物を放出することである。こ

                              焼くと肉の風味が薫るピンクなゼリー その正体は“培養肉” 韓国の研究者らが開発
                            • 「扇風機」+「日傘」はどのくらい冷却効果があるの? 中国の研究者らが実験

                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 中国の西安交通大学などに所属する研究者らが発表した論文「Cooling effect of fanned parasol for mitigating outdoor heat stress」は、日傘と扇風機を組みわせた扇風機付き日傘(ファン付きパラソル)の冷却効果を調べた研究報告である。扇風機付き日傘は、傘の内側に小型ファンと安全用ネットが取り付けられており、使用時は頭上のファンが風を送る。 先日、暑い夏を少しでも快適にするために、スポーツドリンクより効果的に水分補給が行える飲料水に関する研究を取り上げた。研究では意外な飲み物が提案されている。 (関

                                「扇風機」+「日傘」はどのくらい冷却効果があるの? 中国の研究者らが実験
                              • 5人に1人「AIは“幸福や苦痛などを経験する能力”を持っている」と回答 米国3500人の調査結果

                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米シンクタンク「Sentience Institute」などに所属する研究者らが発表した論文「What Do People Think about Sentient AI?」は、2021~2023年にかけて、3回にわたり米国の3500人を対象に、AIとその自己意識に関する認識について詳細な調査を行った研究報告である。 調査では「現在存在するロボット/AIの中に感覚性(Sentience)を持つものがあると思いますか?」「感覚性を持つロボット/AIは尊重されるべきでありますか?」といった質問が含まれていた。ここでいう感覚性とは「幸福や苦痛といっ

                                  5人に1人「AIは“幸福や苦痛などを経験する能力”を持っている」と回答 米国3500人の調査結果
                                • “メルトダウンしない”原子力発電所、実験で成功 商用規模で自然冷却は世界初 中国の研究者らが発表(ITmedia NEWS) - Yahoo!ニュース

                                  清華大学に所属する研究者らが発表した論文「Loss-of-cooling tests to verify inherent safety feature in the world’s first HTR-PM nuclear power plant」は、外部電源が完全に失われた場合でも、冷却システムを使用せずに受動的に冷却するメルトダウンを起こさない商業用原子力発電所を実証した研究報告である。 【画像を見る】HTR-PMの概要【全2枚】 現代の原子力発電所は、過剰な熱を炉心から除去するために動力を必要とする冷却機構や、緊急時には人間の介入による停止に依存している。水や液体二酸化炭素が冷却材として使用されるが、これらは通常、外部電源に依存している。 これらのシステムが故障すると、炉が過熱し、爆発や過熱によってプラントが溶ける可能性がある。2011年の福島第一原子力発電所事故では、標準および緊

                                    “メルトダウンしない”原子力発電所、実験で成功 商用規模で自然冷却は世界初 中国の研究者らが発表(ITmedia NEWS) - Yahoo!ニュース
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