このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 明治大学の宮下芳明教授がWISS2023で発表した論文「TasteTime Machine : 飲食物を過去や未来の味に変える装置の実現に向けて」は、飲食物の味を過去や未来の味に変化させる手法を提案した研究報告である。この研究では、主に未熟なトマトや作りたてのカレーの味を数日後の味に変えること、また熟れたトマトや一晩置いたカレーの味を以前の味に戻すことが可能かを検証した。 また、この研究の知見をもとに開発した食品の時間を操る味覚AR装置「Taste-Time Traveller」も宮下研究室の研究者らが同時に発表した。