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山下裕毅の検索結果81 - 120 件 / 188件

  • 作りたてカレーが“すぐに”数日寝かした味に変わる? 食品を過去や未来の味に変える装置 明治大が開発

    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 明治大学の宮下芳明教授がWISS2023で発表した論文「TasteTime Machine : 飲食物を過去や未来の味に変える装置の実現に向けて」は、飲食物の味を過去や未来の味に変化させる手法を提案した研究報告である。この研究では、主に未熟なトマトや作りたてのカレーの味を数日後の味に変えること、また熟れたトマトや一晩置いたカレーの味を以前の味に戻すことが可能かを検証した。 また、この研究の知見をもとに開発した食品の時間を操る味覚AR装置「Taste-Time Traveller」も宮下研究室の研究者らが同時に発表した。

      作りたてカレーが“すぐに”数日寝かした味に変わる? 食品を過去や未来の味に変える装置 明治大が開発
    • Excelなどの“表計算ソフト専用”の大規模言語モデル 米Microsoftが「SpreadsheetLLM」発表

      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 MicrosoftのExcelやGoogleのスプレッドシートなど表計算ソフトは広く使用されているが、その二次元の格子構造や複雑なレイアウト、多様なフォーマットオプションなどが、LLMにとって大きな課題となっている。今回提案するフレームワーク「SpreadsheetLLM」は、これらの課題を解決する。 このフレームワークの中核を成すのが「シートコンプレッサー」という手法である。シートコンプレッサーは3つの主要機能を持つモジュールで構成しており、まずは表計算シート内で重要な構造を持つ部分を特定する機能だ。これにより、重要な構造情報を保持しつつ、

        Excelなどの“表計算ソフト専用”の大規模言語モデル 米Microsoftが「SpreadsheetLLM」発表
      • 視力低下を回復する新手法 神戸アイセンター病院などが研究報告 サルへの移植で網膜修復を確認

        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 網膜の中心部にある黄斑に穴が開く「黄斑円孔」という病気がある。これは主に高齢者や女性に多く見られ、中心視力の低下やゆがみを引き起こす。これは加齢とともに、眼球内の「硝子体」と呼ばれる透明なゲル状の液体が厚くなり、網膜を引っ張ることで組織に穴が開くことが原因とされている。 9割の患者は従来の手術で治癒するが、難治性の場合には、網膜の一部を他の部位からを切りとって移植することで穴をふさぐ治療が一つの方法として近年行われている。成功率は高いものの、手術操作が煩雑で危険を共ない、また網膜を切りとった部分が見えなくなってしまう問題がある。 この課題に取り組むため

          視力低下を回復する新手法 神戸アイセンター病院などが研究報告 サルへの移植で網膜修復を確認
        • 「前歯を舌でタップ」「舌をかむ」 VRヘッドセットを“舌操作” 米Microsoftが開発

          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ジョージア工科大学と米Microsoft Researchに所属する研究者らが発表した論文「TongueTap: Multimodal Tongue Gesture Recognition with Head-Worn Devices」は、VR/ARヘッドセットなどで、口を閉じたまま舌を使って操作するインタフェースに関する研究報告である。 頭部装着型デバイスにおける舌を使った操作は、ハンズフリーだけでなく、唇や顎を最小限に動かし、口を閉じたままで操作できる利点がある。外部から気付かれにくいため、公共の場でも使用しやすい。 しかし、過去の舌

            「前歯を舌でタップ」「舌をかむ」 VRヘッドセットを“舌操作” 米Microsoftが開発
          • 大規模言語モデルの「幻覚」を軽減する32の最新テクニック バングラデシュなどの研究者らが発表

            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 バングラデシュのIslamic University of Technology、米サウスカロライナ大学、米スタンフォード大学、米Amazon AIに所属する研究者らが発表した論文「A Comprehensive Survey of Hallucination Mitigation Techniques in Large Language Models」は、大規模言語モデル(LLM)における幻覚(AIが根拠のないコンテンツを生成すること、ハルシネーションともいう)を軽減するための32のテクニック(研究)を紹介した研究報告である。 これらのテ

              大規模言語モデルの「幻覚」を軽減する32の最新テクニック バングラデシュなどの研究者らが発表
            • “むにゅ”っとやわらかいタッチディスプレイ 指で押すとぷにぷにへこむ 英国チームが開発

              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英バース大学に所属する研究者らが発表した論文「DeformIO: Dynamic Stiffness Control on a Deformable Force-Sensing Display」は、ユーザーの指の動きと指圧に応じて表面が柔軟に変形するソフトなタッチスクリーンを提案した研究報告である。「DeformIO」と呼ばれ、ユーザーがその表面を押したり触ったりすると、その場所の剛性を動的に柔らかく変化できる。 DeformIOは、空気圧制御システムと特殊なシリコンゴム構造を組み合わせることで、表面の形状を変えずに剛性を変化させることに成功している。

                “むにゅ”っとやわらかいタッチディスプレイ 指で押すとぷにぷにへこむ 英国チームが開発
              • 「ApplePayでAirPodsを不正購入」――デジタルウォレットで無料ショッピングする“抜け穴”攻撃 米国チームが発表

                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米マサチューセッツ大学アマースト校などに所属する研究者らが発表した論文「In Wallet We Trust: Bypassing the Digital Wallets Payment Security for Free Shopping」は、他人のクレジットカードを用いてデジタルウォレットを介して商品を購入する攻撃を示した研究報告である。 この脆弱性は、米国の主要銀行(Chase Bank、AMEX、Bank of Americaなど)やApple Pay、Google Pay、PayPalなどの主要なデジタルウォレットに影響を及ぼすものである。

                  「ApplePayでAirPodsを不正購入」――デジタルウォレットで無料ショッピングする“抜け穴”攻撃 米国チームが発表
                • 米Apple、iPhoneのUIを理解するモバイル専用AI言語モデル「Ferret-UI」発表 GPT-4V越えの性能

                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米Appleに所属する研究者らが発表した論文「Ferret-UI: Grounded Mobile UI Understanding with Multimodal LLMs」は、iPhoneやAndroidなどのモバイルUI画面をより深く理解し、インタラクションできるように設計されたマルチモーダル大規模言語モデル(MLLM)を提案した研究報告である。 Ferret-UIは、モバイルUIの画面上で、多様な入力形式(点、ボックス、スケッチ)を用いて参照タスク(ウィジェット分類、アイコン認識、OCRなど)を実行し、グラウンディングタスク(ウィジェット検索、

                    米Apple、iPhoneのUIを理解するモバイル専用AI言語モデル「Ferret-UI」発表 GPT-4V越えの性能
                  • “地球最強”クマムシが極限状態でも生き抜くメカニズムが判明 深い眠り「乾眠」を引き起こす仕組みとは

                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2

                      “地球最強”クマムシが極限状態でも生き抜くメカニズムが判明 深い眠り「乾眠」を引き起こす仕組みとは
                    • モニター画面上の“ピクセルの生成音”を盗聴、機密データを盗む攻撃 “ネット未接続PC”も標的に

                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 イスラエルのBen-Gurion University of the Negevに所属する研究者が発表した論文「PIXHELL Attack: Leaking Sensitive Information from Air-Gap Computers via `Singing Pixels’」は、インターネットに接続していないエアギャップPCの画面から漏れ出るノイズ音を盗聴してデータを盗み出す攻撃を提案した研究報告である。 エアギャップPCは、高度なセキュリティを必要とする環境で使用される、物理的に隔離されたシステムである。これらのシステムは通常、インタ

                        モニター画面上の“ピクセルの生成音”を盗聴、機密データを盗む攻撃 “ネット未接続PC”も標的に
                      • 生成AIが“AI生成コンテンツ”を学習し続けるとどうなる?→「モデル崩壊」が起こる 英国チームが発表

                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英オックスフォード大学や英ケンブリッジ大学などに所属する研究者らが発表した論文「AI models collapse when trained on recursively generated data」は、AIモデルが自己生成したデータで繰り返し学習すると、モデルの性能が低下していく「モデル崩壊」という現象を発見した研究報告である。 研究チームは、大規模言語モデル(LLM)、変分オートエンコーダー(VAE)、ガウス混合モデル(GMM)など、幅広い生成AIモデルを対象に実験を行った。その結果、AIモデルが生成したデータを次世代のモデルの学習に

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                        • 他人のキーボードに“1分で2万回の誤入力”をする攻撃 DoS攻撃やDeleteキー連打で妨害

                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 中国の浙江大学や米ミシガン大学、米ノースイースタン大学に所属する研究者らが発表した論文「GhostType: The Limits of Using Contactless Electromagnetic Interference to Inject Phantom Keys into Analog Circuits of Keyboards」は、電磁干渉(EMI)を利用して、他人のキーボードに物理的に触れることなく偽のキーストロークを注入できる攻撃を提案した研究報告である。 具体的には、キーボードの電気回路に誤った電圧を誘導し、キーボード

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                          • アバターの“指の動き”からパスワードを盗む攻撃 VR内で働く人のキーボード操作に着目

                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米シカゴ大学に所属する研究者らが発表した論文「Can Virtual Reality Protect Users from Keystroke Inference Attacks?」は、同じVR空間で作業をしているアバターの指の動きから入力内容を復元する攻撃を提案した研究報告である。 この研究は、米Metaが提供するバーチャルオフィスプラットフォーム「Meta Horizon Workrooms」におけるキーストローク推測攻撃の可能性を調査している。攻撃では、同じ空間にいる1人のVRユーザーが、別のユーザーのアバターの手の動きを分析し、タイ

                              アバターの“指の動き”からパスワードを盗む攻撃 VR内で働く人のキーボード操作に着目
                            • “エントロピー増大”を永遠に回避できる? 量子系が示す新たな数学的証明、米コロラド大学が報告

                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米コロラド大学ボルダー校に所属する研究者らが発表した論文「Eigenstate Localization in a Many-Body Quantum System」は、自然が無秩序へと向かうエントロピー増大に抵抗できる量子状態が存在することを、新たな数学的証明で示した研究報告である。 物理学の基本法則の一つに、自然界のあらゆるものは時間とともに無秩序に向かうという原理がある。これはエントロピー増大として知られている。 エントロピーの増大は、日常生活でも観察できる現象である。例えば、熱いコーヒーは時間とともに冷めていき、部屋は掃除をしないと徐々に散らか

                                “エントロピー増大”を永遠に回避できる? 量子系が示す新たな数学的証明、米コロラド大学が報告
                              • 多くのベンダーの「メールフィルタリング」に設定ミス サイバー攻撃の原因にも 米研究者らが調査

                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米カリフォルニア大学サンディエゴ校と米シカゴ大学に所属する研究者らが発表した論文「Unfiltered: Measuring Cloud-based Email Filtering Bypasses」は、クラウドベースのメールフィルタリングサービスの脆弱性を指摘した研究報告である。 多くの組織がクラウドベースのメールフィルタリングサービスを導入し、高度化するメールの脅威から身を守っている。これらのサービスは、企業のメールサーバとインターネットの間に位置し、受信メールをフィルタリングして、スパムやマルウェアなどの脅威を取り除く役割を果たす。 しかし、この

                                  多くのベンダーの「メールフィルタリング」に設定ミス サイバー攻撃の原因にも 米研究者らが調査
                                • 人間の好みを対話で引き出す言語モデル「GATE」 米MITが開発

                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米マサチューセッツ工科大学(MIT)などに所属する研究者らが発表した論文「Eliciting Human Preferences with Language Models」は、人間の好みを対話で引き出す言語モデルを提案した研究報告である。ユーザーはモデルの自然言語による質問に自由形式で対話することで、自分の好みを引き出すことができる。 従来、言語モデルに対して特定のタスクを実行させるためには、ラベル付けされた例や自然言語による指示を用いるのが一般的であった。しかし、例を選択したり指示を書いたりする作業は、一般的でないケースを含むタスクや、は

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                                  • マッチングアプリみたいに“左右スワイプ”で好みの顔画像を生成 東大「SwipeGANSpace」開発

                                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 東京大学馬場研究室に所属する研究者らが発表した論文「SwipeGANSpace: 潜在空間の関心次元探索によるスワイプ操作に基づく嗜好画像生成」は、好みの顔画像を簡単なスワイプ操作だけで生成できる手法を提案した研究報告である。 表示される1枚の顔写真を好むか好まないかの2択で左右にスワイプする操作をスマートフォン上で繰り返すことで、最終的な好みの顔画像を作る。この直感的な手法により、顔画像生成においてユーザーの負荷を軽減する。 研究の方法は、Tinderのようなマッチングアプリを模倣し、一度に1枚の画像を表示するところから始まる。ユーザーは

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                                    • “サイボーグゴキブリの群れ”をコンピュータで操作 阪大らがナビシステム提案

                                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 大阪大学とシンガポールの南洋理工大学に所属する研究者らが発表した論文「Natural-artificial hybrid swarm: Cyborg-insect group navigation in unknown obstructed soft terrain」は、生きている昆虫(マダガスカルオオゴキブリ)に小型の電子制御装置を取り付けてサイボーグ化し、複数のサイボーグゴキブリを群れとして制御することで、未知の複雑な地形を移動させるナビゲーションシステムを提案した研究報告である。 従来のロボットは、障害物回避や未知環境への適応、長時間の稼働といっ

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                                      • ネットのやりすぎは「後天性ADHD」になりやすい? 米国で2018年に調査 2500人以上で検証した結果は

                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。 X: @shiropen2 米USC Keck School of Medicineや米UCSDなどに所属する研究者らが2018年に発表した論文「Association of Digital Media Use With Subsequent Symptoms of Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder Among Adolescents」は、デジタルメディア(ソーシャルメディア、動画ストリーミング、テキストメッセージなど)の使用頻度と、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の症

                                          ネットのやりすぎは「後天性ADHD」になりやすい? 米国で2018年に調査 2500人以上で検証した結果は
                                        • シャボン玉がレーザーに? 感度が良い圧力センサーとして機能 スロベニアの研究者らが検証

                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 スロベニアのヨージェフ・ステファン研究所Humar Labに所属する研究者らが発表した論文「Smectic and soap bubble optofluidic lasers」は、せっけん泡(シャボン玉)を光学的な共振器として使用し、レーザー光を放出する技術を提案した研究報告である。 せっけん水と蛍光染料を混ぜた泡に光を当てることで、非常に小さなレーザーを作ることができ、これらは極めて微小な圧力変化や電場の変化に対して敏感であることを示した。 この研究では、ミリメートルサイズのせっけん泡をレーザー光で照らすことで、泡がレーザー光を放出する

                                            シャボン玉がレーザーに? 感度が良い圧力センサーとして機能 スロベニアの研究者らが検証
                                          • 耳たぶが20cm伸びた? すぐに体験できる不思議な感覚「ブッダの耳錯覚」 名古屋市立大が考案

                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 名古屋市立大学の小鷹研究室に所属する研究者らが発表した論文「Buddha’s ear illusion: Immediate and extensive earlobe deformation through visuotactile stimulation」は、簡単な視触覚刺激によって、自分の耳たぶが長く伸びたような感覚を引き起こす研究報告である。この現象を「ブッダの耳錯覚」(Buddha’s ear illusion: BEI)と名付けている。

                                              耳たぶが20cm伸びた? すぐに体験できる不思議な感覚「ブッダの耳錯覚」 名古屋市立大が考案
                                            • スマホの指紋センサーから“指紋”を復元する攻撃 3Dプリンタで偽物を作成、被害者になりすまし

                                              このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 香港城市大学と米ジョージ・メイソン大学に所属する研究者らが発表した論文「Recovering Fingerprints from In-Display Fingerprint Sensors via Electromagnetic Side Channel」は、スマートフォンのディスプレイ内指紋センサーから指紋データを復元するサイドチャネル攻撃を提案した研究報告である。この攻撃では、盗んだ指紋データをもとに3Dプリンタで造形した3D指紋ピースを指に貼り付け、被害者の生体認証を模倣する。 スマートフォンのディスプレイ内指紋センサー技術が普及し

                                                スマホの指紋センサーから“指紋”を復元する攻撃 3Dプリンタで偽物を作成、被害者になりすまし
                                              • それでも「酒は百薬の長」と言い続けるワケ カナダの研究者らが飲酒量と死亡リスクの関係を分析

                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 多くの研究が、少量のアルコール摂取が寿命を延ばす可能性があると主張している。適度に飲む人の方が全く飲まない人より健康だということだが、実際にはどんな量のアルコールも有害であることが明らかになってきている。この矛盾を調べるため、研究チームはアルコール摂取が特定の年齢での死亡リスクに与える影響を調査した107件の研究(合計で約480万人のデータを含む)をレビューした。 従来の多くの研究では、適度な飲酒が寿命を延ばす可能性があると主張してきた。これらの研究は、飲酒量と死亡リスクの関係が「J」字カーブを描くと示唆していた。つまり、少量の飲酒は非飲酒者と比べてリ

                                                  それでも「酒は百薬の長」と言い続けるワケ カナダの研究者らが飲酒量と死亡リスクの関係を分析
                                                • 「時間の矢」が生成AIにも含まれていた? “未来から過去を予測”する逆の訓練をLLMで実施 海外チームが検証

                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 スイスのEPFLや英ロンドン大学に所属する研究者らが発表した論文「Arrows of Time for Large Language Models」は、大規模言語モデル(LLM)が、次のトークンを予測する能力に比べて、前のトークンを予測する能力が劣ることを明らかにした研究報告である。研究チームは、この現象が自然言語を学習する際に、時間が過去から未来へと一方向にしか流れない「時間の矢」が影響していると指摘している。 (関連記事:「なぜ時間は過去→未来にしか進まない?」を“量子もつれ”で説明か 未解決問題「時間の矢」に切り込む) LLMは、テキス

                                                    「時間の矢」が生成AIにも含まれていた? “未来から過去を予測”する逆の訓練をLLMで実施 海外チームが検証
                                                  • 装着していないVRヘッドセットが"動く対話ロボット”に 置き台ごと変形 北海道大「OMEME」開発

                                                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 北海道大学のヒューマンコンピュータインタラクション研究室に所属する研究者らが発表した論文「OMEME: 非装着状態の HMD を用いたコンパニオンロボットの開発」は、VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)を置くと置き台ごと動くコンパニオンロボットになるシステムを提案した研究報告である。 HMDは基本的に頭部に装着して使用するために設計されているが、その非装着時の利用法についてはこれまであまり深く考察されてこなかった。このため、HMDの内蔵センサーやその他の計算機機能が非装着時にはほとんど活用されていないという状況にある。 この研究では、非

                                                      装着していないVRヘッドセットが"動く対話ロボット”に 置き台ごと変形 北海道大「OMEME」開発
                                                    • レーザービームを放ち、1km間を9Gbpsで無線通信する携帯型システム 中国の研究者らが開発

                                                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 インターネットの接続が速く、途切れることなく安定している環境が求められる今日、光ファイバーの接続が得られない場所での通信は困難を伴うことが多い。しかし「FSO」(フリースペース光通信)という新技術を利用すれば、光ファイバーのない場所でも高速な通信が実現可能である。 FSOは、一方のデバイスからレーザー光を放射し、別の離れたデバイスに光信号を届ける技術だ。これにより、物理的なケーブルが不要となり、高速かつ安全、かつライセンス不要の通信が可能となる。 この研究では、高速ワイヤレス通信の可能性を大きく広げる小型FSOシステムを開発した。このシステ

                                                        レーザービームを放ち、1km間を9Gbpsで無線通信する携帯型システム 中国の研究者らが開発
                                                      • 米Appleの独自AI「Apple Intelligence」の技術詳細 基盤モデルや学習データなどを解説

                                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米Appleは、年次開発者会議「Worldwide Developers Conference 2024」(WWDC24)において、iOS 18、iPadOS 18、macOS Sequoiaに統合される独自AI「Apple Intelligence」(以下、Apple AIと表記)を発表した。このシステムの基盤モデルについて、Appleがブログで説明していたので簡潔にまとめたい。 Apple Intelligenceの中核をなすのは、2つの基盤モデルである。1つはデバイス上で動作する約30億のパラメータを持つモデルで、もう1つはAppleの

                                                          米Appleの独自AI「Apple Intelligence」の技術詳細 基盤モデルや学習データなどを解説
                                                        • 「自称オープンソース生成AI」は本当に“オープン”なのか? 45種のAIモデルをオランダの研究者らが調査

                                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 オランダのRadboud University Nijmegenに所属する研究者らが発表した論文「Rethinking open source generative AI: open-washing and the EU AI Act」は、オープンソースと主張する生成AIを対象に、どの程度オープンなのかを調査した研究報告である。 近年、オープンであると主張する生成AIシステムが急増しているが、実際にはどの程度オープンなのかは疑問だ。「オープンソース」と謳いつつ、詳しく見てみると部分的にしか公開していないことはよくある。「オープンソース」は研究

                                                            「自称オープンソース生成AI」は本当に“オープン”なのか? 45種のAIモデルをオランダの研究者らが調査
                                                          • AIがポケモンバトルをしたら? 15年以上の熟練プレイヤーとの戦いで勝率56% 米研究者ら「PokeLLMon」開発

                                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ジョージア工科大学に所属する研究者らが発表した論文「PokeLLMon: A Human-Parity Agent for Pokemon Battles with Large Language Models」は、ポケモンバトルのようなコマンドバトルゲームで人間並みの性能を達成する大規模言語モデル(LLM)を搭載した自律型AIエージェントを提案した研究報告である。 この研究では、ポケモンバトルにおいて人間のプレイヤーのように振る舞うLLMを搭載したエージェントを開発することを目的としている。またエージェントが優れたプレイヤーとなるための重

                                                              AIがポケモンバトルをしたら? 15年以上の熟練プレイヤーとの戦いで勝率56% 米研究者ら「PokeLLMon」開発
                                                            • 離れたところから自分の3Dアバターを自由に動かせる手法「D3GA」 ヒラヒラな服や表情も精巧に再現【研究紹介】

                                                              離れたところから自分の3Dアバターを自由に動かせる手法「D3GA」 ヒラヒラな服や表情も精巧に再現【研究紹介】 2023年11月17日 山下 裕毅 先端テクノロジーの研究を論文ベースで記事にするWebメディア「Seamless/シームレス」(https://shiropen.com/)を運営。 Meta Reality Labs Researchやドイツのダルムシュタット工科大学などに所属する研究者らが発表した論文「D3GA – Drivable 3D Gaussian Avatars」は、リアルタイムで人間の3Dアバターの動きを再構築するアプローチを提案した研究報告である。動きに応じて生じる服のヒラヒラする動きや、細かい表情まで再現される。 ▲この手法での3Dアバターは、体の動きだけでなく、衣服の動きや表情も反映される。 keyboard_arrow_down 研究課題 keyboard

                                                                離れたところから自分の3Dアバターを自由に動かせる手法「D3GA」 ヒラヒラな服や表情も精巧に再現【研究紹介】 
                                                              • なぜAIに“日本語”を学習させるのか? 35種類のLLMで実験し分析 東工大などが研究報告

                                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 9月3日に開催の第261回自然言語処理研究発表会において、東京工業大学と産業技術総合研究所に所属する研究者らが発表した「LLMに日本語テキストを学習させる意義」は、大規模言語モデル(LLM)に日本語を学習する効果について実験結果を基に評価した研究報告である。 この研究では、35種類のLLMに対して日本語と英語の19種類のタスクを用いて評価を実施し、その結果を詳細に分析。評価に用いたLLMは、学習データや構築手法によって大きく4つのカテゴリーに分類される。 「英語フルスクラッチ」は英語中心のデータで学習されたモデル(Llama 3など) 「日本

                                                                  なぜAIに“日本語”を学習させるのか? 35種類のLLMで実験し分析 東工大などが研究報告
                                                                • 幼少期のタブレット使用が多いと将来“怒りっぽく”なる? 300人以上の幼児を対象に調査

                                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 この研究は、カナダのノバスコシア州で行われ、315人の幼児を対象に3.5~5.5歳までの期間、タブレット使用と感情調整の関係を追跡調査したものである。対象となった幼児の内訳は、保護者の報告によると54%が男児、46%が女児。調査は2020~2022年にかけて、新型コロナウイルスによるパンデミックの期間中に実施した。 研究結果では、3.5歳時のタブレット使用量が約1日1.15時間増加すると、4.5歳時の怒りや欲求不満の表現が22%増加することが明らかになった。さらに、4.5歳時の怒りや欲求不満の傾向が約1日1.15時間増加すると、5.5歳時のタブレット使

                                                                    幼少期のタブレット使用が多いと将来“怒りっぽく”なる? 300人以上の幼児を対象に調査
                                                                  • メモリ内で「データ保存」と「計算処理」を実行する「CRAM」 実証実験に成功 AIタスクの消費電力を大幅削減へ

                                                                    このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 機械学習などのデータ集約型アプリケーションは、膨大な計算能力を必要とするが、従来のコンピューティングアーキテクチャでは、演算ユニットとメモリユニットの間で絶え間なくデータを転送する必要があり、この転送プロセスに多大な電力とエネルギーを消費している。 この課題に対処するため、研究者たちは「Computational Random-Access Memory」(CRAM)と呼ばれる技術に着目。CRAMの特徴は、メモリセル自体を使って論理演算を直接実行できる点で、データをメモリから外部に転送することなく、メモリ内で直接計算処理が可能。この方式により

                                                                      メモリ内で「データ保存」と「計算処理」を実行する「CRAM」 実証実験に成功 AIタスクの消費電力を大幅削減へ
                                                                    • アインシュタインが納得しない「量子もつれ」を新たな実験で実証か 中国チームが高性能装置で検証

                                                                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 中国科学技術大学などに所属する研究者らが発表した論文「Loophole-Free Test of Local Realism via Hardy’s Violation」は、改良した高性能な装置を用いて「量子もつれ」(2つの粒子がどれだけ離れていても相関関係を保つ現象)を実験的に検証した研究報告である。 この実験は、アインシュタインが1930年代に「不気味な遠隔作用」と呼んで懐疑的だった“量子もつれした粒子が極めて遠い距離を隔てていても瞬時に影響し合うように見える現象”を検証するものだ。アインシュタインの疑念から約30年後、物理学者のジョン・ベルはこの

                                                                        アインシュタインが納得しない「量子もつれ」を新たな実験で実証か 中国チームが高性能装置で検証
                                                                      • ChatGPT vs. Wikipedia──生成AIの登場でウィキペディアはどう変わったか? 英国の研究者らが調査

                                                                        このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英キングス・カレッジ・ロンドンに所属する研究者らが発表した論文「Exploring the Impact of ChatGPT on Wikipedia Engagement」は、2022年11月にChatGPTが一般公開されたことを受け、Wikipediaの利用状況にどのような変化が生じたのかを調査した研究報告である。 ChatGPTは、事実確認や質問への回答といった機能を有しており、Wikipediaと類似した役割を担う可能性がある。そのため、両者が競合関係になることを懸念する声もWikipediaの編集者の間から上がっていた。 この研究

                                                                          ChatGPT vs. Wikipedia──生成AIの登場でウィキペディアはどう変わったか? 英国の研究者らが調査
                                                                        • 生成AI搭載アプリを狙うマルウェア「Morris II」 Gemini ProやGPT-4搭載アプリを介して個人情報窃取に成功

                                                                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 企業は既存の製品やプラットフォームに生成AIを統合することで、コンテンツ生成の自動化、不要なユーザー操作の削減、複雑なタスクの効率化を目指している。チャットbotやバーチャルアシスタントなど、既存および新興の製品への生成AIの導入が進むことで、生成AIを搭載した半自律・全自律のエージェントから成るエコシステムが生まれつつある。 この研究では、そんな生成AIを搭載したアプリケーションを攻撃するワーム型のマルウェア「Morris II」を提案する。これは、36年前に登場した初期のインターネットワーム「Morris Worm」へのオマージュとして名付けられた

                                                                            生成AI搭載アプリを狙うマルウェア「Morris II」 Gemini ProやGPT-4搭載アプリを介して個人情報窃取に成功
                                                                          • RTA走者が利用する“バグ”を分析 ソフトウェア開発に役立つか? 「スーパーマリオシリーズ」4作で調査

                                                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英ブリストル大学などに所属する研究者らが発表した論文「Super Mario in the Pernicious Kingdoms: Classifying glitches in old games」は、スーパーマリオシリーズ4作品(スーパーマリオブラザーズ、スーパーマリオブラザーズ3、スーパーマリオワールド、スーパーマリオ64)を対象に、これまでに報告されている237件のバグを調査した研究報告である。 ゲームをどれだけ速くクリアできるかを競い合う「RTA」という遊び方がある。彼らは「RTA走者」などと呼ばれ、常人にはまねできないようなスーパープレイ

                                                                              RTA走者が利用する“バグ”を分析 ソフトウェア開発に役立つか? 「スーパーマリオシリーズ」4作で調査
                                                                            • 「基本情報技術者試験」に最年少合格した小学3年生(8) どうやって勉強した? 学習法を紹介(ITmedia NEWS) - Yahoo!ニュース

                                                                              2023年4月、東京の公立小学校に通う8歳の小学3年生(男子)が「基本情報技術者試験」(FE)と「情報セキュリティマネジメント試験」(SG)に最年少で合格した。 【画像を見る】各試験の学習期間や学習時間が書かれた表【全2枚】 この出来事は、情報処理学会が会員に向けて月刊で発行する学会誌「情報処理」の2023年12月15日発行分(65巻1号)で特集された。内容は、合格した本人と両親へのインタビューをベースに「情報処理技術者試験の最年少合格者とご両親の声」と題して掲載されている。この記事では、掲載内容を参照して、学習方法や受験理由などの内容を簡潔に紹介したい。 (関連記事:8歳の小学3年生が「基本情報技術者試験」と「情報セキュリティマネジメント試験」に合格 最年少記録更新) 彼がFEとSGを受けるきっかけとなったのは、22年3月に7歳(当時小学1年生)で「ITパスポート試験」(IP)に最年少合

                                                                                「基本情報技術者試験」に最年少合格した小学3年生(8) どうやって勉強した? 学習法を紹介(ITmedia NEWS) - Yahoo!ニュース
                                                                              • 物質内にあるが見えない“暗黒状態”の電子 韓国などの研究者らが発見 超電導の仕組みを説明か

                                                                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 韓国の延世大学校などに所属する研究者らが発表した論文「Dark states of electrons in a quantum system with two pairs of sublattices」は、物質において特定の条件下で観測不可能な電子状態を発見した研究報告である。 物質の電気伝導性や光の反射率といった性質は、主に電子の動きによって決まる。これらの性質を調べる一般的な方法が「分光法」であり、物質に光を当て、跳ね返ってきた光のスペクトルを分析することで、どの周波数が吸収または反射されたかを明らかにする。 しかし、分光法では物質の全てを知るこ

                                                                                  物質内にあるが見えない“暗黒状態”の電子 韓国などの研究者らが発見 超電導の仕組みを説明か
                                                                                • 数学の超難問「幾何学的ラングランズ予想」を証明か? 計1000ページ以上の証明論文を米研究者らが公開

                                                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 この問題は「ラングランズ・プログラム」と呼ばれる大きな構想の一部である。ラングランズ・プログラムは、数学のいくつもの異なる分野の間に深い関連性があることを提案した考えで、そのアイデアは、1967年に数学者ロバート・ラングランズさんが別の数学者アンドレ・ヴェイユさんに宛てた手紙にさかのぼる。 そこでは「数論」と「調和解析」という明らかに異なる2つの数学の分野が実は深く関連しているというアイデアを提唱していた。しかし、ラングランズさんは実際にこれを証明することができず、自分が正しいかどうか確信が持てなかった。 ラングランズさんのアイデアを用いて、ある数学の

                                                                                    数学の超難問「幾何学的ラングランズ予想」を証明か? 計1000ページ以上の証明論文を米研究者らが公開