岡田 僕はいつもテーマからは入りませんが、有村架純さんとは何作もご一緒しているので、一段深いところを描いてみたいという思いがまずありました。そこから、有村さんと坂口健太郎くんで人間ドラマを書きたいと思い、彼らがどんな経験をした世代なのかを年表を作って調べてみたところ、一番繊細な時期に震災が起きていた。そこで、大人になる手前、どう生きていくかを考える時期にボランティアとして集い、濃密な時間を共に過ごした二人の出会いを書いてみたいと思ったんです。 ――実際に震災ボランティアの方を取材したのですか? 岡田 次男が大学生のときに東北にボランティアに行っていたんです。取材元はそこですね。 ――映画『いちごの唄』にも震災が少し登場しますが、いま書いておきたいというお気持ちがあったのでしょうか。 岡田 僕は登場人物の気持ちになって書くタイプなので、震災は、自分のドラマで扱えるようなものではないとずっと距