致死性不整脈とは、治療に緊急を要する危険な不整脈を指します。なかでも、脈が異常に速くなる頻脈性不整脈の1つである心室細動(しんしつさいどう)になる方が多いといわれています。心室細動は突然起こり、死に至ることもある危険な不整脈です。そもそもこのような不整脈はなぜ起こり、私たちが予防のためにできることはあるのでしょうか。旭川医科大学 保健管理センターの教授である川村祐一郎先生は、長年、致死性不整脈の研究と治療に取り組んでいらっしゃいます。今回は、同大学の川村祐一郎先生に、致死性不整脈の種類から症状や原因までお話しいただきました。 不整脈の病態 不整脈とは、脈の乱れのことです。正常な脈である整脈は1分間にだいたい50~100拍の間であるといわれており、脈拍の間隔が一定であることが特徴です。また、心臓には心房と心室という部屋がありますが、整脈では、心房が先に収縮し心室にそれが伝わるという仕組みにな