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文豪の検索結果1 - 40 件 / 94件

  • 文豪・坂口安吾のオジヤはスープづくりに3日かける

    坂口安吾全集の八巻をペラペラめくっていたら、オジヤについて書かれた文章が目に入った。「わが工夫せるオジヤ」という短いエッセイだ。 ”私は今から二ヶ月ほど前に胃から黒い血をはいた”という、おおよそ飯についての文章とは思えない書き出しに興奮しながら読み進めると、安吾流のオジヤの作り方が説明されているページを見つけた。 曰く、野菜や鶏肉を3日以上煮て作ったスープストックを使用するだの、京都のギボシという店の昆布をのせて食べるだの、文章からでも彼のこだわりが感じられてなんだか微笑ましく思った。 よし、いっちょ作ってやろうか!坂口安吾のオジヤを!

      文豪・坂口安吾のオジヤはスープづくりに3日かける
    • 「全然大丈夫」「全然良い」は間違いか? 名だたる文豪も使った“全然”+肯定語 正誤を有識者に聞く(ラジトピ ラジオ関西トピックス) - Yahoo!ニュース

      新年度が始まりました。新たな職場・学校で新生活がスタートする人はもちろん、先輩や上司として新入生・新社会人を迎えるこの時期は新たな人間関係を築くチャンスでもあります。そこで改めて見直したいのが“正しい言葉使い”。健康食品や化粧品を取り扱う「株式会社グラフィコ」が新入社員に向けて行った意識調査によると、新社会人が心配だと感じているビジネスマナーの1位が「敬語・言葉使い」だそうです。そんな中でも筆者が気になっているのが、「全然良い」や「全然できる」などといった“全然”の使い方です。 【写真】「全然+肯定」を使っていた文豪 お札にもなっていた人です 主に否定として使われる“全然”に肯定や可能を表す動詞・形容詞を組み合わせることについて、「大丈夫」「ダメ」という両極の意見を聞きますが結局どちらなのでしょうか? 文化庁国語課の国語調査官・武田康宏さんに話を聞きました。 ☆☆☆☆ 時代によって言葉の使

        「全然大丈夫」「全然良い」は間違いか? 名だたる文豪も使った“全然”+肯定語 正誤を有識者に聞く(ラジトピ ラジオ関西トピックス) - Yahoo!ニュース
      • 酷いひき逃げ事故の話なのにぐいぐい引き込まれてしまうこの文章力よ「文豪えらいとばっちり」

        三一十 四四二三 @31104423 今から33年前。27歳の夏、横断歩道で軽自動車にはねられた。3mも飛び、アスファルトに叩きつけられた。 身体が痺れて全く動かず、そのまま寝ていたら、軽自動車から川端康成みたいな爺さんがゆっくりと出てきた。 爺さんは、まず軽自動車のバンパー周りなどを入念に調べ凹みの部分を指で撫でて「チッ」 pic.twitter.com/FhDcZmFoh1 2023-09-26 09:25:31 三一十 四四二三 @31104423 と舌打ちした。 そして転がっている私に 「いけるか?(大丈夫か?)いけるんか?あぁ?」 と言い、私が何も言わない(声も出ない)と 「黙っとったらわからんがな!いけるんやな?じゃあ、わしは行くからな」 と車に戻り、物凄い勢いでバックして、バックのまま右折して行ってしまった。 私は後から来た 2023-09-26 09:25:32 三一十 四

          酷いひき逃げ事故の話なのにぐいぐい引き込まれてしまうこの文章力よ「文豪えらいとばっちり」
        • 文豪スイング 中島敦『虎狩』 - 素振り文武両道

          皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 子、丑、寅、の寅にちなんだ小説、 中島敦さんの『虎狩』 を読みながらバットを振りました。 出だしだけです。散髪の話ではありません。正真正銘の虎狩です。 青空文庫より。 『虎狩』 中島敦 私は虎狩の話をしようと思う。虎狩といってもタラスコンの英雄タルタラン氏の獅子狩のようなふざけたものではない。正真正銘の虎狩だ。場所は朝鮮の、しかも京城から二十里位しか隔たっていない山の中、というと、今時そんな所に虎が出て堪たまるものかと云って笑われそうだが、何しろ今から二十年程前迄は、京城といっても、その近郊東小門外の平山牧場の牛や馬がよく夜中にさらわれて行ったものだ。もっとも、これは虎ではなく、豺(ぬくて)という狼おおかみの一種にとられるのであったが、とにかく郊外の夜中の独り歩きはまだ危険な頃だった。次のような話さえある。東小門外の駐在

            文豪スイング 中島敦『虎狩』 - 素振り文武両道
          • 文豪スイング 江戸川乱歩『宇宙怪人』 - 素振り文武両道

            皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【190】バットを振りました。 最近、宇宙人のようなミイラがメキシコで発見されました。 なので、 江戸川乱歩の『宇宙怪人』を読みながら、バットを振りました。 青空文庫より。 江戸川乱歩『宇宙怪人』 空とぶ円盤 空とぶ円盤は、アメリカからはじまって、世界じゅうの空にあらわれました。日本にもあらわれたことが、ずっとまえの新聞にのっていましたが、そのお話のはじまるころには、それが日本の空に、しきりにあらわれるようになったのです。大きなおさらのような丸いものが、ひじょうな早さで、高い空を飛んでいくのです。どこかの国の新がたの偵察飛行機ではないかという人もありました。いや、ひょっとしたら、宇宙のどこかの星から、地球のようすを、さぐりにきたのかもしれない、という人もありました。 12行にして、5本ずつ繰り返し【言って振り】ました。60スイングです。 空とぶ円盤は、

              文豪スイング 江戸川乱歩『宇宙怪人』 - 素振り文武両道
            • 文豪スイング 怪人二十面相は、本当の自分の顔を、忘れてしまっているかも知れません - 素振り文武両道

              皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【190】バットを振りました。 文豪の著作物の冒頭部分だけで、バットを振りました。 江戸川乱歩さんの『怪人二十面相』 青空文庫より引用。 そのころ、東京中の町という町、家という家では、ふたり以上の人が顔をあわせさえすれば、まるでお天気のあいさつでもするように、怪人「二十面相」のうわさをしていました。 「二十面相」というのは、毎日毎日、新聞記事をにぎわしている、ふしぎな盗賊のあだ名です。その賊は二十のまったくちがった顔を持っているといわれていました。つまり、変装がとびきりじょうずなのです。 《中略》 賊自身でも、ほんとうの顔をわすれてしまっているのかもしれません。 10行にしました。1行につき、5回ずつ【言って振り】ました。 東京中の町という町では、 二人以上の人が顔をあわせば、 お天気のあいさつでもするように、 怪人二十面相の噂をしていました。 「二十

                文豪スイング 怪人二十面相は、本当の自分の顔を、忘れてしまっているかも知れません - 素振り文武両道
              • 文豪スイング 江戸川乱歩『赤い部屋』 - 素振り文武両道

                皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【130】バットを振りました。 虹の色は、赤、橙、黄、、など 7つありますが、 色にちなんだ文豪の作品を読み、 バットを振って行きます。 今日は「赤色」で『赤い部屋』 青空文庫より。出だしだけ。 『赤い部屋』 江戸川乱歩, 異常な興奮を求めて集った、七人のしかつめらしい男が(私もその中の一人だった)わざわざそのためにしつらえた「赤い部屋」の、緋色の天鵞絨びろうどで張った深い肘掛椅子にもたれ込んで、今晩の話手が何事か怪異な物語を話し出すのを、今か今かと待ち構えていた。 次の8行にして【言って振り】ました。 5回ずつ繰り返し40スイングでした。 異常な興奮を求めて集った、 七人のしかつめらしい男が わざわざそのためにしつらえた 「赤い部屋」の深い 肘掛椅子にもたれ込んで、 今晩の話手が何事か怪異な 物語を話し出すのを、 今か今かと待ち構えていた。 こういう

                  文豪スイング 江戸川乱歩『赤い部屋』 - 素振り文武両道
                • 文豪スイング 梶井基次郎 『檸檬』 - 素振り文武両道

                  皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 今日は文豪スイングをしました。 ピンクの6行を【言って振り】 5回ずつ繰り返しました。 『あらすじで読む日本の名著2』 より引用。 梶井基次郎『檸檬』 えたいの知れない不吉な塊が始終私の心を押さえつけていた。焦燥といおうか、嫌悪といおうか、 それが私の身に襲いかかってきたのである。罹患した脚尖カタルや神経衰弱に起因したものでもなく、借金によるものでもない。以前私を喜ばせた 美しい音楽や詩の一節すら辛抱のできないものになってしまった。 文章を変えまくって6行にしました。 5回ずつ【言って振り】ました。 幸福な塊が私の心を解放した。 余裕といおうか、愛好といおうか、 それが私の身にやってきた。 完治した病気、貯金も増えた。 以前私を喜ばせた美しい音楽や 楽しい詩の一節が聞こえてきた。 ということで、かなり楽しい文章となりまし

                    文豪スイング 梶井基次郎 『檸檬』 - 素振り文武両道
                  • 文豪スイング 芥川龍之介 『蜜柑』 - 素振り文武両道

                    皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 今日は、と言っても11月3日は 「みかんの日」でしたので、 芥川龍之介の『蜜柑』 を読みながらバットを振りました。 青空文庫より。 『蜜柑』 芥川龍之介 或曇つた冬の日暮である。私は横須賀発上り二等客車の隅に腰を下して、ぼんやり発車の笛を待つてゐた。とうに電燈のついた客車の中には、珍らしく私の外に一人も乗客はゐなかつた。外を覗のぞくと、うす暗いプラツトフオオムにも、今日は珍しく見送りの人影さへ跡を絶つて、唯、檻をりに入れられた小犬が一匹、時々悲しさうに、吠え立ててゐた。 10行にして、5回ずつ繰り返し【言ってバットを振り】ました。 或曇つた冬の日暮。 横須賀発上り二等客車の隅に 腰を下し、発車の笛を待つてゐた。 電燈のついた客車には、 私の外に乗客はいなかつた。 外をのぞくと、 うす暗いプラツトフオオムにも、 見送りの人

                      文豪スイング 芥川龍之介 『蜜柑』 - 素振り文武両道
                    • 文豪スイング 片山廣子『赤とピンクの世界』 - 素振り文武両道

                      皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読みながら、 バットを振っています。 今日はピンク色です。 青空文庫より引用。 片山廣子, 『赤とピンクの世界』 農村が町となり、ながめが好く空気もきれいなので、だんだん新しい家が出来て、住む人も多くなつて来た。町のひらけ始めた時分に出来た十軒ばかりの家は、それぞれ屋根の色がちがひ坪数もちがつてゐるが、どの家もみんなみづみづしい生垣で、庭に椿や海棠やぼけ、また木犀や山茶花なぞ植ゑてあり、門前の道は何時もきれいに掃かれてこの辺一帯は裕福なインテリ層のすまひとすぐわかる。その中の一軒に、 11行にして、ピンクの10行を 【言ってバットを振り】ました。 1行につき3回ずつ繰り返し。 農村が町となり、 眺めが好く空気も綺麗なので、 だんだん新しい家が出来て、 住む人も多くなって来た。 町のひらけ始めた時分に出来

                        文豪スイング 片山廣子『赤とピンクの世界』 - 素振り文武両道
                      • 文豪スイング 太宰治『猿ヶ島』干支の「申」にちなんだ『猿ヶ島』 - 素振り文武両道

                        皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 青空文庫より、出だしだけ。 『猿ヶ島』太宰治, 干支の動物にちなんだ 文豪の文章を読みながら バットを振ってます。 今日は申年の「猿」。 太宰治さんの『猿ヶ島』の出だしだけ。 青空文庫より。 はるばると海を越えて、この島に着いたときの私の憂愁を思い給え。夜なのか昼なのか、島は深い霧に包まれて眠っていた。私は眼をしばたたいて、島の全貌を見すかそうと努めたのである。裸の大きい岩が急な勾配こうばいを作っていくつもいくつも積みかさなり、ところどころに洞窟どうくつのくろい口のあいているのがおぼろに見えた。これは山であろうか。一本の青草もない。 12行にして、1行5回ずつ繰り返し【言って振り】、60振りでした。 海を越えこの島に着いたときの、 私の憂愁を思い給え。 夜なのか昼なのか、 島は霧に包まれて眠っていた。 私は島の全貌を 見

                          文豪スイング 太宰治『猿ヶ島』干支の「申」にちなんだ『猿ヶ島』 - 素振り文武両道
                        • 文豪スイング 壺井栄『柿の木のある家』 - 素振り文武両道

                          皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【200】バットを振りました。 明日、10月26日(木)は「柿の日」だそうです。そこで、 壺井栄さんの『柿の木のある家』 の出だしだけを読みながら、 バットを振りました。 青空文庫より。 『柿の木のある家』壺井栄 フミエと洋一の家には、裏に大きな柿の木が一本あります。それは子どもの一かかえもあるほどりっぱな木でした。小さい木は幾本もありましたが、とびぬけて大きいのは一本だけです。柿のあたり年は、普通一年おきだということですが、この柿は毎年なるのでおじいさんが生きている時分にはじまんのたねでした。こんな柿は村に二本とないからです。その実の大きくてうまいことといったら、 《後略》 素振りは60本。 次の12行で【言って振り】ました。 5回ずつ繰り返しました。 フミエと洋一の家には、 大きな柿の木が一本あります。 子どもの一かかえもあるほど りっぱな木でした

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                          • 文豪スイング 小山清『犬の生活』 干支の動物にちなんだ文豪の文章 - 素振り文武両道

                            皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【200】バットを振りました。 干支にちなんだ動物文学を読みながら、バットマン振ってます。 今日は11番目の「犬」で、 『犬の生活』 青空文庫より。出だしだけ。 『犬の生活』小山清こやまきよし, 私はその犬を飼うことにした。「神様が私にあなたのもとへゆけと告げたのです。あなたに見放されたら、私は途方に暮れてしまいます。」とその眼が訴えているように思われたので。またその眼はこうも云いっているように思われた。「あなたはいつぞや石をぶつける子供達から、私を助けて下さったではないですか。」私には覚えのないことだが、しかし全然あり得ないことではない。 10行にして【言って振り】ました。 1行10回ずつ繰り返しました。 私はその犬を飼うことにした。 「神様が私にあなたのもとへ ゆけと告げたのです」 と眼が訴えている。 またその眼はこうもいっていた。 「あなたはいつ

                              文豪スイング 小山清『犬の生活』 干支の動物にちなんだ文豪の文章 - 素振り文武両道
                            • 文豪スイング 菊池寛『桶狭間合戦』風呂にあるモノ「桶」 - 素振り文武両道

                              皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 風呂にある代表的なものは、 桶、蛇口、手拭い、湯船。 今日は「桶」始まりの題名の 小説を読んで、バットを振りました。 青空文庫より引用、出だしだけ。 菊池寛。 『桶狭間合戦』 天文十八年三月のこと、相遠参三ヶ国の大名であった今川氏を始めとし四方の豪族に対抗して、尾張の国に織田氏あることを知らしめた信秀が年四十二をもって死んだ。信秀死する三年前に古渡こわたり城で元服して幼名吉法師を改めた三郎信長は、直ただちに父の跡を継いで上総介と号した。 これを8行にして、 【言ってバットを振り】ました。 1行5回ずつ繰り返しました。 40スイングです。 『桶狭間合戦』 天文十八年三月、 四方の豪族に対抗して、 尾張の国に織田氏あり、 と知らしめた信秀が死去。42歳。 三年前に幼名を改めた三郎信長は、 ただちに父信秀の跡を継いで 上総介と

                                文豪スイング 菊池寛『桶狭間合戦』風呂にあるモノ「桶」 - 素振り文武両道
                              • 文豪スイング 田山花袋『中秋の頃』出だしだけ - 素振り文武両道

                                皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 文豪、田山花袋さんの文章を読みながら、バットを振りました。 青空文庫より、 『中秋の頃』出だしだけ。 田山花袋。 芭蕉の葉が破れ始めた。これでも、秋がもう深くなつたことが思はれる。朝、目が覚めると虫の音がさびしく聞えてゐる。それが言ふに言はれない詩興を促がす。 これからは書ける時だなどと思ふ。その癖、毎年碌なものを書いたためしもなく過ぎて来た。二十五六年前に、『隅田川の秋』といふ作をした時のことなどが不思議に思ひ出されて来た。 素振りは次の10行にして、 バットを振りました。 1行3本ずつ【言って振り】30本。 芭蕉の葉が破れ始め、 秋が深くなった。 朝、目が覚め、 虫の音がさびしく聞え、 それが詩興を促がす。 これからは書ける時だ。 その癖毎年、碌なものを書いてない。 二十五六年前に『隅田川の秋』 という作をしたことな

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                                • 文豪スイング リルケ『白』 - 素振り文武両道

                                  皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【190】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読み、 バットを振ってます。 白色は前回のグリムに続き、 3回目ですが、 森鴎外の訳なので 気になっていました。 青空文庫より引用。 『白』 リルケ, 森鴎外訳 保険会社の役人テオドル・フィンクは汽車でウィインからリヴィエラへ立った。途中で旅行案内を調べて見ると、ヴェロナへ夜中に着いて、接続汽車を二時間待たなくてはならないということが分かった。一体気分が好くないのだから、こんなことを見付けて見れば、気はいよいよ塞いで来る。 8行にして、1行5回ずつ 【言ってバットを振り】ました。 保険会社役人テオドル・フィンク。 汽車でウィインからリヴィエラへ。 旅行案内を調べると、 ヴェロナへ夜中に着いて、 接続汽車を二時間待ち。 一体気分が好くないのだから、 こんなことを見付けて見れば、 気はいよいよ塞いで来る。

                                    文豪スイング リルケ『白』 - 素振り文武両道
                                  • 文豪スイング 片山廣子 『四つの市』 - 素振り文武両道

                                    皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 日本を大きく分けると、 北海道、本州、四国、九州です。 本日は「四」で始まるタイトルの 文学を読みながら、 バットを振りました。 青空文庫より引用。出だしだけ。 片山廣子, 『四つの市』 グレレゴリイ夫人の伝説によると、むかしゲエル人の先住民ダナ人らがアイルランドに渡つて来た時には、大ぞらの空気の中を通つて霧に乗つて来たさうである。ダナ人は北の方から来たと書いてあるが、その北の方に四つの都市があつた。まづ大きな市ファリアス、それから光りかがやくゴリアスとフィニアス、ずうつと南の方にムリアスがあつた。ダナ人はその四つの市から四つの宝を持つて来た。まづファリアスからはリア・フエールと名づけられた「運命の石」。ゴリアスからは一本の剣。フィニアスからは「勝利の槍」。ムリアスからは大きな鍋、その鍋があれば、いかほど大勢の人数にも充

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                                    • 文豪スイング シャーロック・ホームズ『橙の種5粒』 - 素振り文武両道

                                      皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【130】バットを振りました。 虹の色は、赤、橙、黄、、など 7つありますが、 色にちなんだ文豪の作品を読み、 バットを振ってます。 今日は「だいだい(橙)色」 青空文庫より引用。出だしだけ。 『橙(オレンジ)の種五粒』 "THE FIVE ORANGE PIPS" アーサー・コナン・ドイル 加藤朝鳥訳、大久保ゆう改訳 さて、八二年から九〇年にわたるシャーロック・ホームズの事件記録を瞥見してみると、面妖で面白いものが続々と現れるため、どれを取捨したものか難儀なものである。とはいえ、なかには既に新聞を通じ世に知られたものもあれば、我が友の有する高度な特技の出る幕なく本連載でわざわざ語るまでもないものもある。またその分析力が挫かれ物語としても尻切れになりかねないものや、一方で全容が明らかならずその説明も友人の好む曇りない論理の決め手というより揣摩憶測にしか

                                        文豪スイング シャーロック・ホームズ『橙の種5粒』 - 素振り文武両道
                                      • 文豪スイング 藍色編 田中貢太郎『藍微塵の衣服 - 素振り文武両道

                                        皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読みながら、 バットを振ってます。 今日は藍色です。 田中貢太郎の 『藍微塵の衣服』の出だしです。 これは怪談なので、お化けが出てくる前でストップしました。 青空文庫より 田中貢太郎『藍微塵の衣服』 これは東京の芝区にあった話である。芝区の某町に質屋があって、そこの女房が五歳か六歳になる女の子を残して病死したので、所天(ていしゅ)は後妻を貰った。 後妻と云うのは、気質の従順な、何時いつも愉快そうな顔をしている女で、継子ままこに対しても真の母親のような愛情を見せたので、継子も非常に懐なついて、所天も安心することができた。 10行にして、1行4回ずつ繰り返し 【言って振り】ました。 東京の芝区に質屋があり、 その女房が五、六歳になる 女の子を残して病死した。 所天(亭主)は後妻を貰った。 後妻は、気質の従順

                                          文豪スイング 藍色編 田中貢太郎『藍微塵の衣服 - 素振り文武両道
                                        • 文豪スイング 野村胡堂『九つの鍵』 - 素振り文武両道

                                          皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 日本を大きく分けると、 北海道、本州、四国、九州です。 本日は「九」で始まるタイトルの 小説を読みながら、 バットを振りました。 青空文庫より引用。 野村胡堂, 『九つの鍵』 「今晩はまったくすばらしかったよ。愛ちゃんが、あんなにピアノがうまいとは夢にも思わなかったぜ。練習しているのを聴くと、ピアノというものは、うるさい楽器だからな」 「まア、お兄さん、それじゃ褒ほめているんだか、くさしているんだか、わからないじゃありませんか」 狩屋かりや三郎と妹の愛子は、日比谷音楽堂の帰り、まだおさまらぬ興奮を追って、電車にも乗らずに、番町の住居すまいまで、歩いて帰るところでした。 10行にしてバットスイング。 1行【言って1振り】を、 3回ずつ繰り返しました。 女性のセリフはちょっとだけ 高い声を出しましたが、 淡谷紀子さんみたいに

                                            文豪スイング 野村胡堂『九つの鍵』 - 素振り文武両道
                                          • 文豪スイング トルストイ『イワンの馬鹿」 - 素振り文武両道

                                            皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【180】バットを振りました。 トルストイ『イワンの馬鹿』を読みながらバットを振りました。 青空文庫より引用。 菊池寛訳 むかしある国の田舎にお金持の百姓が住んでいました。百姓には兵隊のシモン、ふとっちょのタラスに馬鹿のイワンという三人の息子と、つんぼでおしのマルタという娘がありました。兵隊のシモンは王様の家来になって戦争に行きました。肥満ふとっちょのタラスは町へ出て商人になりました。馬鹿のイワンと妹のマルタは、家に残って背中がまがるほどせい出して働きました。 10行にしました。 1行ずつ【言って振り】ました。 1行を10回繰り返しました。 ある田舎に金持の百姓がいた。 百姓には兵隊のシモン、 ふとっちょのタラス、 馬鹿のイワンの三人息子と、 マルタという娘があった。 兵隊のシモンは戦争に行き、 ふとっちょのタラスは商人になり、 馬鹿のイワンと妹のマル

                                              文豪スイング トルストイ『イワンの馬鹿」 - 素振り文武両道
                                            • 文豪スイング 宮本百合子『茶色っぽい町』 - 素振り文武両道

                                              皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【180】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読みながら、 バットを振っています。 今日は茶色です。 青空文庫より引用。 宮本百合子, 『茶色っぽい町』出だしだけ。 小石川――目白台へ住むようになってから、自然近いので山伏町、神楽坂などへ夜散歩に出かけることが多くなった。元、椿山荘のあった前の通りをずっと、講釈場裏の坂へおり、江戸川橋を彼方に渡って山伏町の通りに出る。そして近頃、その通りのつき当りに、何という医者だったか屋根の上へ、大万燈のように仰山な電飾(イルミネーション)広告をつけたのを遙か中空に見上げながら、だらだら坂をのぼって左、神楽坂へ行く。時には、神田辺へ行った帰り、廻って逆に音羽通を戻って来ることなどもある。――本郷辺にいると神楽坂は全く縁遠い場所だ。 10行にして、バットを振りました。 1行につき3回ずつ繰り返し、 【言って振り】ま

                                                文豪スイング 宮本百合子『茶色っぽい町』 - 素振り文武両道
                                              • 文豪スイング『銀河鉄道の夜』出だしだけ - 素振り文武両道

                                                皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【170】バットを振りました。 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の出だしを読みながらバットを振りました。 青空文庫より引用。 一、午后の授業 「ではみなさんは、そういうふうに川だと云いわれたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」先生は、黒板に吊つるした大きな黒い星座の図の、上から下へ白くけぶった銀河帯のようなところを指さしながら、みんなに問といをかけました。 カムパネルラが手をあげました。それから四五人手をあげました。ジョバンニも手をあげようとして、急いでそのままやめました。 10行にしました。 1行ずつ【言って振り】ました。 1行を5回繰り返し、50振りでした。 「ではみなさんは、 川だと云いわれたり、 乳の流れたあとだと云われた このぼんやりと白いものが ほんとうは何かご承知ですか。」 先生は、星座の

                                                  文豪スイング『銀河鉄道の夜』出だしだけ - 素振り文武両道
                                                • 文豪スイング 森鴎外『蛇』 - 素振り文武両道

                                                  皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 風呂にある代表的なものは、 桶、蛇口、手拭い、湯船。 今日は「蛇」始まりの題名の 小説を読んで、バットを振りました。 青空文庫より引用、出だしだけ。 森鴎外。 『蛇』 明け易い夏の夜に、なんだってこんなそうぞうしい家に泊り合わせたことかと思って、己はうるさく頬のあたりに飛んで来る蚊を逐いながら、二間の縁側から、せせこましく石を据えて、いろいろな木を植え込んである奥の小庭を、ぼんやり眺めている。 8行にして、 【読んでバットを振り】ました。 5回ずつ繰り返し40振りでした。 夏の夜にこんなそうぞうしい家に 泊り合わせたことかと思って、 おれは、頬に飛んで来る 蚊をおいながら、 二間の縁側から、 せせこましく石を据えて いろいろな木を植え込んである、 奥の小庭をぼんやり眺めている。 ということで、 蛇はまだ登場してませんが、

                                                    文豪スイング 森鴎外『蛇』 - 素振り文武両道
                                                  • 文豪スイング 小川未明『黄色い晩』 - 素振り文武両道

                                                    皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【170】バットを振りました。 黄色にちなんだ小説で バットを振りました。 青空文庫より引用。 小川未明『黄色い晩』 垣根の楓かえでが芽を萌ふく頃だ。彼方あちらの往来で――杉林の下の薄暗い中で子供等らが隠れ事をしている。きゃっきゃっという声が重い頭に響く。北から西にかけて空は一面に黄色く――真黒な雲がその上に掩おおい被かぶさって、黄色な空をだんだんに押しつけて、下に沈ませているようだ。刻々に黄色な空が減じて終しまいには一直線となって、はっきりと地平線から此方こちらを覗き込んでいる。それが厭らしい細長い眼付で笑っているように思われた。 悪寒わるさむい風が北方の海から吹いて来る。煤すすけた障子を閉めて灰色の壁に向った周蔵は、頭を手拭てぬぐいで鉢巻して、床の上に起上って考え込んでいた。 12行にしました。 1行5回ずつ繰り返し【言って振り】ました。60振りで

                                                      文豪スイング 小川未明『黄色い晩』 - 素振り文武両道
                                                    • 文豪スイング 泉 鏡花 『湯女の塊』 - 素振り文武両道

                                                      皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 風呂にある代表的なものは、 桶、蛇口、手拭い、湯船。 今日は「湯」始まりの題名の 小説を読み、バットを振りました。 青空文庫より引用、出だしだけ。 泉鏡花『湯女の魂』 誠に差出がましく恐入りますが、しばらく御清聴を煩わしまする。 八宗の中にも真言宗には、秘密の法だの、九字くじを切るだのと申しまして、不思議なことをするのでありますが、もっともこの宗門の出家方は、始めから寒垢離かんごり、断食など種々さまざまな方法で法を修しゅするのでございまして、向うに目指す品物を置いて、これに向って呪文じゅもんを唱え、印を結んで、錬磨の功を積むのだそうでありまする。 10行にして、 【読んでバットを振り】ました。 3回ずつ繰り返し30振りでした。 泉鏡花『湯女の魂』 真言宗には、秘密の法だの、 九字を切るだのと、 不思議なことをするが、 こ

                                                        文豪スイング 泉 鏡花 『湯女の塊』 - 素振り文武両道
                                                      • 文豪スイング 松尾芭蕉 『奥の細道』出だしだけ - 素振り文武両道

                                                        皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 もう間もなく、10月12日ですが、松尾芭蕉さんの亡くなられた日だそうで、 『奥の細道』の出だしだけ読みながら、バットを振りました。 『奥の細道』出だしだけ。WIKIBOOKSより引用。 月日(つきひ)は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行(ゆ)きかふ年もまた旅人(たびびと)なり。 舟(ふね)の上(うえ)に生涯(しょうがい)を浮かべ(うかべ)、馬の口(うまのくち)とらえて老(おい)をむかふるものは、日々(ひび)旅(たび)にして旅(たび)をすみかとす。 古人(こじん)も多く旅(たび)に死(し)せるあり。 次のように8つの文に分けて【言って】バットを【振り】ました。 5回ずつ繰り返し、8×5で40振りです。 ①月日(つきひ)は百代(はくたい)の 過客(かかく)にして、 ②行(ゆ)きかふ年もまた 旅人(たびびと)なり。 ③

                                                          文豪スイング 松尾芭蕉 『奥の細道』出だしだけ - 素振り文武両道
                                                        • 文豪スイング 小林一三『東京宝塚劇場の再開に憶う』東京の宝塚の歴史です。 - 素振り文武両道

                                                          皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【140】バットを振りました。 痛ましい事件が関西でありましたが、昭和30年、東京の宝塚劇場が アメリカから戻った時の、 創始者の文献がありましたので、 読みながらバットを振りました。 青空文庫より。 『東京宝塚劇場の再開に憶う』 小林一三, 私は、関西で創立した宝塚歌劇を、何んとか東都に進出させ度いとかんがえて東京の市村座・歌舞伎座・新橋演舞場・帝国劇場等に出演させて、その様子を見て居りましたところ、充分成功する見透しがついたので、昭和七年、今の東宝株式会社の前身、株式会社東京宝塚劇場を設立し、日比谷の一角に、宝塚歌劇が常打できる東京宝塚劇場の建設にかかったのであります。 とのことで、続きをかいつまんで、10行にしました。 1行3回ずつ繰り返し 【言って振り】ました。 昭和8年竣成、9年開場。 戦争のため昭和19年に休場。 昭和20年進駐軍に接収され

                                                            文豪スイング 小林一三『東京宝塚劇場の再開に憶う』東京の宝塚の歴史です。 - 素振り文武両道
                                                          • 文豪スイング 出だしだけ『雨あがる』山本周五郎 - 素振り文武両道

                                                            皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 文豪の作品の出だしを言いながら、バットを振るシリーズです。 皆さまにおかれましては、今日の天気は どうだったでしょうか。 兵庫県南東部は雨と雷でした。 今は雨はあがってます。 ということもあり、 山本周五郎さんの 『雨あがる』 の出だしを読みながら、 バットを振りました。 青空文庫より。 『雨あがる』 山本周五郎, もういちど悲鳴のような声をあげて、それから女の喚きだすのが聞えた。 ――またあの女だ。 三沢伊兵衛は寝ころんだまま、気づかわしそうにうす眼をあけて妻を見た。おたよは縫い物を続けていた。古あわせを解いて張ったのを、単衣に直しているのである。 次のように10行箇条書きにしました。 そして1行につき【言って振り】を3回ずつ繰り返しました。 もういちど悲鳴のような声をあげて、それから女の喚きだすのが聞えた。 ――また

                                                              文豪スイング 出だしだけ『雨あがる』山本周五郎 - 素振り文武両道
                                                            • 文豪スイング 豊島与志雄『紫の壜』 - 素振り文武両道

                                                              皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【200】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読みながら、 バットを振ってます。 今日は紫色ということで、 『紫の壜』 推理小説っぽいですが、そうなのか、どうか分かりません。 青空文庫より。出だしだけ。 豊島与志雄, 『紫の壜』 検察当局は私を、殺人罪もしくは自殺幇助罪に問おうとしている。私は自白を強いられている。だが、身に覚えないことを告白するのは、嘘をつくことだ。この期に及んで嘘をつきたくはない。軍隊生活では平然と嘘をつくことを教えられてきた。それを清算したい意味もあるのだ。私は真実だけを語りたい。 8行にして、1行5回ずつ繰り返し、 【言って振り】ました。 検察は私を殺人か自殺幇助に、 問おうとしている。 私は自白を強いられている。 だが身に覚えのないことの告白は、 嘘をつくことだ。 嘘はつきたくはない。 軍隊では嘘をつくことを教わった。 が

                                                                文豪スイング 豊島与志雄『紫の壜』 - 素振り文武両道
                                                              • 文豪・谷崎潤一郎も通った…老舗の語学学校でストライキ 東京・お茶の水「アテネ・フランセ」 その余波は?:東京新聞 TOKYO Web

                                                                文豪・谷崎潤一郎も通った…老舗の語学学校でストライキ 東京・お茶の水「アテネ・フランセ」 その余波は? 東京・お茶の水にある老舗語学学校「アテネ・フランセ」のフランス人講師が24日、授業をせずストライキした。1913年創立の同校には作家の坂口安吾や谷崎潤一郎ら文化人も多く通い、官庁の語学教育も請け負ってきた。騒動の背景とは。どんな余波が及びうるのか。(宮畑譲)

                                                                  文豪・谷崎潤一郎も通った…老舗の語学学校でストライキ 東京・お茶の水「アテネ・フランセ」 その余波は?:東京新聞 TOKYO Web
                                                                • 文豪スイング 新美南吉『手袋を買いに』 - 素振り文武両道

                                                                  皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 風呂にある代表的なものは、 桶、蛇口、手拭い、湯船。 今日は「手」始まりの題名の 小説を読み、バットを振りました。 青空文庫より引用、出だしだけ。 新美南吉, 『手袋を買いに』 寒い冬が北方から、狐の親子の棲んでいる森へもやって来ました。 ある朝洞穴から子供の狐が出ようとしましたが、 「あっ」と叫んで眼を抑さえながら母さん狐のところへころげて来ました。 「母ちゃん、眼に何か刺さった、ぬいて頂戴早く早く」と言いました。 母さん狐がびっくりして、あわてふためきながら、眼を抑えている子供の手を恐る恐るとりのけて見ましたが、何も刺さってはいませんでした。 8行にして、 【読んでバットを振り】ました。 5回ずつ繰り返し40振りでした。 寒い冬がやって来た。 洞穴から子狐が出ようした。 「あっ」と叫んで眼を抑さえ、 母狐のところへ来

                                                                    文豪スイング 新美南吉『手袋を買いに』 - 素振り文武両道
                                                                  • 文豪スイング 豊島与志雄, 『銀の笛と金の毛皮』干支にちなんだ文学、羊編 - 素振り文武両道

                                                                    皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【130】バットを振りました。 干支にちなんだ文章を読みながら、バットを振ってます。 今日は未年の羊です。 青空文庫より、出だしだけ。 『銀の笛と金の毛皮』 豊島与志雄, むかし、あるところに、エキモスという羊飼いの少年がいました。父も母もないみなし児で、毎日、羊のむれの番をしてくらしていました。 青々とした野原に、羊たちはたのしくあそんでいます。野の花のあいだに、うつくしい蝶がとびまわっています。木立こだちのなかや空たかくに、いろんな鳥がさえずっています。日がうららかにてっています。 エキモスは草の上にねころんで、歌をうたいました。口笛をふきました。草の葉でいろいろな笛をこしらえました。葦あしの茎くきでも笛をこしらえました。 ――自分も、あの小鳥のようにうたいたい。けれども、いくらうたっても、笛をふいても、小鳥にはおよびませんでした。 10行にしまし

                                                                      文豪スイング 豊島与志雄, 『銀の笛と金の毛皮』干支にちなんだ文学、羊編 - 素振り文武両道
                                                                    • 文豪スイング 小泉八雲『耳なし芳一の話』 - 素振り文武両道

                                                                      ⁡皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 夏の風物詩の怪談でバットを振りました。 青空文庫より。 『耳無芳一の話』 小泉八雲 戸川明三訳 七百年以上も昔の事、下ノ関海峡の壇ノ浦で、平家すなわち平族と、源氏すなわち源族との間の、永い争いの最後の戦闘が戦われた。この壇ノ浦で平家は、その一族の婦人子供ならびにその幼帝――今日安徳天皇として記憶されている――と共に、まったく滅亡した。そうしてその海と浜辺とは七百年間その怨霊に祟られていた……他の個処で私はそこに居る平家蟹という不思議な蟹の事を読者諸君に語った事があるが、それはその背中が人間の顔になっており、平家の武者の魂であると云われているのである。 12行にしました。そして【言って振り】ました。5回ずつ繰り返し、60本の素振りとなりました。 七百年以上も昔、 下ノ関海峡の壇ノ浦で、 平家と源氏の最後の戦闘があった。

                                                                        文豪スイング 小泉八雲『耳なし芳一の話』 - 素振り文武両道
                                                                      • 文豪スイング 太宰治『津軽』 - 素振り文武両道

                                                                        皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 文豪の文章を読みながら、バットを振りました。 青空文庫より、出だしだけ。 『津軽』太宰治 或るとしの春、私は、生れてはじめて本州北端、津軽半島を凡そ三週間ほどかかつて一周したのであるが、それは、私の三十幾年の生涯に於いて、かなり重要な事件の一つであつた。私は津軽に生れ、さうして二十年間、津軽に於いて育ちながら、金木、五所川原、青森、弘前、浅虫、大鰐、それだけの町を見ただけで、その他の町村に就いては少しも知るところが無かつたのである。 次の12行にして、1行5回ずつ繰り返し【言って振り】ました。 なので60の素振りでした。 ある年の春、私は生れてはじめて、 本州北端、津軽半島を 凡そ三週間ほどかかつて 一周したのであるが、 私の三十幾年の生涯で、 かなり重要な事件の一つであつた。 私は津軽に生れ、二十年間、 津軽に於いて育

                                                                          文豪スイング 太宰治『津軽』 - 素振り文武両道
                                                                        • 文豪スイング 久米正雄『熊』出だしだけ - 素振り文武両道

                                                                          皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 熊に出くわしたことはないですが、早く冬眠して欲しいです。 久米正雄さんの『熊』を読みながらバットを振りました。出だしだけです。 青空文庫より。 『熊』 久米正雄, 北海道で生れた私の友達が、或日私の近所の子供たちの前でこういう熊の話をして行きました。 一 熊といいますと、いうまでもなく恐しい猛獣ですが、熊だって何も好き好んで人を殺すのではありません。人が熊を恐しがるように、矢張熊の方でも人が恐いのです。そして人が来るのを知れば、熊の方で先まず逃げてくれるのです。けれども両方がふいに出合うか、どうしても顔を合せる外ほか仕方のないような路みちででも出合うと、熊も絶体絶命になって、激しく襲い掛るのです。 12行にして、1行を5回ずつ、【言って振り】ました。 熊といいますと恐しい猛獣ですが、 熊だって好き好んで 人を殺すのではあ

                                                                            文豪スイング 久米正雄『熊』出だしだけ - 素振り文武両道
                                                                          • 文豪スイング 江戸川乱歩『黒蜥蜴』 - 素振り文武両道

                                                                            皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読みながら、 バットを振っています。 今日は「黒」色の2回目。 『黒トカゲ』の出だしです。 青空文庫より。 江戸川乱歩,『黒蜥蜴』出だしだけ。 この国でも一夜に数千羽の七面鳥がしめられるという、あるクリスマス・イヴの出来事だ。 帝都最大の殷賑地帯、ネオン・ライトの闇夜の虹が、幾万の通行者を五色にそめるG街、その表通りを一歩裏へ入ると、そこにこの都の暗黒街が横たわっている。 6行にしました。1行5回ずつ 【言ってバットを振り】ました あるクリスマス・イヴの出来事。 帝都最大の殷賑(いんしん)地帯、 ネオン・ライトの闇夜の虹が、 幾万の通行者を五色にそめるG街、 表通りを一歩裏へ入ると、 暗黒街が横たわっている。 コトバンクより引用, いん‐しん【殷賑】 〘名〙 (形動)非常ににぎやかで活気に満ちていること

                                                                              文豪スイング 江戸川乱歩『黒蜥蜴』 - 素振り文武両道
                                                                            • 文豪スイング 宮沢賢治 『或る農学生の日誌』出だしだけ - 素振り文武両道

                                                                              皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【130】バットを振りました。 今日、と言っても9/21は、 宮沢賢治さんの命日とのこと。 ちょうど90年です。 ということで『或る農学生の日誌』 を読みながらバットを振りました。 出だしだけです。 青空文庫より。 『或る農学生の日誌』 宮沢賢治 序 ぼくは農学校の三年生になったときから今日まで三年の間のぼくの日誌を公開する。どうせぼくは字も文章も下手だ。ぼくと同じように本気に仕事にかかった人でなかったらこんなもの実に厭な面白くもないものにちがいない。いまぼくが読み返かえしてみてさえ実に意気地なく野蛮なような気のするところがたくさんあるのだ。 とスタートで、日誌が公開されて行くというわけです。 10行の箇条書きにして、 1行5回ずつ【言って振り】ました。 農学校の三年生になったときから、 今日まで三年の間の ぼくの日誌を公開する。 どうせぼくは字も文章

                                                                                文豪スイング 宮沢賢治 『或る農学生の日誌』出だしだけ - 素振り文武両道
                                                                              • 文豪スイング オー・ヘンリー『賢者の贈り物』出だしだけ - 素振り文武両道

                                                                                皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【200】バットを振りました。 文豪の作品の出だしを言いながら、バットを振るシリーズです。 青空文庫より引用。 『賢者の贈り物』 オー・ヘンリー 作 結城 浩 訳 1ドル87セント。それで全部。しかもそのうち60セントは小銭でした。 小銭は一回の買い物につき一枚か二枚づつ浮かせたものです。乾物屋や八百 屋や肉屋に無理矢理まけさせたので、しまいに、こんなに値切るなんてとい う無言の非難で頬が赤くなるほどでした。デラは三回数えてみました。でも やっぱり1ドル87セント。明日はクリスマスだというのに。 10行にして【言って振り】ました。 10回ずつ繰り返し。 10×10=100で、100本の素振りでした。 1ドル87セントで全部。 しかも60セントは小銭。 小銭は一回の買い物につき、 一枚か二枚づつ浮かせたもの。 乾物屋や八百屋や肉屋に、 無理矢理まけさせた

                                                                                  文豪スイング オー・ヘンリー『賢者の贈り物』出だしだけ - 素振り文武両道
                                                                                • 文豪スイング エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人事件』 - 素振り文武両道

                                                                                  皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【170】バットを振りました。 10月7日は「ミステリー記念日」で、 エドガー・アラン・ポーさんの亡くなられた日だそうです。 ということで、 『モルグ街の殺人事件』を読みながらバットを振りました。 『モルグ街の殺人事件』途中から, エドガー・アラン・ポー 佐々木直次郎訳 一八――年の春から夏にかけてパリに住んでいたとき、私はC・オーギュスト・デュパン氏という人と知合いになった。この若い紳士は良家の――実際に名家の出であったがいろいろ不運な出来事のために貧乏になり、そのために気力もくじけて、世間に出て活動したり、財産を挽回ばんかいしようとする元気もなくしてしまった。それでも、債権者たちの好意で、親ゆずりの財産の残りがまだ少しあったので、それから上がる収入でひどい節約をしながらどうかこうか生活の必需品を手に入れ、余分なもののことなど思いもしなかった。唯一の

                                                                                    文豪スイング エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人事件』 - 素振り文武両道