ラーメンこの響き。この匂い 幾度感じた事か。 何度聞いても飽きない。 この言葉が浮かぶと、 今まで他の食べ物を 考えていたのが 瞬間に頭の中がラーメンに 入れ替わってしまう。 薄こげ茶色の汁(つゆ)に 浮かぶチャーシュー、 玉子、野菜、たちの家来を 従えて(家来は時々変わる けど、)どっしりと中央に 麺が鎮座する。 更に空間に味を含んだ匂いを 投げかけてくれる。 戦いの準備は整った。 さあ、来い、 わたしに、うまい味で私に 戦いを挑んでいる。 私も大きな口でラーメンを 啜り込むと僕は味の呪縛に 引き込まれて、広いクモの糸に 掛かった虫の様に、ラーメンの味と、 匂いのしている蜘蛛の糸に 絡め採られてしまった。 美味しいと思ったら負けなのだ。 食べ勝って「味は大した ことはない」と言いたい。 それを許さない麺がいる。 独特の風味と深いコク、 そんな魅惑の世界への扉に 一掃引きずり込んでいく。