90年代後半、角松敏生が手がけたヴォーカリスト・プロデュース・プロジェクト『VOCALAND』が、『VOCALAND REBIRTH Extended Mix by TOSHIKI KADOMATSU』として甦った。70年代後半から80年代前半のアメリカの歌モノが大好きな人なら(筆者もそのひとり)、グルーヴィーでスムーズでファンキーな極上サウンドに、「Yeah!」と何度も叫びたくなるはず。「眠っていたマルチはさながら博物館なんです」としみじみと語るご本人。その言葉の奥には、長い時間をかけて何層にも織り重ねられてきた音楽への譲れない思いが息づいていた。 『VOCALAND』が作られた時代の空気とは……? ──まず、音圧に驚きました。シンセでも実機の音、そして、マルチテープで録った音が元になっていると、こんなに太いのだなと。 角松 そうきましたか(笑)。あの時代の音ですよね。 ──そもそも19