去る11月、ステージ4のすい臓がんを患っていることを明かした元韓国代表MFユ・サンチョル。現役時代には横浜F・マリノスや柏レイソルでもプレーし、現在は仁川ユナイテッドを指揮している往年の名MFによる衝撃の告白は日本でも大きく報じられたが、韓国ではどのように受け止められているのか。現地で長く取材活動を続けてきたキム・ドンヒョン氏が時系列を追いながら、「英雄」へのあふれる想いを綴った。 1カ月前からあった「違和感」 秋が深まる10月19日、私はKリーグ1第34節城南対仁川の取材へ向かっていた。Kリーグ1では、同節から所属する12チームが第33節時点の上位6チームと下位6チームに分かれ、各6チームが総当たりで戦うプレーオフに突入。5試合が残る中、勝ち点1を獲得すれば残留が決まる城南に対し、熾烈な残留争いに巻き込まれている仁川には絶対に勝ち点3が必要だった。 他のリーグではあまり見られない習慣かも