県水産試験場で養殖し体長25センチほどに成長したナマズ。今春にはイケチョウガイ幼生の寄生魚として使われる(彦根市・県水産試験場) 生産低迷が続く琵琶湖産淡水真珠。その救世主はナマズ?―昭和後期に国内外で人気を博したものの、現在は年間生産量20キロほどにとどまる湖産真珠。復活の鍵は母貝の安定供給とみる滋賀県水産試験場(彦根市)は昨春から真珠養殖業者と協力し、母貝育成に不可欠な寄生魚としてナマズを活用する実証実験に取り組んでいる。水温変化に強く飼育しやすいため、業者からは「母貝の生産量が増える見込み」と好評といい、同試験場は手応えを感じている。 真珠層が厚く輝きの良さが魅力の湖産真珠。県水産課によると、最盛期の1970年ごろは年6千キロ以上生産し、80年には生産額41億円に達した湖産真珠は、水質悪化による母貝の生育不良や安価な中国産の台頭が原因で80年代後半から激減。2012年には11キロまで