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版元ドットコムの検索結果1 - 23 件 / 23件

タグ検索の該当結果が少ないため、タイトル検索結果を表示しています。

版元ドットコムに関するエントリは23件あります。 出版book などが関連タグです。 人気エントリには 『生きる力が湧いてくる (rnpress 野口 理恵) | 版元ドットコム』などがあります。
  • 生きる力が湧いてくる (rnpress 野口 理恵) | 版元ドットコム

    株式会社rn pressは2023年で設立3年目になる。社員は私一人だ。アルバイトもいない。今回初めて版元日誌を依頼されたので自己紹介をしたいと思う。とはいえ、明るく楽しく自社を紹介したいところだが、なぜ私がいまの仕事を始めたかを語るにはどうしても生い立ちが深く関係していて、せっかくの機会なので自分のことを少し話そうと思う。42歳の若輩者の戯言だと思って、ぜひご一読いただきたい。 *     *     * 私は母と兄を自死で亡くしている。父も十代で他界し、祖父母はもういない。一度結婚をして息子がいるが親権は離婚した元夫がもっている。私はおそらく多くの人がもつ家族観をもっていない。おそらくこれからももつことはできない。小説やドラマに出てくるような家族像は、私にとってはドラマや小説のなかの話だ。ほんのわずかな記憶から血縁への強い憧れはあるのに、それが自分ではうまくつくれないことにいつも不甲斐

    • Amazonへ目次情報の表示停止について申し入れを送りました | 版元ドットコム

      アマゾンジャパン合同会社 メディア事業本部 Amy Worth様 歳末あわただしいなか、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 私たち「版元ドットコム」は381社の会員出版社が自身の出版物の書誌情報を発信し、流通させることに取り組んでいる団体です。 先般、貴社において書誌情報の取り扱いと表示について重大な変更がされ、懸念をお伝えしたくご連絡申し上げました。 具体的には、書籍の目次情報の表示停止についてです。 以下は、本年7月初旬に貴社が一部の取引先あてに告知された以下の内容です。 — 引用はじめ — 商品情報ページの「目次」掲載に関するお知らせ新規 2020年7月20日以降順次、Amazon.co.jpにおける、書籍(本・コミック・雑誌)の商品情報ページの目次ページの掲載を停止いたします。同日以降順次、Amazon.co.jp上での、書籍の商品情報ページ上における「目次を見る」のリンク

      • 版元ドットコムとopenBDプロジェクトは“だれもが自由に使える書誌・書影”を再び提供するためホワイトリスト作成という正攻法に出た | HON.jp News Blog

        《この記事は約 21 分で読めます(1分で600字計算)》 一般社団法人版元ドットコムとopenBDプロジェクト(版元ドットコムと株式会社カーリル)は3月29日、版元ドットコム会員社以外の出版社に対し、書誌・書影の読者(第三者)などへの利用承諾を求める取り組みの開始を発表しました。そもそもなぜそのような取り組みが必要なのでしょうか? 本稿ではその背景や経緯などについて、関係者への取材などを踏まえた上で詳しく解説します。 お断り:アマゾンジャパンには、HON.jpの法人会員として事業活動を賛助いただいています。しかし、本稿の記述は筆者の自由意志であり、対価を伴ったものではありませんし忖度もしていません。また、本稿では論点を絞るため、話をおおむね「書影」に絞ります。以下、常体で記述します。 そもそもなぜ書影の利用許諾が必要なのか? オンラインショッピングなどで用いられる商品画像――本の場合、そ

          版元ドットコムとopenBDプロジェクトは“だれもが自由に使える書誌・書影”を再び提供するためホワイトリスト作成という正攻法に出た | HON.jp News Blog
        • 書籍が総額表示にできない3つの理由 (太郎次郎社エディタス 須田 正晴) | 版元ドットコム

          先日、書店で見た光景。 レジで初老の男性客が、多量の本を買って精算を待っている。手持ちぶさたに、書店員に話しかける。 「本は総額表示じゃないんだね。」 書店員は、「ええ、まあ」と口をにごしている。 気持ちはわかる。下手な受け答えをして、お得意さんの機嫌を損ねたくはないし、「なんで、版元の表示の都合に私が言いわけしなくちゃならないんだ」という気分もあるだろう。でも、ちゃんと答えてほしいとおもう。本には、総額表示にできない理由があるのだから。 もとより、「総額表示義務化」はこれからの消費税増税に向けて痛税感を緩和するためにおこなわれた。「価格表示に混乱がある」「レジでわかりにくい」などという、絶無とまではいかないまでも、普遍性も切実性もない理由がつけられているが、そこに正当性はない。 私が小出版社の営業として見聞した範囲から言うと、この正当性のない理由づけに諾々と従えば、書籍流通、とりわけ既刊

          • 社会人のふりをするために固定費3万9千円で始めた「ひとり出版」のいま (学而図書 笠原 正大) | 版元ドットコム

            はじめまして、学而図書(がくじとしょ)の笠原と申します。法人化していないので「出版社」と言えないことが残念ですが、2021年4月に個人事業として学而図書を立ち上げ、以来、ひとりで出版業を営んできました。横浜の妙蓮寺という駅にあるシェアオフィスの一室(広さ2.5㎡)で、今日もささやかに活動しています。 ずっと愛読してきた版元日誌に、こうして自分も寄稿できて光栄です。この次の順番が回ってくるまで生き残っている自信がありませんので、この機会に、私が出版の世界に飛び込んだ経緯をお話しさせてください。あまり胸を張ってお伝えできない部分も、包み隠さず書き残しておきたいと思います。 学而図書は、身体を壊して社会からドロップアウトした私が、全ての責務を放り出し、ただ一つ、どうしても形にしたかった私家版を制作するためだけに設立された事業です。この事情から、経費の削減を最重視した設計になっており、創業当初の固

            • 版元ドットコムとopenBDプロジェクトは、出版社に、書誌・書影の読者(第三者)などへの利用承諾をお願いするサイトコーナーを公開しました | 版元ドットコム

              • あの日・あの時のWebページがそこにある理由 (ボイジャー 鎌田 純子) | 版元ドットコム

                電子書籍といえば、みなさん、EPUBファイルを制作して、アマゾンや紀伊國屋書店などのオンライン書店で販売するもの、とわかっていらっしゃるでしょう。でもそのEPUBが日本語対応したのは2011年のことで、とても日が浅いのです。またオンライン書店で売るためには書誌情報が重要だ、ということも理解されていると思います。そしてほとんどの出版社で自社のWebページを作り、書籍のPRをなさっていると思います。 でも、これは10年か20年の間にあたり前になってきたものです。いつの間にか、私たちの社会に入ってきたものなのです。 私が運営する株式会社ボイジャーは電子書籍リーダー開発と電子出版を生業としています。私たちも電子書籍データを末長く、販売するためにずいぶんと荒波に翻弄されてきました。 自社のWebページもそうです。常にサービスの情報を書き換え、スマホが登場したあとはレスポンシブという概念を取り入れ、う

                • 共著で注意すべき10のポイント (パブリブ 濱崎 誉史朗) | 版元ドットコム

                  執筆依頼を送ると「一人じゃ書けないけど、知り合いにも一緒に書いてもらったらできるかも」という返事を頂く事があります。要するに「単著」ではなく、「共著」という事です。しかし共著は単著に比べてデメリットが多く、完成に至らないまま中止・自然消滅に至ることがかなり多く、基本的にはお断りしています。 もちろん世の中には執筆者それぞれの、当人にしか知り得ない専門性を活かした、論文を集めた本もあります。良い論文でも短いと、複数集めて本にする以外にないという事もあります。しかしこの様な論文集も完成に至るまでには、編者や編集者が多大な苦労を強いられている事はあまり知られていません。 そこで今回はなぜ共著が単著より難しく、デメリットが多いのかを説明したいと思います。安易な気持ちで共著にはしない方が良いと思いますが、もしどうしてもそうなってしまった場合、以下に述べる点を前もって気に留めて頂ければ幸いです。 ・当

                  • デカルトはそんなこと言ってない ドゥニ・カンブシュネル(著/文) - 晶文社 | 版元ドットコム

                    紹介 〈我思う、故に我在り〉はかくも誤解されてきた! 「〈我思う、故に我在り〉は大発見」「人間の身体は単なる機械」「動物には何をしたっていい」……ぜんぶ誤解だった! 世界的権威が21の「誤解」を提示、デカルトにかけられた嫌疑をひとつひとつ晴らしていく。 「近代哲学の父」「合理主義哲学の祖」などと持ち上げられながら、その実デカルトほど誤解されている哲学者はいない。それでよいのか? 見かねて立ち上がったデカルト研究の世界的権威が、私たちの誤解に逐一反駁を加えながら、デカルト本来の鋭く豊かな思考を再構成する。デカルトが言ってたのはこういうことだったのか! 硬直したデカルト像を一変させるスリリングな哲学入門。 目次 凡例 日本語版への序文 はじめに 1.学校で教わることはどれも役に立たない 2.感覚は私たちを欺く 3.明晰判明でなければ決して真ではない 4.方法の規則は少ししかない 5.神はやろう

                      デカルトはそんなこと言ってない ドゥニ・カンブシュネル(著/文) - 晶文社 | 版元ドットコム
                    • 人文書の電子書籍の売れ方 (青弓社 矢野 未知生) | 版元ドットコム

                      ■当社の電子書籍事業について 当社は人文や芸術の学術書を中心に、読み物や評論も織り交ぜながら刊行しています。今年の3月から、すべての新刊の電子書籍化を始めて、紙の書籍刊行の1カ月後を目安に電子版を発売しています。新刊に加え、売れ行きがいい既刊や大学の授業で教科書として指定してある既刊も電子書籍化を順次進めています。 当社は、2012年に実施された「経済産業省コンテンツ緊急電子化事業」に参加して、当時品切れ・増刷未定だった書籍を中心に639点を電子書籍化しました。ただ、編集部の業務量との兼ね合いから、それ以降の新刊・既刊の電子書籍化はあまりできていませんでした。 コロナ禍で電子図書館の需要が伸びたこともあり、2020年の年末に営業部から電子書籍化を進めようという声が上がりました。営業部が中心になって電子書籍の制作や進行の管理をすることで、新刊の計画的な電子書籍化を実現できました。 ここでは、

                      • 街中で学術書を広めたい (有志舎 永滝稔) | 版元ドットコム

                        まず最初に、有志舎は私・永滝稔がほぼ一人でやっている「一人出版社」です(「ほぼ」というのは、週に2日だけアルバイトさんに来てもらっているから、完全に「一人」ではないもので)。歴史学(近現代史)を中心にした地味な学術書を出版しています。3年前に神保町から杉並区の高円寺というところ(私の生まれ育った所であり今も住んでいる街)に事務所を移転しました。 小社で出版しているのは学術書と書きましたが、学術書にも色々あって、本当に専門家しか読まないであろうという研究書から、概説書・入門書的な教養書まで含め、創業以来15年で140点ほど出版しています。が、しかし、学術書はどれもなかなか売れてくれません。研究書はせいぜい1年で400から500部売れれば大成功、教養書は1000部売れれば小躍りです。ただ、書店員さんには、「有志舎さんの本は基本的に全部研究書という認識です」と言われた事もあるので、どちらもあまり

                        • なぜ紙の書籍が売れなくなったか――中国の書籍販売事情 (行舟文化 張克溯) | 版元ドットコム

                          昨年、私事で中国上海に一時帰国した。用事をすべて済ませてから、学生時代によく通っていた「上海書城」へ行ってみようと思った。「上海書城」は中国でも最大級の書店であり、本屋がいっぱい並んでいて文化的雰囲気が濃いということで「文化一条街」とも呼ばれる「福州路」にある。 場所は二十年前と変わらずすぐに見つかったが、入ってみるとまず驚いたのは天井の高さだった。いつの間にかリニューアルされたのか、目視で5メートル以上もあるのではないか。しかしそれ以上驚かされたのは、床から天井まで目いっぱいに取り付けられている書棚だ。書棚には本が詰めるだけ詰めてあるため、大人でも半分以上の本を取り出すことができないわけだ。そんな壮絶な光景を眺めながら、感心というよりそれがおかしいと思った。もうただの展示会のようなところになってしまい、書店としての機能は失われかけているのではないか、と。 そして、中国では実書店で本を買う

                          • 書物にとって税とはなにか、そして奥付とは ――だから消費税の総額表示義務化には反対なのだ (共和国 下平尾 直) | 版元ドットコム

                            本来であれば昨年12月初旬には書き上げ、最速では年末には掲載予定だったのにもかかわらず、その年末が到来しても入稿できないまま越年し、さらに旬日を経過してようやく送稿する、という編集者としても出版社としても破廉恥きわまりない所業となりました。 2年前にも落としたことがあるのに、再度ご依頼くださった版元ドットコム事務局のTさん、誠に申しわけありません。恥の多い人生を送っています。これに懲りてもう二度と著者訳者にえらそうに原稿の督促なんていたしません! ☆ というように、いっぱしに「出版社をやっています」という顔をしているくせに、本当は古書に囲まれたカビ臭い部屋に引きこもって史料とくんずほぐれつしたり、美麗な本であれば頬ずりしたり矯めつ眇めつしたり、そんなことだけしながら暮らしたい……と老後を夢みているような人間にとって、昨年来のコロナ禍では飲みに出歩く機会と宿酔の時間が激減したぶんだけ、順調な

                            • コロナ下の不謹慎な日常 (石風社 福元 満治) | 版元ドットコム

                              前言翻しアマゾンと直取引 前回の「版元日誌」(2019年3月27日)に「『感じのいい』アマゾンのことなど」と、アマゾンとの直取引の折衝について書いている。 そこにはアマゾンの担当者の「感じのいい」売り込みと(多分折衝専門のプロだったんでしょうね)、地方小出版流通センターとの付き合いの「義理」もあるからと、直取引を断った経緯などについて記している。 ところが、その半年ほど後にアマゾンと取引を始めたのである(もちろん地方小には断りを入れた)。理由は様々あるが、直取引をしないとトラブルが発生していて、それが面倒だったことがまずある。在庫はあるのに絶版にされたり、新刊なのに業者に高値で古本にされたりするアレである。 そのこともあるが、これまで小社は書店の訪問営業をやらず、原則として注文のみでやってきた(書店さんへはFAXで書籍情報掲載の注文書を送っている)。つまり委託をしないので、小社の本は書店店

                              • 編集者と著者の厄介な関係について──自著を出してみて思ったこと (アルテスパブリッシング 木村 元) | 版元ドットコム

                                5月に著書『音楽が本になるとき──聴くこと・読むこと・語らうこと』(木立の文庫)を上梓した。 音楽之友社で19年、アルテスパブリッシングを創業して13年、ひたすら音楽の本をつくりつづけてきたが、自分の名前で本を出すのははじめてである。 木立の文庫というのは、旧知の編集者・津田敏之さんが昨年(2019年)京都で立ち上げたばかりの出版社で、創業にあたっておよばずながら相談に乗っていた経緯もあり、自著の売り方についても、本の完成から発売までなるべく時間をかけて事前告知をし、先行販売を兼ねたイヴェントもやったらどうかと申し上げたところ、3月には動画CMをつくってくださり、4月に東京、5月には京都でのトークイヴェントをセッティングしてくださった。 そこへ来て、このたびのパンデミック到来である。イヴェントは2つとも流れ、CMでのイヴェント告知もむなしくなり、4月半ばに本だけが完成した。ぽっかりと空いた

                                • 多様化するひとり出版社のマネタイズ (キルティ 国本 真治) | 版元ドットコム

                                  屋久島でキルティ株式会社というひとり出版社をやってる国本と申します(会社名はキルティ株式会社ですが、キルティブックスという出版レーベルにしています)。東京で、ファッション/カルチャー雑誌に特化した出版社に15年勤めた後に屋久島に移住して独立しました。屋久島という場所がインパクトあるからか、移住メインの独立の話で、新聞やテレビ他のメディア取材を何度か受けています。 版元ドットコムに参加されているひとり出版社は多いと思いますが、独立前に出版社での会社員経験がおありの場合、ほとんどの方が書籍畑の編集者出身ではないでしょうか。私は少し違ってて、雑誌畑の、それも広告です。同業の皆様ならご理解いただけると思いますが、書籍の出版編集と雑誌のそれとでは、ほぼ別の職種ではないかレベルでやり方/手法、付き合う人間が異なります。書店や取次とのやり取りなど販売・流通の知識もあまりなかったので、ほとんどゼロからのス

                                  • 「おやじの本棚」始末記 (中国書店 原 篤) | 版元ドットコム

                                    ちょうどひと昔前のことになります(自社の出版とは離れた話題ですが、御容赦を)。 私が小学校の「おやじの会」の現役会員だった頃の話です。「おやじの本棚」をやろうということになり、私にも協力の依頼がありました。これまでありそうであまりなかった企画ですね。もちろん、積極的に協力することにしました。 おやじが子どもの頃に夢中になって読んだ本、でも先生や母親はあまりいい顔をしなかった本、 そういうのをどんどん入れました。「怪盗ルパン」も「少年探偵団」もいいじゃないですか。これらを否定することは自分自身の来た道を否定することです。新しい本も入れます。松原秀行さんの「パスワード」シリーズ、はやみねかおるさんの「夢水清志郎」シリーズ、杉山亮さんの「もしかしたら名探偵」シリーズなどは大人が読んでもおもしろい。『チリメンモンスターをさがせ』(偕成社)とか、もし子どもの頃にあったら、夢中になって読んだに違いあり

                                    • 電子専業出版社が紙出版を始めた理由 (プチ・レトル 谷口 一真) | 版元ドットコム

                                      弊社は2013年に創業。電子書籍専業出版社から始めて、2017年から紙の書籍に中心を移しました。紙書籍の刊行は、語学書・ビジネス書を中心に、2019年9月に刊行した『TOEIC L&Rテスト 絶対攻略リーディング』で8点目となります。 前回の版元日誌では、「電子専業出版社が紙出版を始めた理由」について書かせていただきました。電子書籍の動向について関心のある版元さんに読んでいただけたらと思って書いた記事でした。今回も、気になっている版元さんがありそうなテーマを選んでみました。 Amazonの電子書籍読み放題サービス、Kindle Unlimitedについては、ご存知の方が多いと思います。Kindle Unlimited対象の電子書籍は随時変わりますが、本原稿執筆時点では、「文学・評論」ジャンルで3万以上、「人文・思想」ジャンルで3万以上、「ビジネス・経済」ジャンルで1万以上等、多数の書籍がU

                                      • 生活のまちにひらいた不思議な本屋のはなし (三輪舎 中岡祐介) | 版元ドットコム

                                        東急東横線の各駅停車しか停まらない妙蓮寺駅徒歩2分のところに、新刊書店である「本屋・生活綴方」を開業した。オーナーは70年続く街の本屋「石堂書店」。その二階につくったコワーキングスペース「まちのしごとば 本屋の二階」とともに、石堂書店の経営再建が目的だった。ぼくは石堂書店の社員ではないので、責任者として石堂智之さんに店長になってもらった。ぼくは監修という立場で、仕入れ、イベントや展示の企画など全般の実務を担当した。開店は2020年2月15日。それから1年半の歴史は丸々、コロナ禍だった。その間の奇跡的に見える出来事をどこかに書いておかないと思って、本屋・生活綴方が発行する雑誌「点綴」に二回にわたって書き記した。本稿はその文章の一部の抜粋である。抜粋のわりに長いのは、綴るべき出来事があまりに多かったからである。 品揃えのはなし 本屋の売りものは本である。本屋はコミュニティの場であるよりも、本を

                                        • むかしばなしⅡ (皓星社 藤巻 修一) | 版元ドットコム

                                          根拠のない自信を持って30歳で出版社を始めたものの、経営の訓練を受けたわけでもなく資本も人間関係も乏しいままだったから、困難は約束されていたようなものだった。始めて数年で行き詰まった。 負債は雪だるま式に膨らんで数千万に及んでいた。立ち止まって40歳までに負債を整理しようと決心してまぁいろいろやりました。 この時期、訪問販売の株式会社図書月販、後の株式会社ほるぷの残党や類似の販売方法を採る「書籍販売会社」が残っていて、夢よもう一度と蠢いていた。ほるぷの全盛期には月商一千万単位の伝説の販売員もいたという話だ。高度成長の真只中で、新築の応接間の飾りに百科事典が飛ぶように売れた時代だ。最近でも古本屋で『名著復刻全集 近代文学館』のバラを見ることがあるがその名残だ。当時は既にブームは去っていたが、一部の出版社は高額なセット物を企画して企画書一枚で販売会社から手形を受け取って資金繰りに回していた。販

                                          • 本から始める (人々舎 樋口 聡) | 版元ドットコム

                                            初めまして。2021年に東京都中野区にて立ち上げました人々舎(ひとびとしゃ)の樋口聡(ひぐち・さとし)と申します。いわゆる「ひとり出版社」の後続として、細々とやってきました。今までに、2冊を刊行(2021年8月に『愛と差別と友情とLGBTQ+ 言葉で闘うアメリカの記録と内在する私たちの正体』著・北丸雄二、2022年5月に『私の顔は誰も知らない』著・インベカヲリ★)してきました。 『愛と差別と友情とLGBTQ+ 言葉で闘うアメリカの記録と内在する私たちの正体』 北丸雄二 『私の顔は誰も知らない』 インベカヲリ★ ふだん原稿やゲラを読む時は、「こんなことはきっと書きたくないだろうな、でもだからこそ書いてほしいな」とか、「この行とこの行の間には、こういうことが書いてないと分からないな」とか、「ここの事実はよく分かるんだけど、その時○○○○さんはどう思ったのか知りたいな」とか、とにかく、疑問が消え

                                            • 絵本という種を播き続けた絵本プロジェクトの10年 (現代企画室 江口 奈緒) | 版元ドットコム

                                              2011年3月11日の東日本大震災から10年という節目を迎える年になりました。 現代企画室は東京の出版社ですが、末盛千枝子さんを通して被災地とかかわる仕事をさせていただきました。 出版社すえもりブックスを主宰し、すばらしい絵本を数々手がけてきた末盛千枝子さんの著書『人生に大切なことはすべて絵本から教わった』を出版したのが2010年。そのご縁は末盛さんが岩手に移住されてからも続き、末盛さんがかつて編集した絵本などを復刊する「末盛千枝子ブックス」の立ち上げ準備を進めていた頃、2011年の東日本大震災が起こりました。故郷である岩手に移られてまもなく、あの大震災を体験した末盛さんは「被災地の子どもたちに絵本を届けられないか」と呼びかける手紙を知人、友人に送りました。 末盛さんの声を受け止めた盛岡市中央公民館が、絵本を受け入れる場所を提供し、「3.11絵本プロジェクトいわて」が立ち上がります。末盛さ

                                              • 元気をもらいました。なので、書店さんに元気を持っていきます。 (西日本出版社 内山 正之) | 版元ドットコム

                                                今年7月に出した「「個」のひろしま」で、「平和・協同ジャーナリスト基金賞」奨励賞をいただきました。 著者の宮崎園子さんから内々に、連絡をいただいたのが、11月14日。 2022年前半は、「まるありがとう」のヒットで書店さんからの注文が殺到、ファックスが常に紙を吐き出している状態だったのが、10月ごろから落ち着き始めていたのでした。 それ以上に厳しいのが、新刊の受注。 書店さん・本部さん、取次の支店さんに伺って打ち合わせしていくのですが、一部の取次の支店さんでは、地元の本の配本打ち合わせもしないと言ってきたところがあって、その支店の地区では、注文を下さった書店さん以外には並ばなくなりました。 この間予約注文を取っていたのは、銀行を辞めてその昔日本一のお寺さんだった大安寺の僧侶になった河野さんの「癌封じのお寺 大安寺の365日」。どうも関西文化であるらしいと知って取り組んだ、粕汁食のすべてをイ

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