狙いは、県の弱点だった「理数工学系人材の強化」 2008年から博士号教員の採用を行ってきた秋田県。先んじて取り組んできた狙いはどこにあったのか。秋田県教育庁高校教育課管理チームのリーダーを務める石井勇悦氏は次のように語る。 「当時、県知事や教育長などでつくる秋田県発展戦略会議で、学校教育の質的向上策として、県の弱点とされていた理数工学系人材を強化することが提案されたことがきっかけです。そこで、理学、農学、工学などの博士号取得者を公立高校に採用することになりました」 採用初年度の2008年は志願者57名に対し、採用は6名。以降、断続的に年1名を採用してきた。県単独で予算を組んでいるため、欠員が生じれば採用する方針を採っている。合格者が教育免許を持っていない場合は採用後に特別免許状を授与し、通常の教員と同様に初任者研修も実施しているという。 これまでの採用実績は12名(うち非常勤1名)で、物理