去る10月1日、横綱・白鵬が引退会見を行った。数々の大記録を打ち立て、まさに病める日も健やかなる日も、角界を双肩で支え続けてきた白鵬。かつて、その大きな背中を追いかけていた一人が、同じく元横綱・稀勢の里の荒磯親方である。白鵬の引退を受け、現在の率直な思いを伺った。 「白鵬がいなかったら、あの体験はできなかった」――一時代を築いた横綱が引退されるというのは、荒磯親方にとって、率直にいかがですか。 「誰にでも終わりはあります。自分にとってはもちろん、相撲界にとっても、偉大な横綱がいなくなるのは非常に残念ですね。世代交代と言われながらも、最後は全勝優勝して、若手に弱い姿を見せずに引退するという引き際の素晴らしさも、白鵬関らしいなと思います。彼のやってきたことは、やっぱり間違っていなかったんですよね」 ――白鵬関とはたくさんの思い出があると思います。振り返ってみていかがですか。 「本当に、思い出は