「ヘイトと教育」カリフォルニアの挑戦(上) 「私はあなたに近づきたくないの」 これはロサンゼルス郊外の高級住宅街にあるスーパーのレジで、私の日本人ママ友が高齢の白人女性から言われた言葉です。レジには他に4~5人の白人客が並んでいましたが、その言葉はアジア系である彼女にだけ向けられました。 米国在住が長い彼女は「私もあなたに近づきたくないわ(お互い様ね)」と言い返したそうです。 アジア系の住民はこのコロナ禍において、「近づくとコロナがうつる」といったまるで病原菌のような扱いを受けることがあり、アジア系であることを理由とした暴言や暴行、いわゆるヘイトクライムの犠牲になってきました。ワクチンが普及し、コロナへの恐怖も峠を越したと思われる現在でも、こうした差別はなくなっていません。 トランプ前大統領らが在任中に新型コロナウイルスを「中国ウイルス」などと言い続け、偏見が広がったことも背景にありますが