藤沢数希氏の小説「ぼくは愛を証明しようと思う。」を読んだ。 本書は文学書でありながら数希氏の創出した「恋愛工学」のエッセンスを垣間見ることができるようになっている。 小説の組み立てとしては、堀江貴文氏の「拝金」、稲田将人氏の「戦略参謀」に近い。最初はイケていない主人公が、良き師に出会うことで成長していく過程が描かれている。 この手のストーリーの小説は、成長をした主人公が最後に得たものは何だったかということを著者がどう表現できるかが作品の格を決めるといってよい。その点、藤沢氏はみごとに答えを出したといってよいだろう。小説「ぼくは愛を証明しようと思う。」は、単なる恋愛マニュアル本にとどまることなく、日本文学に昇華した。 残念なのは小説の表紙の帯だ。帯には売るための宣伝文句がごちゃごちゃと書いてあり、いかにも安っぽい。書店で本書を初めて見る客をキャッチするためには仕方がないのかもしれないが、ここ