2023年のWBCは、日本にとって最高の形で幕を閉じた。メキシコとの激闘をサヨナラで制し、迎えたアメリカとの決勝。3対2とリードして迎えた9回に、大谷翔平がマイク・トラウトから空振り三振を奪ってゲームセット――信じがたいほどドラマチックだった侍ジャパンの戦いを、2006年WBCの優勝メンバーで元中日監督の谷繁元信氏はどう見たのか。NumberWebの短期集中連載の最終回では、侍ジャパンの“個人的なMVP”を選出してもらった。(全2回の2回目/前編へ)
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すごい。そんな言葉では安い。もっと最上級の表現はないかと辞書で探したが、見つけられなかった。 佐々木朗の前回登板の3日西武戦を球場で見た。打者への初球が上ずっていた。2球目からは制球され、修正能力自体も高いが、オリックス戦は初球の入りから制御されていた。連続奪三振の途中から打者は200%直球待ちの状況で良かった。だが球種を絞られても振り遅れのファウルしか飛ばない。威力があり、見せ球の必要もないから19奪三振を105球でなせる。 ルーキー捕手の松川とのコンビ。若いバッテリーで、どちらが主体でリードを考えているか。西武戦後に聞くと佐々木朗は「自分が主体で考えてます」と答えていた。実際にサインに首を振る場面も目立った。 だが、わずか1週間後の松川には成長を感じた。9連続奪三振がかかった4回1死。バレラにカウント1-2から内角直球のサイン。私は空振りの確率が高いフォークと思ったが、松川は第1打席で
3月16日、WBC準々決勝でイタリアを撃破し、5大会連続の準決勝に駒を進めた侍ジャパン。大谷翔平の熱投や“まさか”のセーフティバント、岡本和真の“最高”な3ラン、そして誰もが待っていた村上宗隆の復活……。米マイアミ行きのチケットを勝ち取った最大のポイントはどこにあったのか。2006年WBC優勝メンバーで元中日監督の谷繁元信氏が、NumberWebの短期集中連載で侍ジャパンの戦いを徹底解説する。 拙攻で失いかけた「流れ」を引き寄せたのは… 1次ラウンド、そしてイタリアとの準々決勝を振り返ってまず思うのは、「今回の侍ジャパンは本当に強い」ということ。いかに選手層が厚いといっても、ほぼ初対戦の相手に、終わってみれば明確な差をつけて5連勝したわけですから。今大会のドミニカ共和国(2勝2敗で1次リーグ敗退)の結果が物語っていますが、どれだけ力があっても「国際大会で勝ち切る」というのは非常に難しいんで
水道博●文 text by Suido Hirohiphoto by Sankei Visual,Sportiva 日本人選手最多の3021試合に出場し、捕手としてメジャー最多出場を誇るイバン・ロドリゲスの2427試合を上回る2963試合でマスクを被った谷繁元信氏。プロ野球選手として、世界中の誰よりも多くの球を受けてきた名捕手が選んだ「魔球」とは? 通算3021試合に出場し、2963試合でマスクを被った谷繁元信氏この記事に関連する写真を見る カットボールのパイオニア 2002年に中日に移籍した際、川上憲伸の球を受けた時の第一印象は「迫力ある投手だな」ということだ。そんな長身ではないが(180センチ)、角度もあるし、リリースの位置がかなり捕手寄りだった。 なにより憲伸の代名詞は"カットボール"。メジャーを代表するクローザーのマリアノ・リベラ(元ヤンキース)のカットボールを参考に開発したそうだ
2009年以来のWBC優勝を目指す侍ジャパンが、1次ラウンド初戦の中国に続き、難敵・韓国にも地力の違いを見せつけて2連勝を飾った。先発のダルビッシュ有が3点を先制されるという予想外の展開のなか、勝利を手繰り寄せたポイントはどこにあったのか。そして無安打が続く4番・村上宗隆の復調は……。2006年WBCの優勝メンバーで元中日監督の谷繁元信氏が、侍ジャパンの戦いを分析する。 勝敗を分けたポイントは「源田、中村の連続四球」 韓国戦の勝敗を分けたポイントは3回裏、3点を先制された直後の日本の攻撃にあると見ています。特に大きかったのが、8番の源田壮亮、9番の中村悠平が連続で四球を選んだこと。強化試合から状態のいい1、2、3番の前にノーアウトでランナーをためることができて、ヌートバー、近藤健介のタイムリーが出た。打線の流れが見事につながったな、という印象を受けました。 その後の大谷翔平が歩かされたのは
【短期連載】なぜ日本のFA制度は活用されないのか 第2回「選手と監督、両方の立場でFAと向き合った谷繁元信氏の主張」 日本のプロ野球にフリーエージェント(FA)制度が導入され、28年目のオフを迎えた。選手会が「移籍の活性化」を求めたことがきっかけで生まれた制度だが、この冬はほとんど活用されなかった。 全部で97選手がFAになる権利を保有したなか(複数年契約を結んでいる選手も含む)、宣言したのはわずか3人。そのうち新天地を選んだのは、中日ドラゴンズから福岡ソフトバンクホークスに移籍した又吉克樹のみだった。 制度の趣旨を考えると、機能不全に陥っているのではないか。そう指摘するのは、大洋ホエールズ・横浜ベイスターズ(現・横浜DeNAベイスターズ)と中日で27年間プレーした谷繁元信氏だ。 第1回はこちら>>「日本のFA制度は機能不全となっている?」 山田久志監督(左)率いる中日にFA移籍した谷繁元
横浜、中日で選手・監督として活躍し、現在は野球解説者を務める谷繁元信氏(51)が『プロ野球選手による本塁打最多連続シーズン数』としてギネス世界記録に認定された。この記録での認定は初めてとなる。 谷繁氏は、1988年にドラフト1位で横浜大洋ホエールズ(現DeNAベイスターズ)に入団。中日移籍後は選手兼監督を務めるなど、球界を代表とする名捕手として名を馳せた。 今回、プロ1年目となる1989年から2015年の現役引退まで、27シーズン連続で本塁打を放った記録がギネス世界記録に認定となった。 歴代2位の記録は25シーズン連続のホームランとなっておりリッキー・ヘンダーソン氏、野村克也氏、イチロー氏、偉大な3選手の記録を上回る数字となった。 これまでの野球界のギネス世界記録 これまでの野球界のギネス世界記録は、イチロー氏の「日米通算最多安打数(4367本)」、大谷翔平選手の「1シーズンで投手として1
「大谷翔平がすごいのは当然として…」 1次ラウンド4連勝は簡単なようで、決して簡単ではありません。いかに力の差があるといっても、初見の投手をしっかり攻略して、どの試合も大量点を取れているところが素晴らしい。個人的には、韓国戦やオーストラリア戦は「勝つにしても思うように点は取れないだろう」と予想していました。相手国の投手陣があまりよくなかったとはいえ、ここまでは称賛されてしかるべき戦いぶりだと思います。 オーストラリア戦を見ながら、なんとなく「ここまでのMVPは誰かなあ」と考えていたんですよ。ベタに選ぶなら、もちろん大谷翔平なんでしょうけど(笑)。中国戦の先発(4回無失点)に始まり、打撃も4試合で打率.500、1本塁打、8打点ですか……。みなさんご存じの通り、あのイチローでさえWBCでは苦しんだことがありますからね。日本中から期待され、相手にも警戒されながらこれだけの成績を残せるのは、あらた
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