医師から告げられた余命は、2週間だった。「楽しいことをいっぱいしたい」。そう語っていた19歳の女性は最期まで自分らしく生きることを諦めず、やりたかったことを実現させた。その一つが、自身をモデルにした絵本の原画展。家族と共にこの夏、開催にこぎつけた。 香川県丸亀市の武川紗音(さやね)さんは、幼少期から相次ぐ病気の治療に臨んできた。兄と妹との3人きょうだいで、母の咲子さん(47)は「責任感が強い。頑固で不器用だけど、自分をしっかり持ち、家族や友達を大切にする子」と語る。 最初の異変は5歳の時。咲子さんによると、2010年1月、紗音さんは肩や手首の痛みを訴え、次第に手が腫れてきた。近所の病院では原因がわからず、同県善通寺市の病院で国指定の難病「若年性特発性関節炎」と診断される。専門医がいる鹿児島の病院へ月2回、泊まりがけで通院し、小学5年からは大阪の病院へ通院を続けた。中学に入学した頃には病状も