文/鈴木拓也 医学博士で井本整体の創始者である井本邦昭さんは、5年前に「かつてないほど激しい首の痛み」に襲われたという。 激痛は昼夜問わず続いたので、大学病院で脳神経外科医をしている息子さんに診てもらったところ「のどを切開し、首の骨などを削る大手術をするしかない」などと言われた。 しかし、整体の予約や講座の予定で多忙をきわめる井本さんに、手術を受けて療養する暇はなく、自力で治すことを決意する。 このとき行ったセルフケアは、後に「引き合う動き」と名付けることになるもので、痛む部位をゆるめることを主眼としたもの。数日の間、空き時間のたびにこれを行ったところ、痛みは完全に消失。現在に至るまで、一度も再発していないという。 息子さんの同僚だった元看護師で、同じ症状で苦しんでいた女性にやり方を教えたところ、やはり数日で痛みが消えた。 これを、様々な症状に適用でき、万人向けにアレンジしたものが、著書『